第9話、桃園の誓い

文字数 9,231文字

 母と子は、仕事の庭に、きょうも他念なく、蓆機(むしろばた)に向って、蓆を織っていた。

 がたん……

 ことん

 がたん

 水車の(まわ)るような単調な音がくり返されていた。

 だが、その音にも、きょうはなんとなく活気があり、歓喜の()があった。

 黙々、仕事に精だしてはいるが、母の胸にも、劉備(りゅうび)の心にも、今日この頃の大地のように、希望の芽が生々と息づいていた。

 ゆうべ。

 劉備は、城内の市から帰ってくると、まっ先に、二つの吉事を告げた。

 一人の良き友に出会った事と、かねて手放した家宝の剣が、計らず再び、自分の手へ返ってきた事と。

 そう二つの歓びを告げると、彼の母は、


「おまえにも時節が来たらしいね。劉備や……心の支度もよいかえ」


 と、かえって静かに声を低め、劉備の覚悟を(ただ)すようにいった。

 時節。……そうだ。

 長い長い冬を経て、桃園の花もようやく(つぼみ)を破っている。土からも草の芽、木々の枝からも緑の芽、生命のあるもので、()え出ない物はなに一つない。

 がたん……

 ことん……

 蓆機(むしろばた)は単調な音をくりかえしているが、劉備の胸は単調でない。こんな春らしい春をおぼえたことはない。

 ――我は青年なり。

 空へ向って言いたいような気持である。いやいや、老いたる母の肩にさえ、どこからか舞ってきた桃花の一片(ひとひら)が、(あか)く点じているではないか。

 すると、どこかで、歌う者があった。十二、三歳の少女の声だった。



(ショウ)ガ髪初メテ(ヒタイ)(オオ)

花ヲ折ッテ門前ニ(タワム)

(ロウ)ハ竹馬ニ騎シテ(キタ)

(ショウ)(メグ)ッテ青梅ヲ(ロウ)


 劉備は、耳を澄ました。

 少女の美音は、近づいてきた。


……十四(キミ)ノ婦ト()ッテ

羞顔(シュウガン)(イマ)(カツ)テ開カズ

十五初メテ(マユ)()

願ワクバ(チリ)ト灰トヲ共ニセン

常ニ抱柱(ホウチュウ)ノ信ヲ(ソン)

(アニ)(ノボ)ランヤ望夫台(ボウフダイ)

十六(キミ)遠クヘ行ク


 近所に住む少女であった。早熟な彼女はまだ青い(なつめ)みたいに小粒であったが、劉備の家のすぐ墻隣(かきどなり)の息子に恋しているらしく、星の晩だの、人気ない折の真昼などうかがっては、墻の外へきて、よく歌をうたっていた。


 劉備は、木蓮の花に黄金(きん)耳環(みみわ)を通したような、少女の(かお)を眼にえがいて、隣の息子を、なんとなく(うらや)ましく思った。

 そしてふと、自分の心の底からも一人の麗人を思い出していた。それは、三年前の旅行中、老僧にひき合わされた鴻家(こうけ)の息女、鴻芙蓉(こうふよう)のその後の消息であった。

 ――どうしたろう。あれから先。

 張飛に訊けば、知っている筈である。こんど張飛に会ったら――など独り考えていた。

 すると、(かき)の外で、しきりに歌をうたっていた少女が、犬にでも噛まれたのか、突然、きゃっと悲鳴をあげて、どこかへ逃げて行った。



 少女は、犬に()まれたわけではなかった。

 自分のうしろに、この辺で見たこともない、剣を()いた巨きな髯漢(ひげおとこ)が、いつのまにか来ていて、


「おい、小娘、劉備殿の家はどこだ」

 と、訊ねたのだった。

 けれど、少女は、振向いてその(おとこ)を仰ぐと、姿を見ただけで、(きも)をつぶし、きゃっといって、逃げ走ってしまったのであった。

「あははは。わははは」


 髯漢は、小娘の驚きを、滑稽に感じたのか、独りして笑っていた。

 その笑い声が止むと一緒に、後ろの(かき)の内でも、はたと、蓆機(むしろばた)の音が止んでいた。

 墻といっても匪賊(ひぞく)に備えるためこの辺では、すべてといってよい程、どの家でも、土の塀か、石で組上げた物でできていたが、劉家だけは、泰平の頃に建てた旧家の慣わしで、高い樹木と灌木に、細竹を渡して結ってある生垣だった。

 だから、背の高い張飛は、首から上が、生垣の上に出ていた。劉備の庭からもそれが見えた。

 ふたりは顔を見合って、


「おう」

「やあ」


 と、十年の知己のように呼び合った。


 張飛は、外から木戸口を見つけてはいって来た。ずしずしと地が鳴った。劉家はじまって以来、こんな大きな跫音が、この家の庭を踏んだのは初めてだろう。

「きのうは失礼しました。君に会ったことや、剣のことを、母に話したところ、母もゆうべは歓んで、夜もすがら希望に(ふけ)って、語り明かしたくらいです」

「こちらが貴公の母君か」


 深々と礼をした。

「そうです。――母上、このお方です。きのうお目にかかった張飛翼徳という豪傑は」


 劉備の母は、張飛の礼をうけた。どういうものか、張飛は、その母公の姿から、劉備以上、気高い威圧をうけた。

 また、実際、劉備の母にはおのずから備わっている名門の気品があったのであろう。世の常の甘い母親のように、息子の友達だからといって、やたらに小腰をかがめたりチヤホヤはしなかった。


