第137話、漢水の戦い

文字数 7,820文字

 夏侯淵の首を獲たことは、なんといっても老黄忠が一代の誉れといってよい。

 彼はそれを携えて葭萌関(かぼうかん)にある劉備にまみえ、さすがに喜悦(きえつ)の色をつつみきれず、


「ご一見を」

 と、見参に供えた。

 劉備がその功を称揚してやまないこともいうまでもない。即座に彼を、征西大将軍に封じ、

「老黄忠のために賀をなさん」

 と、その夜、大酒宴を張った。

 ところへ、前線の将から注進があった。急使のことばによると、

「夏侯淵が討たれたと聞いた曹操の憤恨は、ひと通りなものでありません。自身二十万騎をひきい、先陣には徐晃(じょこう)を立て、濛々たる殺気をみなぎらして、漢水まで迫ってきましたが、何思ったか、そこで兵馬をとどめ、米倉山(べいそうざん)の兵粮を北山のほうへ移しておる様子です」

 孔明は、すぐ情勢を判断して、劉備に対策を洩らした。


「察するに、曹操は、二十万という大兵を持ってきたため、その兵粮が続かなくなるのをおそれて、あらかじめ食糧の確保に心を用いているものと思われる。要するに、彼の弱点がそこにあることを自ら曝露(ばくろ)しているものでしょう。いま味方の一軍を深く境外へ潜行させ、敵が虎の子にしているその輜重(しちょう)を奪うことに成功したら、それは今次の戦において第一の勲功といってもさしつかえありますまい」

 傍らで聞いていた黄忠は、


「軍師。わしに命じられい。ふたたび行って、わしがその事を実現してみせる」

 黄忠は老いの眼をぎらと光らした。そして、()って、自分にその難命を与えよと云い張った。



「では副将として趙雲をつれておいでなさい。何事も趙雲と、協議のうえで作戦するように」


 と、黄忠を危ぶむかのような口ぶりでゆるした。

 それでも、黄忠は勇躍して、席を退いた。

 趙雲は、漢水まで来ると、黄忠に訊いた。


「将軍、あなたは今度のことを、何の苦もなく引請けてしまわれたが、一体、ご胸中には、いかなる妙計がおありなので?」

「妙計。そんなものはない。ただ事成らねば、死を期しているだけだ。この度ばかりでなく、それが常に老黄忠の戦に臨む心事でござる」


「いや、あなたにそんな危地を踏ませることはできない。先陣はそれがしがする」


「何の、強いて命を乞うた黄忠が先に立つのが当然。貴殿は副将、後陣につけ」


「同じ君に仕え、同じ忠義を尽さんとするのに、何の主将副将の差別があろう。では、先陣後陣のことは、くじを引いてそれに従おうではないか」


「くじで? それはおもしろい」


 そこで二人はくじを引いた。黄忠が「先」を引き、趙雲は「後」を引いてしまった。

「もし自分が、(うま)の刻までに、敵地から帰らなかったら、その時には、援軍を繰りだしてくれ」


 黄忠はそう云い残すと、一軍をひきいて敵境深く入って行った。趙雲はそれを見送った後、心もただならぬように、部下の張翼へこう告げていた。


「老将軍が午の刻までに帰らなかったら、自分は直ちに漢水を渡って遮二無二敵の中へ深く駈けこむであろう。その時には、汝はしかと本陣を守り、滅多にここを動いてはならぬぞ」


 一方――老黄忠はわずか五百の部下をつれて未明に漢水を渡り、夜明け頃には、敵の糧倉本部たる北山のふもとへ粛々と迫って、山上の兵気をうかがっていた。


「柵はきびしいが、守備は手薄と思われたり。それっ、駈け上って、満山の兵粮へ火を放て」


 錆びたる声で、老黄忠は、一令を下した。それを耳にするや否、蜀の兵は朝霧をついて諸所の柵を打ち破り、まだ眠っていたらしい魏兵の夢を驚かした。


 はるか漢水の東に陣していた張郃は、その朝、北山の煙を見て、


「すわ一大事」


 と、仰天した。

 にわかに兵を下知して、自身、真っ先に立ち、北山に駈けつけて来てみた頃は、すでに全山の糧倉は、炎につつまれ、諸所の山道や坂路では、黄忠の部下と、ここの守備の兵とが、入り乱れて戦いの最中であった。


「しまった」
 と張郃は足ずりして、
「この上は、小癪(こしゃく)な蜀の雑兵を踏み殺し、せめてはその首将たる黄忠の首でも挙げねば魏公に申しわけがない。さなくとも彼黄忠は、夏侯淵の(かたき)、討ちもらすな」

