深夜行
文字数 314文字
くさむらを刈り割って這い出すと 線路が一本だけ延びていた
血溜りのさきにやっと見つけた、赤錆びた線路だ
忘却の果てに横たわる 朽ちた駅舎のプラットホーム。
六つのうち四つが欠けたベンチに背をあずけ、
駅長は退屈そうに ちびた紫煙をくゆらせている
こいつは街に向かうのかい?
尋ねると「さぁ」とだけ答える片腕は
根元のところから 袖が風にたなびいていた
「行く先が煉獄なら、帰る道はきっとドブ泥の底だろうよ」
ならば天を仰ぎ 胸を張って進もう
振り向くひまも 俯くひまも 人生にはないのだから
#ホラーポエム
血溜りのさきにやっと見つけた、赤錆びた線路だ
忘却の果てに横たわる 朽ちた駅舎のプラットホーム。
六つのうち四つが欠けたベンチに背をあずけ、
駅長は退屈そうに ちびた紫煙をくゆらせている
こいつは街に向かうのかい?
尋ねると「さぁ」とだけ答える片腕は
根元のところから 袖が風にたなびいていた
「行く先が煉獄なら、帰る道はきっとドブ泥の底だろうよ」
ならば天を仰ぎ 胸を張って進もう
振り向くひまも 俯くひまも 人生にはないのだから
#ホラーポエム