「劉備からおはなしは聞きました。失礼ですが、お見うけ申すからに頼もしい偉丈夫。どうか、柔弱なわたしの一子を、これから叱咤(しった)して下さい。おたがいに鞭撻(べんたつ)し合って、大事をなしとげて下さい」
 と、いった。

「はっ」


 張飛は、自然どうしても、頭を下げずにはいられなかった。長上(ちょうじょう)に対する礼儀のみからではなかった。


「母君。安心して下さい。きっと男児の素志をつらぬいて見せます。――けれど、遺憾なことが一つ起りました。で、実はご子息に相談に来たわけですが」


「では、男同士のはなし、わたくしは部屋へ行っていましょう。ゆるりとおはなしなさい」


 母は、奥へかくれた。

 張飛は、その後の床几(しょうぎ)へ腰かけて、実は――と、自分の盟友、いや義兄とも仰いでいる、雲長のことを話しだした。

 雲長も、自分が見込んだ(おとこ)で、何事も打明け合っている仲なので、早速、ゆうべ訪れて、仔細を話したところ、意外にも、彼は少しも歓んでくれない。

 のみならず、景帝の裔孫(えいそん)などとは、むしろ怪しむべき者だ。そんな路傍のまやかしと、大事を語るなどは、もってのほかであると叱られた。


「残念でたまらない。雲長めは、そういって疑うのだ。……ご足労だが、貴公、これから拙者と共に、彼の住居まで行ってくれまいか。貴公という人間を見せたら、彼も恐らくこの張飛の言を信じるだろうと思うから――」


 張飛は、疑いが嫌いだ。疑われることはなお嫌いだ。雲長が、自分の言を信じてくれないのが、心外でならないのである。

 だから劉備を連れて行って、その人物を実際に示してやろう――こう考えたのも張飛らしい考えであった。

 しかし、劉備は、

「……うむ」

 と、いって、考えこんだ。

 信じない者へ、()いて、自己を押しつけて、信じろというのも、好ましくないような気がした。そもそも、雲長という人物のことを、劉備自体知らない。是非という気持ちも、あまりなかった。かといって張飛の願いをむげに断るほどの理由もなかった。

 すると、廊のほうから、

「劉備。行っておいでなさい」


 彼の母がいった。

 母は、やはり心配になるとみえて、彼方(かなた)で張飛のはなしを聞いていたものとみえる。

 もっとも、張飛の声は、この家の中なら、どこにいても聞えるほど大きかった。


「やあ、お許し下さるか。母君のおゆるしが出たからには、劉備殿、何もためらうことはあるまい」


「時機というものは、その時をのがしたら、またいつ(めぐ)ってくるか知れないものです。――何やら、今はその天機が巡ってきているような気がするのです。些細(ささい)な気持などにとらわれずに、お誘いをうけたものなら、張飛殿を信じて、行ってごらんなさい」
 劉備は、母のことばに
「では、参ろう」
 と決心の腰を上げた。

 礼をして外へ出た。


 家の外に出て数歩、歩いたところ、
「あれ?」

 張飛が驚いたような声を上げた。

 道の先に馬に乗った男が見えた。

 胸まである黒髯(こくぜん)を春風になぶらせ、腰に偃月刀(えんげつとう)佩環(はいかん)戛々(かつかつ)とひびかせながら、手には緋総(ひぶさ)のついた鯨鞭(げいべん)を持った偉丈夫が、近づいてくるのであった。

 関羽雲長であった。

 童学草舎(どうがくそうしゃ)の教師も、武装すれば、こんなにも威風堂々と見えるものかと、眼をみはらせるばかりな関羽の風貌であった。

「やはり、もう来ていたか」


「おお、今からお前の所に行こうとしたところだが、――雲長。その身なりは一体、どうしたことか。余りに物々しい装いではないか」


 怪しんで問うと、


「張飛。なにをとぼけたことをいう。それでは昨夜、あんなに熱をこめて、時節到来だ、良き盟友をえた、いざ、かねての約束を、実行にかかろうといったのは、嘘だったのか」

「嘘ではないが、大体、尊兄が不賛成だったろう。俺のいうこと何ひとつ、信じてくれなかったじゃないか」


「それは、あの場のことだ。召使いもいるし、近所の人間もいる。貴様のはなしは、秘密秘密といいながら、あの大声だ。洩れてはならない――そう考えたから一応冷淡に聞いていたのだ」
「なんだ、それなら、尊兄もわしの言葉を信じ、乗りだす(はら)を固めてくれたのか」
「おぬしの言葉もあるが、実は、相手が楼桑村の劉備どのと聞いたので、即座に心はきめていたのだ。かねがね、わしの村まで孝子という噂の聞えている劉備どの、それによそながら、ご素姓や平常のことなども、ひそかに調べていた」
「人が悪いな。どうも尊兄は、智謀を(ろう)すので、付き合いにくいよ」
 そう言いながらも張飛はどこかうれしそうな顔をした。
「ははは。貴様から付き合いにくいといわれようとは思わなかった。今朝、召使いへ、みな暇を出した上、通学してくる子供たちの親も呼んで、都合によって学舎を閉鎖するといい渡し、心おきなく、身一つになって、かくは貴様の後を追って来たわけだ」

