骨やすめ

文字数 244文字

 店先の縁台に腰かけて 瓶をかたむける。
 歪んだ色ガラスの水色が
 泡つぶの奔流に太陽を封じ込め
 生き急ぐ蝉の音は
 乱反射する夏を 後頭部の辺りに記録する

 カランと鳴ったビーダマの音に首をすくめた金魚は
 冗談めかしたように 金魚鉢の中で笑った

「お前はきっと、その玉コロみたいなもんだな」

 なくても別に困りゃあしないが
 なけりゃないで ちっとばかり寂しいのさ
#ホラーポエム




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