 と、部下を励ました。

 山上山下、木も草も燃ゆるなかに、組む者、突きあう者、血みどろな白兵戦は、陽の高くなるまで続けられた。

 早くもこのことは、曹操の本陣にも達したし、またそこからも、北山の黒煙がよく見えた。

「徐晃、行け」

 曹操はさらに増援を送った。

 このとき、すでに()(こく)は過ぎていた。漢水の彼方、今朝から固唾(かたず)をのんでいた蜀の趙雲は、

「――まだ午の刻にはすこし間があるが、あの黒煙が空に見えだしてから時も経つ。いでこの上は、老黄忠の安否を見届けん――」
 と腹をすえて、部下の張翼に、
「さきにも云った通り、汝は(とりで)狭間(はざま)狭間に(いしゆみ)を張り、敵が迫るまで、みだりに動くな」

 云い残すや否、三千の兵をさし招き、野を馳せ、数条の流れを越えて、ひたぶるに北山の黒煙へ近づいた。


「見つけたり。どこへ行く」


 魏の文聘(ぶんぺい)が手下の慕容烈(ぼようれつ)というもの、大剛を誇って、彼の道をさえぎった。

「うい奴だ。迎えにきたか」


 と趙雲は、ただ一突きに、突き殺して、血しぶきの中を、駈けぬけて行く。


「やあ、味方かと思えば、敵の新手か。大将、これへ出よ」


 北山の麓まぢかく、重厚な一軍を構えて、こう呼ばわり(はば)める者があった。自ら名乗るを聞けば、


「われこそ魏の大将焦炳(しょうへい)なり」と、いう。


 趙雲は前へすすんで、


「先にきた蜀の一軍はどこにいるか」


 と、いった。焦炳は、呵々(かか)と打ち笑いながら、


「なにを寝ぼけておるか。黄忠を始め、蜀の木ッ端どもは、一兵のこらず討ち殺した。汝もまた、わざわざ骨を埋めに来たか」


 云いつつ馬上から鋭い三尖刀(せんとう)をさしのべた。


「ほんとか!」
 と趙雲は、ありッたけな声で、相手へ吼えかかったかと思うと、

「では、(とむらい)合戦の手始めだ」


 とばかり、焦炳の胸いたへ、ぶすと槍を突きとおし、大空へ刎ねあげ、魏軍のまん中へ馬を突っ込んだ。

 兵か煙か、渦巻く中に、ただひとつ、彼の影のみは、堂々無数の群刃簇槍(ぐんじんぞくそう)を踏みつぶしつつ、血しおの虹を撒いて、駈け廻っていた。

 そのうちに、張郃や徐晃の囲みも、意識せずに突破していたが、誰あって、趙雲の前に馬を立てることはできなかった。

「趙将軍だ。趙将軍だ」

 北山のここかしこで、敵の重囲に陥ち、殲滅(せんめつ)の寸前にまで追い込まれていた黄忠軍は、彼が救いにきたと知ると、思わず歓呼をあげて、集まってきた。

 五百の兵は、三分の一に討ちへらされていた。それでもその中に黄忠の顔が見えた。趙雲は黄忠の身を抱えんばかり鞍を寄せて、


「お迎えにきた。もう安心されい」

 と一散に走りだした。

 黄忠はなお振り向いてばかりいて、部下の張著(ちょうちょ)が見えないと嘆いた。趙雲はこれを聞くとまた取って返し、べつな囲みからさらに張著を救い出して走りだした。


 曹操は高きに登って、その日の戦況を見ていたが、大いに(おどろ)いて、


「あれは常山の趙雲であろう。子龍以外にあんな戦いぶりをする者はない。軽々しく前に立つな」
 と、急に、陣鼓を打たせて、味方の大衆に、無用の命をすてるなかれと(いまし)めた。

 たち騒ぐ味方をまとめて、曹操は漢水のこなたに、陣容を(あらた)めた。彼自身、陣頭に出た。そして、散々な部下の敗北を、自身の采配によって、取り返そうとするものらしく見えた。


 すでに首尾よく黄忠や張著を救いだして、わが城砦(じょうさい)へ帰っていた趙雲は、互いの無事をよろこんだ。


「思えば、危うい一戦だった」

 一息ついたところへ、後詰(ごづめ)の張翼が、馬煙を捲いて逃げ帰ってきた。それはいいが、その同勢のあわて方といったらない。われがちに逃げこむや否、


「すわや、たいへんだぞ。諸門を閉めろ。吊橋(つりばし)をあげてしまえ」

 と、まるで雷鳴の下に耳をふさぐ女子のように打ち震えていう。

 趙雲はこの騒動を耳にしたので、


「何事か」

 と部下に問わせた。

 張翼は趙雲のもとへ来て、

「一大事です。曹操が来ました。自身大軍をひきいてやがてこれへ来ます。いやその軍容の物々しさ、何万騎やらただ真ッ黒になって漢水を越えてきます」
 すると趙雲は(きょ)のごとき眼をして、張翼を叱った。――知らずや汝、むかし長坂(ちょうはん)の戦に、曹軍八十万の兵を草芥(そうかい)のように蹴ちらし去ったのは誰であったか――と。そして、すぐ張翼のほかの者をも激励した。

