セリフ詳細

「まだ兵はおろか、兵器も金も馬すらそろっていないが、三名でも、集まれば、即座に一つの軍である。軍には将がなければならず、武士には主君がなければならぬ。行動の中心に正義と報国を奉じ、個々の中心に、主君を持たないでは、それは徒党の乱に終り、烏合(うごう)(しゅう)と化してしまう。――張飛もこの関羽も、今日まで、草田(そうでん)に隠れて時を待っていたのは、実に、その中心たるお人が容易にないためだった。劉備玄徳という、しかも血統の正しいお方に会ったのが、急速に、今日の義盟の会となったのであるから、今日ただいま、ここで劉備玄徳どのを、自分らの主君と仰ぎたいと思うが、張飛、おまえの考えはどうだ」


作品タイトル:三国志

エピソード名:第9話、桃園の誓い

作者名:畑山  hatakeyama

111|歴史|完結|156話|1,238,935文字

三国志

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青空文庫より、吉川英治、三国志をチャットノベル化
幾分、内容文章を変えています。