「おお、それで、その格好になったのか」


 劉備は最前から、張飛と雲長との二人の仲の(むつ)まじさと、その信義に篤い様子を見て、感にたえている面もちだった。


「あなたが劉備様ですか」

 雲長は、馬から下り、近づくと、彼の足もとへ膝を折って、


「初めてお目にかかります。自分は河東解良(かとうかいりょう)山西省(さんせいしょう)解県(かいけん))の産で、関羽(かんう)(あざな)は雲長と申し、長らく江湖(こうこ)流寓(りゅうぐう)のすえ、四、五年前よりこの近村に住んで、教師となって草裡にむなしく月日を送っていた者です。かねてひそかに心にありましたが、計らずも今日、拝姿の栄に会い、こんな歓ばしいことはありません。どうかお見知りおき下さい」

 と、最高の礼儀をとって、慇懃(いんぎん)にいった。

 劉備はあえて、卑下(ひげ)しなかったが、べつに尊大に構えもしなかった。関羽雲長の礼に対して、当り前に礼を返しながら、


「ご丁寧に。……どうも申し遅れました。私は、楼桑村に永らく住む百姓の劉備玄徳という者ですが、かねて、蟠桃河(ばんとうが)の上流の村に、醇風良俗な場があると聞きました。おそらく先生の高風に化されたものでありましょう。なにをいうにも、ここは路傍ですから、すぐそこの茅屋(あばらや)までお越しください」
 と、誘えば、

「おお、お供しよう」


 関羽も歩み、張飛も肩を並べ、共に劉備の家まで行った。

 劉備の母は、またすぐ新しい客がふえたので、不審がったが、張飛から紹介されて、関羽の人物を見、よろこびを現して、


「どうぞ」

 と心から歓待した。

 その晩は、母もまじって、夜更けまで語った。劉備の母は、劉家の古い歴史を、覚えている限り話した。

 生れてからまだ劉備さえ聞いていない話もあった。

(いよいよ漢室のながれを汲んだ景帝(けいてい)裔孫(えいそん)にちがいない)

 張飛も、関羽も、今は少しの疑いも抱かなかった。

 同時に、この人こそ、義挙の盟主になすべきであると肚にきめていた。

 しかし、劉玄徳の母親思いのことは知っているので、この母親が、

(そんな危ない(たくら)みに息子を加えることはできない)

 と、断られたらそれまでになる。関羽は、それを考えて、ぼつぼつと母の胸をたずねてみた。

 すると劉備の母は、みなまで聞かないうちにいった。

「ねえ劉や、今夜はもうおそいから、お客様にも臥床(ふしど)を作っておあげなさい。――そして明日はいずれまた、お三名して将来の相談もあろうし、大事の門出でもありますし、母が一生一度の馳走をこしらえてあげますからね」

 それを聞いて、関羽は、この母親の胸を問うなど()であることを知った。張飛も共に、頭を下げて、「ありがとうござる」と、心服した。

 劉備は、

「では、お言葉に甘えて、明日は母に、一世一代の祝いを(おご)っていただきましょう。そうだ。そのご馳走は、我々ばかりでなく、祭壇を設けて、先祖にも上げましょう」
「では、ちょうど今は、桃園の花が真盛りだから、桃園の中に(むしろ)を敷こうかね」

 張飛は手を打って、


「それはいい。では我々も、あしたは朝から桃園を(きよ)めて、せめて祭壇を作る手助けでもしよう」


 と、いった。

 客の二人に(しょう)を与えて、眠りをすすめ、劉備と母のふたりは、暗い(くりや)の片隅で、藁をかぶって寝た。

 劉が眼をさましてみると、母はもういなかった。夜は明けていたのである。

 厨の(かまど)の下には、どかどかと(まき)がくべられていた。こんなに景気よく窯に薪の焚かれた(ためし)は、劉備が少年の頃から覚えのないことであった。春は桃園ばかりでなく、貧しい劉家の台所に訪れてきたように思われた。



 桃園へ行ってみると、関羽と張飛のふたりは、近所の男を雇ってきて、園内の中央に、もう祭壇を作っていた。

 壇の四方には、笹竹(ささだけ)を建て、清縄(せいじょう)をめぐらして金紙(きんし)銀箋(ぎんせん)(はな)をつらね、土製の白馬を(いけにえ)にして天を祭り、烏牛を(ほふ)ったことにして、地神を(まつ)った。