「すべての陣門を敵へ開け。射手(いて)はみな(ごう)の中に身を伏せろ。旗は(ひそ)め、鼓は()めよ。そして、林のように、(せき)として、たとい敵が眼に映るところまで来てもかならず動くな」


 かくて、しばらくすると、まったく鳴りをしずめた城内から壕橋へかけて、戛々(かっかつ)と、ただ一騎の蹄の音が妙に高く聞えた。

 見れば、趙雲ただ一騎、槍を横たえてそこに突っ立っている。手をかざして彼方を眺めれば、里余にわたる黄塵の煙幕をひいて、魏の大軍がひたひたとこれへつめよせて来る。

 ――が、その雲脚(くもあし)の如き勢も、城の間近まで来たかと思うと、ぴたと止って、ただ遠く潮騒(しおさい)に似た喊声(かんせい)が聞えて来るのみだった。


「いぶかしいものがあるぞ、敵の城には」

「人もないようにしんとしておる。大手の門を開け放して」

「誰かひとり濠橋の上に立っているようだが――よもや人形でもあるまいに」

「何か深く(はか)っているにちがいない。めったには近づけぬぞ」


 魏兵の先鋒は、疑心暗鬼にとらわれてそこから進み得なかった。

 中軍にいた曹操は、


「何をためらっているか」

 と、みずから陣前へ出て、かかれかかれとばかり、下知した。

 日は暮れかけていた。暮靄(ぼあい)を衝いて、徐晃(じょこう)の一隊がわッと突進する。張郃(ちょうこう)の兵もどっと進む。

 だが、橋上の趙雲は、なおびくとも動かないので、徐晃も張郃もいよいよ気味悪く思ったか、急にまた、途中から馬を返そうとした。

 すると初めて、趙雲が、

「やあ、魏の人々。せっかく、これまで来ながら、ものもいわぬまに逃げ帰る法やある。待ち給え、待ち給え」

 と、呼びかけた。

 はや曹操までが後から続いてきたので、張郃や徐晃も、ふたたび勇を鼓して、濠ぎわへと馳け向ってきた。――今や、矢頃と見たか、趙雲が下へ向って何か呶鳴ると、とたんに濠の蔭から無数の矢が大地とすれすれに射放して来た。

 魏の人馬は、嘘のように、バタバタ倒れた。曹操は(きも)を冷やして逃げ出した。すでに遅し、蜀の別働部隊は、米倉山の横道に迂回し、また一手は北山のふもとへ出た。振り返れば、魏の陣々はいたるところ火の手である。曹操はいよいよ退却に急だったが、当然、城内から趙雲以下の全軍が追撃して来たため、漢水の流れにかかるや、ここかしこに溺るる者、討たるる者、その数も知れぬほどだった。



 横道から米倉山の一端へ出て、()の損害をさらに大にしたものは、蜀の劉封(りゅうほう)孟達(もうたつ)であった。

 これらの別働隊は、もちろん孔明のさしずによって、遠く迂回し、敵も味方も不測な地点から、黄忠(こうちゅう)趙雲(ちょううん)たちを(たす)けたものである。

 それにしても、二人の功は大きい。わけて趙雲のこんどの働きには、平常よく彼を知る劉備も、

「満身これ(きも)の人か」


 と、今さらのように嘆称した。

 その後、敵状を探るに、さしもの曹操も、予想外な損害に、すぐ立ち直ることもできず、遠く南鄭(なんてい)の辺りまで退陣して、


(この敗辱をそそがでやあるべき)

 と、ひたすら軍の増強を急ぎつつあるという。

 ここに巴西(はせい)宕渠(とうきょ)の人で、王平(あざな)子均(しきん)という者がある。この辺の地理にくわしいところから曹操に挙げられて、牙門(がもん)将軍として用いられ、いま徐晃(じょこう)の副将として、共に漢水の岸に立って、次の決戦を計っていたが、徐晃が、

「河を渡って陣を取らん」
 というのに、王平は反対して、
「水を背にするは不利だ」

 と、互いに、意見を異にしていた。

 けれど徐晃は、

「韓信にも背水の陣があったことを知らぬか。孫子もいっている。死地ニ生アリ――と。ご辺は、歩兵をひきいて岸に(ふせ)げ。おれは馬武者をひきいて、敵を蹴破るから」

 と、ついに浮橋を渡して、漢水を越えてしまった。

 一歩対岸を踏んだらば、必ず蜀の(ぜい)()を鳴らして来るだろうと予測していたところ、一本の矢すら飛んで来ないので、徐晃は拍子抜けしながらも、敵の柵を破壊し、壕を埋め、さんざんに振舞って、やがて日没に近づくと、蜀の陣地へ対して、ある限りの矢を射た。

