水面月下

文字数 271文字

 ……どうして、いなくなってしまったの?
 そんなアマガエルの泣き声が聞こえた気がしてのぞき込むと、どろどろの水面から鋭いキリが突き出してきた。かわす間もなく右目にうけた切先は、容赦なくおれの水晶体を抉って、眼球をこそげ出す。
「べつにいなくなったわけじゃない。ただおれは約束を守るために、もう少しさきの景色が見てみたかったんだ……」
 前のめりにつっぷした最期の言葉は、ちゃんとあなたに届いていただろうか?
 深い深い淵の底から、愛を込めて。
 わが親愛なる、オタマジャクシへ……。
#ホラーポエム #なんか呼ばれた気がしたからちょっとだけもどってみた




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