シミ

文字数 338文字

 そのトンネルのシミは、日によって色を変えるそうだ。
 ふだんは真っ黒なのに、ときどき真っ赤になったり、真っ青になったり、黄色やどどめ色にもなるのだと、校長先生は教えてくれた。
 そしてその晩、真っ赤なシミを見たひとのところには赤ぼうずが。
 真っ青なシミを見たひとのところには、青ばあさんが。
 ほかの色のシミを見たひとのところには、闇じいさんがあらわれるという。
「……でも、とくに怖いのはオレンジに見えたときでねぇ」
 そういったきり、校長先生はニタリと笑って黙りこくってしまった。いったいオレンジのシミを見たひとのところには、なにがやってくるのだろう――。
#ホラーポエム





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