 この日、敵のなすままにさせていた黄忠や趙雲は、

「夜に入る前に、徐晃の手勢も退()く気とみえる。あのようにむだ矢を射捨てている様子では」


 と、呟いて、その退路をおびやかすのは今だが、と身をむずむずさせていた。

 黄忠と趙雲は、やがて薄暮の野に兵をうごかし始めた。


「臆病者めが、ようやく今頃になって、居たたまれずに出てきたな」

 徐晃(じょこう)は、蜀兵を見ると、終日の血の飢えを一気に満たさんとする餓虎のように(おめ)きでた。


「まさしく黄忠」


 敵の旗じるしを見て、彼は奮迅した。黄忠の部下は、一時、鼓を鳴らし、喊声をあげ、甚だ旺んに見えたが、もろくも潰えて、蜘蛛の子のように夕闇へ逃げなだれた。


「逃げ上手め、魏の徐晃が、それほど怖ろしいか」


 徐晃はわざと敵を(はずかし)めながら、どうかして黄忠を捕捉しようと試みたが、そのうちに、いつか背後(うしろ)のほうで、敵のどよめく気配がする。

 はっと、驚いて、振り向くと、漢水の浮橋が、炎々と燃えているのだった。不覚不覚、退路を敵に断たれている。徐晃は急に引っ返し、全軍へ向って、

渡渉退却(としょうたいきゃく)!」

 と(わめ)いたが、そのとき河原の草や木は、ことごとく蜀の兵と化し、まっ先に、趙雲。うしろからは黄忠。ひとしく包囲して来て、

「ひとりも生かして帰すな」と、叫びに叫ぶ。

 徐晃はようやく危地を切り抜け、ほとんど身一つで、漢水の向うまで逃げてきた。その敗戦の罪を、あたかも副将の罪でもあるかのごとく当りちらして、味方の王平へ罵った。

「なんだって貴殿は、おれの後詰(ごづめ)もせず、浮橋を焼かれるのを見ていたのだ。この報告は、つぶさに魏王へ申しあげるぞ」


 王平は黙然と、彼の罵言(ばげん)にこらえていた。けれど彼は、その意見を異にした時から、すでに徐晃の無能を(さげす)み、魏軍に見限りをつけていたものとみえて、その夜、自分の陣地に火を放つや、ひそかに脱して漢水を越え、部下と共に、蜀へ投降してしまった。


「招かずして、王平が(くだ)ってきたのは、われ漢水を取る前表(ぜんぴょう)である」


 と、劉備は彼を容れて、(へん)将軍に封じ、もっぱら軍路の案内者として重用した。



 徐晃のしたまずい戦は、すべて王平の罪に()された。曹操は、忿懣(ふんまん)に忿懣を重ね、再度、漢水を前面に、重厚な陣を布いた。

 一水をへだてて、劉備は孔明と共に、冷静にそのうごきを眺めていた。

 孔明がいう。

「この上流に、七(きゅう)をめぐらして、一山をなしている山地があります。蓮華(れんげ)の如く、七丘の内は盆地で、よく多数の兵を(かく)すことができる。銅鑼(どら)(つづみ)を持たせ、あれへ兵六、七百を埋伏させておけば、必ず後に奇功を奏しましょう」


「誰をやればよいか」


「万一、敵に見つかると、一兵のこらず、殲滅(せんめつ)の憂き目にあうおそれもあれば、やはり趙雲(ちょううん)をやるしかありますまい。趙雲なら何かあっても切り抜けられましょう」


 次の日、孔明はまた、べつな一峰へ登って、魏の陣勢をながめていた。この日、魏の一部隊は、渡渉してきて、しきりに、矢を放ち、(かね)をたたき、罵詈(ばり)を浴びせたが、蜀は一兵も出さなかった。

