そっちの水は

文字数 251文字

 都会の盃に 月はうつらんのです。

 そもそも空に (しるべ)なぞもう必要もなく
 地上はあかあかと照らされ
 怯えなければならない闇もない。

 けれど だからといって人々は

 お月見をしないのかといえば
 そういうわけでもなく、
 電灯やネオンも一緒くたにしたぐい呑を
 爺さんはヒョイヒョイと飲み干している。

 人間なんて とても逞しい葦だから
 人生ってのもその程度なのだろう
#ホラーポエム




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