「やあ、おはよう」


 劉備(りゅうび)が声をかけると、


「おお、お目ざめか」


 張飛、関羽は、振向いた。


「見事に祭壇ができましたなあ。寝る間はなかったでしょう」


「ええ、張飛が、興奮して、寝てから話しかけるので、ちっとも眠る間はありませんでしたよ」


 と、関羽は笑った。

 張飛は劉備のそばへきて、


「祭壇は立派にできたが、酒はあるだろうか」


 心配して訊ねた。


「母が何とかしてくれるそうです。今日は、一生一度の祝いだといっていますから」


「そうか、それで安心した。しかし劉兄、いいおっ母さんだな。ゆうべからそばで見ていても、(うらやま)しくてならない」


「そうです。自分で自分の母を褒めるのもへんですが、子に優しく世に強い母です」


「気品がある、どこか」


「失礼だが、劉兄には、まだ夫人(おくさん)はないようだな」


「ありません」


「はやくひとり(めと)らないと、母上がなんでもやっている様子だが、あのお年で、お気の毒ではないか」


「…………」


 劉備は、そんなことを訊かれたので、またふと、忘れていた鴻芙蓉(こうふよう)の佳麗なすがたを思い出してしまった。

 で、つい答えを忘れて、何となく眼をあげると、眼の前へ、白桃の花びらが、霏々(ひひ)と情あるもののように散ってきた。


「劉備や。皆さんも、もうお支度はよろしいのですか」


 母が、いつの間にか、三名の後ろにきて告げた。

 三名が、いつでもと答えると、母はまた、いそいそと厨房(ちゅうぼう)のほうへ去った。

 近隣の人手を借りてきたのであろう。きのう張飛の姿を見て、きゃっと魂消(たまげ)て逃げた娘も、その娘の恋人の隣家の息子も、ほかの家族も、大勢して手伝いにきた。

 やがて、まず一人では持てないような酒瓶(さかがめ)が祭壇の(むしろ)へ運ばれてきた。

 それから豚の仔を丸ごと油で煮たのや、山羊の吸物の鍋や、干菜(かんさい)牛酪(ぎゅうらく)で煮つけた物だの、年数のかかった漬物だの――運ばれてくるごとに、三名は、その豪華な珍味の鉢や大皿に眼を奪われた。

 劉備さえ、心のうちで、

「これは一体、どうしたことだろう」

 と、母の算段を心配していた。

 そのうちにまた、村長の家から、花梨(かりん)の立派な卓と椅子(いす)がかつがれてきた。

「大饗宴だな」


 張飛は、子どものように、歓喜した。

 準備ができると、手伝いの者は皆、母屋へ退がってしまった。

 三名は、


「では」

 と、眼を見合せて、祭壇の前の(むしろ)へ坐った。そして天地の神へ、


「われらの大望を成就させ給え」


 と、祈念しかけると、関羽が、


「ご両所。少し待ってくれ」


 と、なにか改まっていった。


「ここの祭壇の前に坐ると同時に、自分はふと、こんな考えを呼び起されたが、両公の所存はどんなものだろうか」

 関羽は、語をつづけた。


「まだ兵はおろか、兵器も金も馬すらそろっていないが、三名でも、集まれば、即座に一つの軍である。軍には将がなければならず、武士には主君がなければならぬ。行動の中心に正義と報国を奉じ、個々の中心に、主君を持たないでは、それは徒党の乱に終り、烏合(うごう)(しゅう)と化してしまう。――張飛もこの関羽も、今日まで、草田(そうでん)に隠れて時を待っていたのは、実に、その中心たるお人が容易にないためだった。劉備玄徳という、しかも血統の正しいお方に会ったのが、急速に、今日の義盟の会となったのであるから、今日ただいま、ここで劉備玄徳どのを、自分らの主君と仰ぎたいと思うが、張飛、おまえの考えはどうだ」


 訊くと、張飛も、手を打って、


「いや、それは拙者も考えていたところだ。いかにも、(けい)のいう通り、きめるならば、今ここで、神に(いの)るまえに、神へ誓ったほうがよい」


「玄徳様、ふたりの熱望です。ご承知くださるまいか」


 左右から詰めよられて、劉備玄徳は、黙然と考えていたが、


「待って下さい」


 と、二人の意気ごみを(おさ)え、なおややしばらく沈思してから、身を正していった。


「なるほど、自分は漢の宗室のゆかりの者で、そうした系図からいえば、主たる位置に坐るべきでしょうが、生来鈍愚、久しく田舎にひそみ、まだなにも成し遂げておらず、人の上に立って主君たる修養も徳も積んでおりませぬ。どうか今しばらく待って下さい」

「待ってくれと仰っしゃるのは」


「実際に、徳を積み、身を修め、果たして主君となるの資才がありや否や、それを自身もあなたたちも見届けてから約束しても、遅くないと思われます」


「いや。それはもう、われわれが見届けてあるところです」


「とはいえ、私はなお、(はばか)られます。――ではこうしましょう。君臣の誓いは、われわれが一国一城を持った上として、ここでは、三人義兄弟の約束を結んでおくことにして下さい。君臣となって後も、なお三人は、末永く義兄弟であるという約束をむしろ私はしておきたいのですが」
「うむ」