 魏兵も、より以上、軽々しく進出はしなかった。夜に入るとことごとく陣に収まり、篝火(かがりび)もかすかに、自重していた。

 すると突然真夜半(まよなか)静寂(しじま)を破って、銅鑼(どら)、鼓、喊呼(かんこ)などを一つにして、わあっッという声が一瞬天地を()け去った。

「すわっ、夜襲だぞ」

「いや、敵は見えぬ」

「近くもなし、遠くもない?」


 上を下への騒動である。曹操は安からぬ思いを抱いて、四方の闇を見まわしていたが、彼にも何の発見もなかった。


「いたずらに騒ぐをやめよ。立ち騒ぐ兵どもを眠らせろ」


 曹操も枕についたが、またまた、爆音がする。(とき)の声がする、兵を出して音のする方角を探らせたが、起伏が多く、それが一体、どこでするものか、見当がつかなかった。

 三日のあいだ、毎晩である。曹操は士卒がみな寝不足になった容子を昼の彼らの顔に見て、


「これはいかん」


 兵を五界山までひいて、陣を営み直した。

 夜ごとの銅鑼は、もちろん上流の盆地にひそんだ趙雲軍の仕業であったこというまでもない。

 四日目の夜が明けてみると、蜀の軍は、その先鋒から中軍もみな河を渡り、漢水をうしろに取って陣容を展開していた。

「なに、背水の陣をとったと」

 曹操は、策を疑い攻めあぐねた。


 次の日、蜀の軍は軍楽と旌旗に誇示しながら、前進した。

 魏も、真紅金繍(しんくきんしゅう)の燃ゆるごとき魏の王旗を中心に、龍鳳(りゅうほう)の旗を立て列ね、一()(そく)、の大軍で迎えた。

 五界山の麓で両者は対峙した。


「劉備。あるや」

 鞭をあげて、曹操が馬上からさしまねいている。蜀の陣から劉備は、劉封、孟達の二人を左右に従えて、騎をすすめた。


「久しや曹操。君はむなしく、今日を以て、死なんとするのか」

 曹操は怒って云い返した。


「だまれ。予は汝の忘恩を責め、逆罪をただしに来たのだ」


「この劉備は、大漢の宗親(そうしん)。笑うべし、汝何者ぞ。みだりに天子の儀を(おか)曲者(くせもの)。きょうこそ大逆を()らしめん」


 戦線数里にわたる大野戦はここに展開された。(うま)の刻過ぎるまで、魏の大捷(たいしょう)をもって終始した。蜀の兵は、馬も武具も捨て、われがちに潰走しだした。


「追うな、退()(がね)打て」


 曹操は急に、軍を収めた。なぜかと、魏の諸将は疑った、曹操は、蜀兵の潰走が、ほんとでないとみたので、大事をとったものだった。

 ところが、魏が軍を退くと、果然、蜀は攻勢に転じてきた。

 智者はかえって智に(おぼ)れるとかいう。――孔明が曹操に対しての作戦は、すべて、曹操自身の智をもって、曹操の智と闘わせ、その(まど)いの虚を突くにあった。

 かくて、曹操が自負していた智謀も、かえって曹操の黒星を増すばかりとなって、ここ甚だしく生彩を欠いた魏軍は、南鄭(なんてい)から褒州(ほうしゅう)の地も連続的に敵の手へ(まか)して、一挙、陽平関にまで追われてしまった。

