七生泡沫

文字数 272文字

 この空を見上げて 何年たったのだろう
 十年か 百年か
 あるいは千年かもしれない夜が明けたとき
 朽ちた思考は順繰りに
 その朧げな輪郭を取り戻してゆく

 逆落しの水流が昇りつめるように
 雛が卵殻へと孵化するように
 ゆっくりと 少しずつ 明確に。

 バカでかい十字架をひっかついだ
 メキシコ辺りの牧師は言った

「さぁ、輪廻の時間だよ?」
 お前を殺して この粗末な墓に埋めた
 ダンゴムシどもを狩りに行こうじゃないか
#ホラーポエム




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