 関羽は、長い髯を持って、自分の顔を引っぱるように大きくうなずいた。


「結構だ。張飛、おぬしは」


「異論はない」


 改めて三名は、祭壇へ向って牛血と酒をそそぎ、ぬかずいて、天地の神祇(しんぎ)黙祷(もくとう)をささげた。

 年齢からいえば、関羽がいちばん年上であり、次が劉備、その次が張飛という順になるのであるが、義約のうえの義兄弟だから年順をふむ必要はないとあって、


「長兄には、どうか、あなたがなって下さい」

 と、関羽がいった。

 張飛も、ともども、

「それは是非、そうありたい。いやだといっても、二人して、長兄長兄と(あが)めてしまうからいい」


 劉備は強いて(いな)まなかった。そこで三名は、鼎座(ていざ)して、将来の理想をのべ、刎頸の交わりをかため、やがて壇をさがって桃下の卓を囲んだ。


「では、永く」


「変るまいぞ」


「変らじ」


 と、兄弟の杯を交わし、そして、三人一体、協力して国家に報じ、下万民の塗炭(とたん)()を救うをもって、大丈夫の生涯とせんと申し合った。

 張飛は、すこし酔うてきたとみえて、声を大にし、杯を高く挙げて、


「ああ、こんな吉日はない。実に愉快だ。再び天にいう。われらここにある三名。同年同月同日に生まれなかったが、願わくば同年同月同日に死なん」

 と、いった。そして、


「飲もう。大いに、きょうは飲もう――ではありませんか」


 などと、劉備の杯へも、やたらに酒をついだ。そうかと思うと、自分の頭を、ひとりで叩きながら、「愉快だ。実に愉快だ」と、子供みたいにさけんだ。

 あまり彼の酒が、上機嫌に発しすぎる傾きが見えたので、関羽は、


「おいおい、張飛。今日のことを、そんなに歓喜してしまっては、先の歓びは、どうするのだ。今日は、われら三名の義盟ができただけで、大事の成功不成功は、これから後のことじゃないか。少し有頂天になるのが早すぎるぞ」

 と、たしなめた。

 だが、一たん上機嫌に昇ってしまうと、張飛の機嫌は、なかなか水をかけても()めない。関羽の生真面目を、手を打って笑いながら、

「わはははは、もう教師は廃業したはずじゃないか。お互いに武人だ。これからは天空海闊(てんくうかいかつ)に、豪放磊落(ごうほうらいらく)に、武人らしく交際(つきあ)おうぜ。なあ長兄」

 と、劉備へも、すぐ馴々(なれなれ)といって、肩を抱いたりした。


「そうだ。そうだ」

 と、劉備玄徳は、にこにこ笑って、張飛のなすがままになっていた。

 張飛は、牛の如く飲み喰いしてから、

「そうそう。ここの席に、劉母公(りゅうぼこう)がいないという法はない。われわれ三人、兄弟の杯をしたからには、俺にとっても、尊敬すべきおっ母さんだ。――ひとつおっ母さんをこれへ連れてきて、乾杯しなおそう」

 急に、そんなことを云いだすと、張飛はふらふら母屋のほうへ馳けて行った。そしてやがて、劉備の母親を、無理に、自分の背中へ負って、ひょろひょろ戻ってきた。


「さあ、おっ母さんを、連れてきたぞ。どうだ、俺は親孝行だろう――さあおっ母さん、大いに祝って下さい。われわれ孝行息子が三人も揃いましたからね――いやこれは、独りおっ母さんにとって祝すべき孝行息子であるのみではない。支那の――国家にとってもだ、われわれこう三名は得がたい忠良息子ではあるまいか――そうだ、おっ母さんの孝行息子万歳、国家の忠良息子万歳っ」

 そしてやがて、こう三人の中では、酒に対しても一番の誠実息子たるその張飛が、まっ先に酔いつぶれて、桃花の下に大いびきで寝てしまい、夜露の降りるころまで、眼を醒まさなかった。


ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

劉備玄徳

劉備玄徳

ひげ

劉備玄徳

劉備玄徳

諸葛孔明《しょかつこうめい》

張飛

張飛

髭あり

張飛

関羽

関羽


関平《かんぺい》

関羽の養子

趙雲

趙雲

張雲

黄忠《こうちゅう》

魏延《ぎえん》

馬超

厳顔《げんがん》

劉璋配下から劉備配下

龐統《ほうとう》

糜竺《びじく》

陶謙配下

後劉備の配下

糜芳《びほう》

糜竺《びじく》の弟

孫乾《そんけん》

陶謙配下

後劉備の配下

陳珪《ちんけい》

陳登の父親

陳登《ちんとう》

陶謙の配下から劉備の配下へ、

曹豹《そうひょう》

劉備の配下だったが、酒に酔った張飛に殴られ裏切る

周倉《しゅうそう》

もと黄巾の張宝《ちょうほう》の配下

関羽に仕える

劉辟《りゅうへき》

簡雍《かんよう》

劉備の配下

馬良《ばりょう》

劉備の配下

伊籍《いせき》

法正

劉璋配下

のち劉備配下

劉封

劉備の養子

孟達

劉璋配下

のち劉備配下

商人

宿屋の主人

馬元義

甘洪

李朱氾

黄巾族

老僧

芙蓉

芙蓉

糜夫人《びふじん》

甘夫人


劉備の母

劉備の母

役人


劉焉

幽州太守

張世平

商人

義軍

部下

黄巾族

程遠志

鄒靖

青州太守タイシュ龔景キョウケイ

盧植

朱雋

曹操

曹操

やけど

曹操

曹操


若い頃の曹操

曹丕《そうひ》

曹丕《そうひ》

曹嵩

曹操の父

曹洪


曹洪


曹徳

曹操の弟

曹仁

曹純

曹洪の弟

司馬懿《しばい》仲達《ちゅうたつ》

曹操配下


楽進

楽進

夏侯惇

夏侯惇《かこうじゅん》

夏侯惇

曹操の配下

左目を曹性に射られる。

夏侯惇

曹操の配下

左目を曹性に射られる。

韓浩《かんこう》

曹操配下

夏侯淵

夏侯淵《かこうえん》

典韋《てんい》

曹操の配下

悪来と言うあだ名で呼ばれる

劉曄《りゅうよう》

曹操配下

李典

曹操の配下

荀彧《じゅんいく》

曹操の配下

荀攸《じゅんゆう》

曹操の配下

許褚《きょちょ》

曹操の配下

許褚《きょちょ》

曹操の配下

徐晃《じょこう》

楊奉の配下、後曹操に仕える

史渙《しかん》

徐晃《じょこう》の部下

満寵《まんちょう》

曹操の配下

郭嘉《かくか》

曹操の配下

曹安民《そうあんみん》

曹操の甥

曹昂《そうこう》

曹操の長男

于禁《うきん》

曹操の配下

王垢《おうこう》

曹操の配下、糧米総官

程昱《ていいく》

曹操の配下

呂虔《りょけん》

曹操の配下

王必《おうひつ》

曹操の配下

車冑《しゃちゅう》

曹操の配下、一時的に徐州の太守

孔融《こうゆう》

曹操配下

劉岱《りゅうたい》

曹操配下

王忠《おうちゅう》

曹操配下

張遼

呂布の配下から曹操の配下へ

張遼

蒋幹《しょうかん》

曹操配下、周瑜と学友

張郃《ちょうこう》

袁紹の配下

賈詡

賈詡《かく》

董卓

李儒

董卓の懐刀

李粛

呂布を裏切らせる

華雄

胡軫

周毖

李傕

李別《りべつ》

李傕の甥

楊奉

李傕の配下、反乱を企むが失敗し逃走

韓暹《かんせん》

宋果《そうか》

李傕の配下、反乱を企むが失敗

郭汜《かくし》

郭汜夫人

樊稠《はんちゅう》

張済

張繍《ちょうしゅう》

張済《ちょうさい》の甥

胡車児《こしゃじ》

張繍《ちょうしゅう》配下

楊彪

董卓の長安遷都に反対

楊彪《ようひょう》の妻

黄琬

董卓の長安遷都に反対

荀爽

董卓の長安遷都に反対

伍瓊

董卓の長安遷都に反対

趙岑

長安までの殿軍を指揮

徐栄

張温

張宝

孫堅

呉郡富春(浙江省・富陽市)の出で、孫子の子孫

孫静

孫堅の弟

孫策

孫堅の長男

孫権《そんけん》

孫権

孫権

孫堅の次男

朱治《しゅち》

孫堅の配下

呂範《りょはん》

袁術の配下、孫策に力を貸し配下になる

周瑜《しゅうゆ》

孫策の配下

周瑜《しゅうゆ》

周瑜

張紘

孫策の配下

二張の一人

張昭

孫策の配下

二張の一人

蒋欽《しょうきん》

湖賊だったが孫策の配下へ

周泰《しゅうたい》

湖賊だったが孫策の配下へ

周泰《しゅうたい》

孫権を守って傷を負った

陳武《ちんぶ》

孫策の部下

太史慈《たいしじ》

劉繇《りゅうよう》配下、後、孫策配下


元代

孫策の配下

祖茂

孫堅の配下

程普

孫堅の配下

程普

孫堅の配下

韓当

孫堅の配下

黄蓋

孫堅の部下