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登場人物紹介

劉備玄徳

劉備玄徳

ひげ

劉備玄徳

劉備玄徳

諸葛孔明《しょかつこうめい》

張飛

張飛

髭あり

張飛

関羽

関羽


関平《かんぺい》

関羽の養子

趙雲

趙雲

張雲

黄忠《こうちゅう》

魏延《ぎえん》

馬超

厳顔《げんがん》

劉璋配下から劉備配下

龐統《ほうとう》

糜竺《びじく》

陶謙配下

後劉備の配下

糜芳《びほう》

糜竺《びじく》の弟

孫乾《そんけん》

陶謙配下

後劉備の配下

陳珪《ちんけい》

陳登の父親

陳登《ちんとう》

陶謙の配下から劉備の配下へ、

曹豹《そうひょう》

劉備の配下だったが、酒に酔った張飛に殴られ裏切る

周倉《しゅうそう》

もと黄巾の張宝《ちょうほう》の配下

関羽に仕える

劉辟《りゅうへき》

簡雍《かんよう》

劉備の配下

馬良《ばりょう》

劉備の配下

伊籍《いせき》

法正

劉璋配下

のち劉備配下

劉封

劉備の養子

孟達

劉璋配下

のち劉備配下

商人

宿屋の主人

馬元義

甘洪

李朱氾

黄巾族

老僧

芙蓉

芙蓉

糜夫人《びふじん》

甘夫人


劉備の母

劉備の母

役人


劉焉

幽州太守

張世平

商人

義軍

部下

黄巾族

程遠志

鄒靖

青州太守タイシュ龔景キョウケイ

盧植

朱雋

曹操

曹操

やけど

曹操

曹操


若い頃の曹操

曹丕《そうひ》

曹丕《そうひ》

曹嵩

曹操の父

曹洪


曹洪


曹徳

曹操の弟

曹仁

曹純

曹洪の弟

司馬懿《しばい》仲達《ちゅうたつ》

曹操配下


楽進

楽進

夏侯惇

夏侯惇《かこうじゅん》

夏侯惇

曹操の配下

左目を曹性に射られる。

夏侯惇

曹操の配下

左目を曹性に射られる。

韓浩《かんこう》

曹操配下

夏侯淵

夏侯淵《かこうえん》

典韋《てんい》

曹操の配下

悪来と言うあだ名で呼ばれる

劉曄《りゅうよう》

曹操配下

李典

曹操の配下

荀彧《じゅんいく》

曹操の配下

荀攸《じゅんゆう》

曹操の配下

許褚《きょちょ》

曹操の配下

許褚《きょちょ》

曹操の配下

徐晃《じょこう》

楊奉の配下、後曹操に仕える

史渙《しかん》

徐晃《じょこう》の部下

満寵《まんちょう》

曹操の配下

郭嘉《かくか》

曹操の配下

曹安民《そうあんみん》

曹操の甥

曹昂《そうこう》

曹操の長男

于禁《うきん》

曹操の配下

王垢《おうこう》

曹操の配下、糧米総官

程昱《ていいく》

曹操の配下

呂虔《りょけん》

曹操の配下

王必《おうひつ》

曹操の配下

車冑《しゃちゅう》

曹操の配下、一時的に徐州の太守

孔融《こうゆう》

曹操配下

劉岱《りゅうたい》

曹操配下

王忠《おうちゅう》

曹操配下

張遼

呂布の配下から曹操の配下へ

張遼

蒋幹《しょうかん》

曹操配下、周瑜と学友

張郃《ちょうこう》

袁紹の配下

賈詡

賈詡《かく》

董卓

李儒

董卓の懐刀

李粛

呂布を裏切らせる

華雄

胡軫

周毖

李傕

李別《りべつ》

李傕の甥

楊奉

李傕の配下、反乱を企むが失敗し逃走

韓暹《かんせん》

宋果《そうか》

李傕の配下、反乱を企むが失敗

郭汜《かくし》

郭汜夫人

樊稠《はんちゅう》

張済

張繍《ちょうしゅう》

張済《ちょうさい》の甥

胡車児《こしゃじ》

張繍《ちょうしゅう》配下

楊彪

董卓の長安遷都に反対

楊彪《ようひょう》の妻

黄琬

董卓の長安遷都に反対

荀爽

董卓の長安遷都に反対

伍瓊

董卓の長安遷都に反対

趙岑

長安までの殿軍を指揮

徐栄

張温

張宝

孫堅

呉郡富春(浙江省・富陽市)の出で、孫子の子孫

孫静

孫堅の弟

孫策

孫堅の長男

孫権《そんけん》

孫権

孫権

孫堅の次男

朱治《しゅち》

孫堅の配下

呂範《りょはん》

袁術の配下、孫策に力を貸し配下になる

周瑜《しゅうゆ》

孫策の配下

周瑜《しゅうゆ》

周瑜

張紘

孫策の配下

二張の一人

張昭

孫策の配下

二張の一人

蒋欽《しょうきん》

湖賊だったが孫策の配下へ

周泰《しゅうたい》

湖賊だったが孫策の配下へ

周泰《しゅうたい》

孫権を守って傷を負った

陳武《ちんぶ》

孫策の部下

太史慈《たいしじ》

劉繇《りゅうよう》配下、後、孫策配下


元代

孫策の配下

祖茂

孫堅の配下

程普

孫堅の配下

程普

孫堅の配下

韓当

孫堅の配下

黄蓋

孫堅の部下

黄蓋《こうがい》

桓楷《かんかい》

孫堅の部下


魯粛《ろしゅく》

孫権配下

諸葛瑾《しょかつきん》

諸葛孔明《しょかつこうめい》の兄

孫権の配下


呂蒙《りょもう》

孫権配下

虞翻《ぐほん》

王朗の配下、後、孫策の配下

甘寧《かんねい》

劉表の元にいたが、重く用いられず、孫権の元へ

甘寧《かんねい》

凌統《りょうとう》

凌統《りょうとう》

孫権配下


陸遜《りくそん》

孫権配下

張均

督郵

霊帝

劉恢

何進

何后

潘隠

何進に通じている禁門の武官

袁紹

袁紹

劉《りゅう》夫人

袁譚《えんたん》

袁紹の嫡男

袁尚《えんしょう》

袁紹の三男

高幹

袁紹の甥

顔良

顔良

文醜

兪渉

逢紀

冀州を狙い策をねる。

麹義

田豊

審配

袁紹の配下

沮授《そじゅ》

袁紹配下

郭図《かくと》

袁紹配下


高覧《こうらん》

袁紹の配下

淳于瓊《じゅんうけい》

袁紹の配下

酒が好き

袁術

袁胤《えんいん》

袁術の甥

紀霊《きれい》

袁術の配下

荀正

袁術の配下

楊大将《ようたいしょう》

袁術の配下

韓胤《かんいん》

袁術の配下

閻象《えんしょう》

袁術配下

韓馥

冀州の牧

耿武

袁紹を国に迎え入れることを反対した人物。

鄭泰

張譲

陳留王

董卓により献帝となる。

献帝

献帝

伏皇后《ふくこうごう》

伏完《ふくかん》

伏皇后の父

楊琦《ようき》

侍中郎《じちゅうろう》

皇甫酈《こうほれき》

董昭《とうしょう》

董貴妃

献帝の妻、董昭の娘

王子服《おうじふく》

董承《とうじょう》の親友

馬騰《ばとう》

西涼の太守

崔毅

閔貢

鮑信

鮑忠

丁原

呂布


呂布

呂布

呂布

厳氏

呂布の正妻

陳宮

高順

呂布の配下

郝萌《かくほう》

呂布配下

曹性

呂布の配下

夏侯惇の目を射った人

宋憲

呂布の配下

侯成《こうせい》

呂布の配下


魏続《ぎぞく》

呂布の配下

王允

貂蝉《ちょうせん》

孫瑞《そんずい》

王允の仲間、董卓の暗殺を謀る

皇甫嵩《こうほすう》

丁管

越騎校尉の伍俘

橋玄

許子将

呂伯奢

衛弘

公孫瓉

北平の太守

公孫越

王匡

方悦

劉表

蔡夫人

劉琦《りゅうき》

劉表の長男

劉琦《りゅうき》

劉表の長男

蒯良

劉表配下

蒯越《かいえつ》

劉表配下、蒯良の弟

黄祖

劉表配下

黄祖

陳生

劉表配下

張虎

劉表配下


蔡瑁《さいぼう》

劉表配下

呂公《りょこう》

劉表の配下

韓嵩《かんすう》

劉表の配下

牛輔

金を持って逃げようとして胡赤児《こせきじ》に殺される

胡赤児《こせきじ》

牛輔を殺し金を奪い、呂布に降伏するも呂布に殺される。

韓遂《かんすい》

并州《へいしゅう》の刺史《しし》

西涼の太守|馬騰《ばとう》と共に長安をせめる。

陶謙《とうけん》

徐州《じょしゅう》の太守

張闓《ちょうがい》

元黄巾族の陶謙の配下

何曼《かまん》

截天夜叉《せってんやしゃ》

黄巾の残党

何儀《かぎ》

黄巾の残党

田氏

濮陽《ぼくよう》の富豪

劉繇《りゅうよう》

楊州の刺史

張英

劉繇《りゅうよう》の配下


王朗《おうろう》

厳白虎《げんぱくこ》

東呉《とうご》の徳王《とくおう》と称す

厳与《げんよ》

厳白虎の弟

華陀《かだ》

医者

鄒氏《すうし》

未亡人

徐璆《じょきゅう》

袁術の甥、袁胤《えんいん》をとらえ、玉璽を曹操に送った

鄭玄《ていげん》

禰衡《ねいこう》

吉平

医者

慶童《けいどう》

董承の元で働く奴隷

陳震《ちんしん》

袁紹配下

龔都《きょうと》

郭常《かくじょう》

郭常《かくじょう》の、のら息子

裴元紹《はいげんしょう》

黄巾の残党

関定《かんてい》

許攸《きょゆう》

袁紹の配下であったが、曹操の配下へ

辛評《しんひょう》

辛毘《しんび》の兄

辛毘《しんび》

辛評《しんひょう》の弟

袁譚《えんたん》の配下、後、曹操の配下

呂曠《りょこう》

呂翔《りょしょう》の兄

呂翔《りょしょう》

呂曠《りょこう》の弟


李孚《りふ》

袁尚配下

王修

田疇《でんちゅう》

元袁紹の部下

公孫康《こうそんこう》

文聘《ぶんぺい》

劉表配下

王威

劉表配下

司馬徽《しばき》

道号を水鏡《すいきょう》先生

徐庶《じょしょ》

単福と名乗る

劉泌《りゅうひつ》

徐庶の母

崔州平《さいしゅうへい》

孔明の友人

諸葛均《しょかつきん》

石広元《せきこうげん》

孟公威《もうこうい》

媯覧《ぎらん》

戴員《たいいん》

孫翊《そんよく》

徐氏《じょし》

辺洪

陳就《ちんじゅ》

郄慮《げきりょ》

劉琮《りゅうそう》

劉表次男

李珪《りけい》

王粲《おうさん》

宋忠

淳于導《じゅんうどう》

曹仁《そうじん》の旗下《きか》