黄蓋《こうがい》

桓楷《かんかい》

孫堅の部下


魯粛《ろしゅく》

孫権配下

諸葛瑾《しょかつきん》

諸葛孔明《しょかつこうめい》の兄

孫権の配下


呂蒙《りょもう》

孫権配下

虞翻《ぐほん》

王朗の配下、後、孫策の配下

甘寧《かんねい》

劉表の元にいたが、重く用いられず、孫権の元へ

甘寧《かんねい》

凌統《りょうとう》

凌統《りょうとう》

孫権配下


陸遜《りくそん》

孫権配下

張均

督郵

霊帝

劉恢

何進

何后

潘隠

何進に通じている禁門の武官

袁紹

袁紹

劉《りゅう》夫人

袁譚《えんたん》

袁紹の嫡男

袁尚《えんしょう》

袁紹の三男

高幹

袁紹の甥

顔良

顔良

文醜

兪渉

逢紀

冀州を狙い策をねる。

麹義

田豊

審配

袁紹の配下

沮授《そじゅ》

袁紹配下

郭図《かくと》

袁紹配下


高覧《こうらん》

袁紹の配下

淳于瓊《じゅんうけい》

袁紹の配下

酒が好き

袁術

袁胤《えんいん》

袁術の甥

紀霊《きれい》

袁術の配下

荀正

袁術の配下

楊大将《ようたいしょう》

袁術の配下

韓胤《かんいん》

袁術の配下

閻象《えんしょう》

袁術配下

韓馥

冀州の牧

耿武

袁紹を国に迎え入れることを反対した人物。

鄭泰

張譲

陳留王

董卓により献帝となる。

献帝

献帝

伏皇后《ふくこうごう》

伏完《ふくかん》

伏皇后の父

楊琦《ようき》

侍中郎《じちゅうろう》

皇甫酈《こうほれき》

董昭《とうしょう》

董貴妃

献帝の妻、董昭の娘

王子服《おうじふく》

董承《とうじょう》の親友

馬騰《ばとう》

西涼の太守

崔毅

閔貢

鮑信

鮑忠

丁原

呂布


呂布

呂布

呂布

厳氏

呂布の正妻

陳宮

高順

呂布の配下

郝萌《かくほう》

呂布配下

曹性

呂布の配下

夏侯惇の目を射った人

宋憲

呂布の配下

侯成《こうせい》

呂布の配下


魏続《ぎぞく》

呂布の配下

王允

貂蝉《ちょうせん》

孫瑞《そんずい》

王允の仲間、董卓の暗殺を謀る

皇甫嵩《こうほすう》

丁管

越騎校尉の伍俘

橋玄

許子将

呂伯奢

衛弘

公孫瓉

北平の太守

公孫越

王匡

方悦

劉表

蔡夫人

劉琦《りゅうき》

劉表の長男

劉琦《りゅうき》

劉表の長男

蒯良

劉表配下

蒯越《かいえつ》

劉表配下、蒯良の弟

黄祖

劉表配下

黄祖

陳生

劉表配下

張虎

劉表配下


蔡瑁《さいぼう》

劉表配下

呂公《りょこう》

劉表の配下

韓嵩《かんすう》

劉表の配下

牛輔

金を持って逃げようとして胡赤児《こせきじ》に殺される

胡赤児《こせきじ》

牛輔を殺し金を奪い、呂布に降伏するも呂布に殺される。

韓遂《かんすい》

并州《へいしゅう》の刺史《しし》

西涼の太守|馬騰《ばとう》と共に長安をせめる。

陶謙《とうけん》

徐州《じょしゅう》の太守

張闓《ちょうがい》

元黄巾族の陶謙の配下

何曼《かまん》

截天夜叉《せってんやしゃ》

黄巾の残党

何儀《かぎ》

黄巾の残党

田氏

濮陽《ぼくよう》の富豪

劉繇《りゅうよう》

楊州の刺史

張英

劉繇《りゅうよう》の配下


王朗《おうろう》

厳白虎《げんぱくこ》

東呉《とうご》の徳王《とくおう》と称す

厳与《げんよ》

厳白虎の弟

華陀《かだ》

医者

鄒氏《すうし》

未亡人

徐璆《じょきゅう》

袁術の甥、袁胤《えんいん》をとらえ、玉璽を曹操に送った

鄭玄《ていげん》

禰衡《ねいこう》

吉平

医者

慶童《けいどう》

董承の元で働く奴隷

陳震《ちんしん》

袁紹配下

龔都《きょうと》

郭常《かくじょう》

郭常《かくじょう》の、のら息子

裴元紹《はいげんしょう》

黄巾の残党

関定《かんてい》

許攸《きょゆう》

袁紹の配下であったが、曹操の配下へ

辛評《しんひょう》

辛毘《しんび》の兄

辛毘《しんび》

辛評《しんひょう》の弟

袁譚《えんたん》の配下、後、曹操の配下

呂曠《りょこう》

呂翔《りょしょう》の兄

呂翔《りょしょう》

呂曠《りょこう》の弟


李孚《りふ》

袁尚配下

王修

田疇《でんちゅう》

元袁紹の部下

公孫康《こうそんこう》

文聘《ぶんぺい》

劉表配下

王威

劉表配下

司馬徽《しばき》

道号を水鏡《すいきょう》先生

徐庶《じょしょ》

単福と名乗る

劉泌《りゅうひつ》

徐庶の母

崔州平《さいしゅうへい》

孔明の友人

諸葛均《しょかつきん》

石広元《せきこうげん》

孟公威《もうこうい》

媯覧《ぎらん》