晏明

曹操配下

鍾縉《しょうしん》、鍾紳《しょうしん》

兄弟

夏侯覇《かこうは》

歩隲《ほしつ》

孫権配下

薛綜《せっそう》

孫権配下

厳畯《げんしゅん》

孫権配下


陸績《りくせき》

孫権の配下

程秉《ていへい》

孫権の配下

顧雍《こよう》

孫権配下

丁奉《ていほう》

孫権配下

徐盛《じょせい》

孫権配下

闞沢《かんたく》

孫権配下

蔡薫《さいくん》

蔡和《さいか》

蔡瑁の甥

蔡仲《さいちゅう》

蔡瑁の甥

毛玠《もうかい》

曹操配下

焦触《しょうしょく》

曹操配下

張南《ちょうなん》

曹操配下

馬延《ばえん》

曹操配下

張顗《ちょうぎ》

曹操配下

牛金《ぎゅうきん》

曹操配下


陳矯《ちんきょう》

曹操配下

劉度《りゅうど》

零陵の太守

劉延《りゅうえん》

劉度《りゅうど》の嫡子《ちゃくし》

邢道栄《けいどうえい》

劉度《りゅうど》配下

趙範《ちょうはん》

鮑龍《ほうりゅう》

陳応《ちんおう》

金旋《きんせん》

武陵城太守

鞏志《きょうし》

韓玄《かんげん》

長沙の太守

宋謙《そうけん》

孫権の配下

戈定《かてい》

戈定《かてい》の弟

張遼の馬飼《うまかい》

喬国老《きょうこくろう》

二喬の父

呉夫人

馬騰

献帝

韓遂《かんすい》

黄奎

曹操の配下


李春香《りしゅんこう》

黄奎《こうけい》の姪

陳群《ちんぐん》

曹操の配下

龐徳《ほうとく》

馬岱《ばたい》

鍾繇《しょうよう》

曹操配下

鍾進《しょうしん》

鍾繇《しょうよう》の弟

曹操配下

丁斐《ていひ》

夢梅《むばい》

許褚

楊秋

侯選

李湛

楊阜《ようふ》

張魯《ちょうろ》

張衛《ちょうえい》

閻圃《えんほ》

劉璋《りゅうしょう》

張松《ちょうしょう》

劉璋配下

黄権《こうけん》

劉璋配下

のち劉備配下

王累《おうるい》

王累《おうるい》

李恢《りかい》

劉璋配下

のち劉備配下

鄧賢《とうけん》

劉璋配下

張任《ちょうじん》

劉璋配下

周善

孫権配下


呉妹君《ごまいくん》

董昭《とうしょう》

曹操配下

楊懐《ようかい》

劉璋配下

高沛《こうはい》

劉璋配下

劉巴《りゅうは》

劉璋配下

劉璝《りゅうかい》

劉璋配下

張粛《ちょうしゅく》

張松の兄


冷苞

劉璋配下

呉懿《ごい》

劉璋の舅

彭義《ほうぎ》

鄭度《ていど》

劉璋配下

韋康《いこう》

姜叙《きょうじょ》

夏侯淵《かこうえん》

趙昂《ちょうこう》

楊柏《ようはく》

張魯配下

楊松

楊柏《ようはく》の兄

張魯配下

費観《ひかん》

劉璋配下

穆順《ぼくじゅん》

楊昂《ようこう》

楊任

崔琰《さいえん》

曹操配下


雷同

郭淮《かくわい》

曹操配下

霍峻《かくしゅん》

劉備配下

夏侯尚《かこうしょう》

曹操配下

夏侯徳

曹操配下

夏侯尚《かこうしょう》の兄

陳式《ちんしき》

劉備配下

杜襲《としゅう》

曹操配下

慕容烈《ぼようれつ》

曹操配下

焦炳《しょうへい》

曹操配下

張翼

劉備配下

王平

曹操配下であったが、劉備配下へ。

曹彰《そうしょう》

楊修《ようしゅう》

曹操配下

夏侯惇

費詩《ひし》

劉備配下

王甫《おうほ》

劉備配下

呂常《りょじょう》

曹操配下

董衡《とうこう》

曹操配下

李氏《りし》

龐徳の妻

成何《せいか》

曹操配下

蒋済《しょうさい》

曹操配下

傅士仁《ふしじん》

劉備配下

徐商

曹操配下


廖化

劉備配下

趙累《ちょうるい》

劉備配下

朱然《しゅぜん》

孫権配下


潘璋

孫権配下

左咸《さかん》

孫権配下

馬忠

孫権配下

許靖《きょせい》

劉備配下

華歆《かきん》

曹操配下

呉押獄《ごおうごく》

典獄

司馬孚《しばふ》

司馬懿《しばい》の弟

賈逵《かき》


曹植


卞氏《べんし》

申耽《しんたん》

孟達の部下

范疆《はんきょう》

張飛の配下

張達

張飛の配下


関興《かんこう》

関羽の息子

張苞《ちょうほう》

張飛の息子

趙咨《ちょうし》

孫権配下

邢貞《けいてい》

孫桓《そんかん》

孫権の甥

呉班

張飛の配下

崔禹《さいう》

孫権配下

張南

劉備配下

淳于丹《じゅんうたん》

孫権配下

馮習

劉備配下


丁奉

孫権配下

傅彤《ふとう》

劉備配下

程畿《ていき》

劉備配下

趙融《ちょうゆう》

劉備配下

朱桓《しゅかん》

孫権配下


常雕《じょうちょう》

曹丕配下

吉川英治


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