戴員《たいいん》

孫翊《そんよく》

徐氏《じょし》

辺洪

陳就《ちんじゅ》

郄慮《げきりょ》

劉琮《りゅうそう》

劉表次男

李珪《りけい》

王粲《おうさん》

宋忠

淳于導《じゅんうどう》

曹仁《そうじん》の旗下《きか》

晏明

曹操配下

鍾縉《しょうしん》、鍾紳《しょうしん》

兄弟

夏侯覇《かこうは》

歩隲《ほしつ》

孫権配下

薛綜《せっそう》

孫権配下

厳畯《げんしゅん》

孫権配下


陸績《りくせき》

孫権の配下

程秉《ていへい》

孫権の配下

顧雍《こよう》

孫権配下

丁奉《ていほう》

孫権配下

徐盛《じょせい》

孫権配下

闞沢《かんたく》

孫権配下

蔡薫《さいくん》

蔡和《さいか》

蔡瑁の甥

蔡仲《さいちゅう》

蔡瑁の甥

毛玠《もうかい》

曹操配下

焦触《しょうしょく》

曹操配下

張南《ちょうなん》

曹操配下

馬延《ばえん》

曹操配下

張顗《ちょうぎ》

曹操配下

牛金《ぎゅうきん》

曹操配下


陳矯《ちんきょう》

曹操配下

劉度《りゅうど》

零陵の太守

劉延《りゅうえん》

劉度《りゅうど》の嫡子《ちゃくし》

邢道栄《けいどうえい》

劉度《りゅうど》配下

趙範《ちょうはん》

鮑龍《ほうりゅう》

陳応《ちんおう》

金旋《きんせん》

武陵城太守

鞏志《きょうし》

韓玄《かんげん》

長沙の太守

宋謙《そうけん》

孫権の配下

戈定《かてい》

戈定《かてい》の弟

張遼の馬飼《うまかい》

喬国老《きょうこくろう》

二喬の父

呉夫人

馬騰

献帝

韓遂《かんすい》

黄奎

曹操の配下


李春香《りしゅんこう》

黄奎《こうけい》の姪

陳群《ちんぐん》

曹操の配下

龐徳《ほうとく》

馬岱《ばたい》

鍾繇《しょうよう》

曹操配下

鍾進《しょうしん》

鍾繇《しょうよう》の弟

曹操配下

丁斐《ていひ》

夢梅《むばい》

許褚

楊秋

侯選

李湛

楊阜《ようふ》

張魯《ちょうろ》

張衛《ちょうえい》

閻圃《えんほ》

劉璋《りゅうしょう》

張松《ちょうしょう》

劉璋配下

黄権《こうけん》

劉璋配下

のち劉備配下

王累《おうるい》

王累《おうるい》

李恢《りかい》

劉璋配下

のち劉備配下

鄧賢《とうけん》

劉璋配下

張任《ちょうじん》

劉璋配下

周善

孫権配下


呉妹君《ごまいくん》

董昭《とうしょう》

曹操配下

楊懐《ようかい》

劉璋配下

高沛《こうはい》

劉璋配下

劉巴《りゅうは》

劉璋配下

劉璝《りゅうかい》

劉璋配下

張粛《ちょうしゅく》

張松の兄


冷苞

劉璋配下

呉懿《ごい》

劉璋の舅

彭義《ほうぎ》

鄭度《ていど》

劉璋配下

韋康《いこう》

姜叙《きょうじょ》

夏侯淵《かこうえん》

趙昂《ちょうこう》

楊柏《ようはく》

張魯配下

楊松

楊柏《ようはく》の兄

張魯配下

費観《ひかん》

劉璋配下

穆順《ぼくじゅん》

楊昂《ようこう》

楊任

崔琰《さいえん》

曹操配下


雷同

郭淮《かくわい》

曹操配下

霍峻《かくしゅん》

劉備配下

夏侯尚《かこうしょう》

曹操配下

夏侯徳

曹操配下

夏侯尚《かこうしょう》の兄

陳式《ちんしき》

劉備配下

杜襲《としゅう》

曹操配下

慕容烈《ぼようれつ》

曹操配下

焦炳《しょうへい》

曹操配下

張翼

劉備配下

王平

曹操配下であったが、劉備配下へ。

曹彰《そうしょう》

楊修《ようしゅう》

曹操配下

夏侯惇

費詩《ひし》

劉備配下

王甫《おうほ》

劉備配下

呂常《りょじょう》

曹操配下

董衡《とうこう》

曹操配下

李氏《りし》

龐徳の妻

成何《せいか》

曹操配下

蒋済《しょうさい》

曹操配下

傅士仁《ふしじん》

劉備配下

徐商

曹操配下


廖化

劉備配下

趙累《ちょうるい》

劉備配下

朱然《しゅぜん》

孫権配下


潘璋

孫権配下

左咸《さかん》

孫権配下

馬忠

孫権配下

許靖《きょせい》

劉備配下

華歆《かきん》

曹操配下

呉押獄《ごおうごく》

典獄

司馬孚《しばふ》

司馬懿《しばい》の弟

賈逵《かき》


曹植


卞氏《べんし》

申耽《しんたん》

孟達の部下

范疆《はんきょう》

張飛の配下

張達

張飛の配下


関興《かんこう》

関羽の息子

張苞《ちょうほう》

張飛の息子

趙咨《ちょうし》

孫権配下

邢貞《けいてい》

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色