第91話

文字数 3,017文字


源三郎江戸日記91

抜け穴があるそうじあが、当日深夜村上殿が塞ぐ手順になっており、吉良は屋敷の外にはでれん、吉良を見つけたら殺さず知らせるべしと、等と細かく注意をしたのです、おのおの方、
ここが死に場所と思いなされと言うと、お~と声を出したのです、さて後は討ち入りの日時だが、吉良の存否を確認せねばならんと言うと、大高が吉良は12月の5日に茶会を開くそうに、
御座いますと言うので、

それは良い知らせじあ、それでは討ち入りは12月5日として、その日は来客があるはずなので、来客が大勢あれば吉良は必ずいるとして決行するが、来客なくば決行は取りやめ延期する、
と言って、それぞれ準備を万端にして参集されよといって解散したのです、12月5日になり大高は念のため茶の湯の師匠である山田宗偏宅を訪ねると、吉良家の今日の茶会は延期となっ、
たと言うので、

理由を聞くと将軍綱吉公が柳沢様の六義園にお渡りになり、吉良様も招待なされたので茶会は14日に日延べになったと言うので、急ぎ大石に知らせると、再び大石のもとに集まり、大石、
が5日は中止にすると言って、14日ならば月こそ違えなき殿の命日である決行しょうと言うと、全員が納得したのです、12月の13日となり大高は間違いがあってはならないとさお竹売り、
に変装して吉良屋敷を見張ることにして、

両国橋を渡ると前から俳句の師匠宝井其角が歩いてきて、子葉殿ではござらぬかと言って、赤穂藩の災難を聞きまして心配しておりましたと言うので、あれより浪浪の身となりこの始末、
で御座ると言うと、この寒空では大変でしょうと懐から羽織を出して大高に着せて、風流の道お忘れでなければ一句お付き合いをと言って、年の瀬や水の流れと人の身はと読むと、大高、
は明日待たるるその宝船と返したのです、

それではと言うと大高はあるいて行き、宝井其角は宝船とは何処かに仕官でも決まったのかと思い、いけないあの羽織は松浦様からの頂き物であった、お話せねばと引き返し、平戸藩の、
屋敷に向かったのです、平戸藩松浦家は吉良屋敷の隣にあり、宝井其角はここに住む松浦家の隠居の俳句の指南をやっていたのです、隠居に話をすると、それはそちにやったものじあ、
どうしょうとそちのかってじあと言って、

明日待たるるその宝船と返したのかと聞くので、何処かに仕官が決まったのでしょうと言うと、隠居はいやそうではあるまい、雪が降り出したな明日は大雪になるだろう、どうだ明日は、
当屋敷で雪見酒としゃれ込もうではないかというと、仕官ではないとすると何で御座いますかと聞くと、その男は元浅野の家臣と言うたな、当家は塀ひとつ隔てて隣は吉良殿の屋敷、
じあ、

14日と言えば月こそ違え、浅野殿の命日じあひょっとしたら面白い物が見られるかもしれんと言うので、宝井其角がそれでは子葉殿はと頷いたのです、14日は大雪となりましたが大勢の、
客人が吉良屋敷に入っていったとの報告を受けて、大石は最後の別れに連判状をもち南部坂の三好浅野家へ出掛けたのです、座敷に座り瑤泉院に面会して1年後にと言うていながら今日、
になってしまい申し訳御座りませぬと言うと、

多くの元家臣が窮乏を極めていると聞く、こんにちまでの内蔵助の苦労はよくわかるぞと言うので、これは瑤泉院様から預かりました化粧料に御座います、残りましたのでお返しいたし、
ますと言うと、それは窮乏する元家臣達にわけてやりなされと言うので、もったいなきお言葉ですと言って受け取り、さらにこの一環は一味同心の連判状に御座ります、一味同心せる者、
48名の名前が記してありますと言って、

殿へご焼香をと言うと、仏壇に供えて焼香したのです、戸田の局がこの大雪を押してのお越しはと言うので、今日がお別れにござります、遠くに旅たちますので暇ごいに御座りますと、
言うと、瑤泉院がそなた達には苦労をかけるな、吉良の仕業とは言え、殿の短慮により大勢の家臣を路頭に迷わせてしもうた、更に48人も犠牲にしなければならんのかと言うので、みな、
愛している者のの為に死に行くのでござりますというと、

皆は忠義の者として未来永劫に語り継がれるでありましょう、亡骸は殿の近くに埋葬するとしょうと涙を流すので、これは幕府の片手落ちへの抗議でもあります、これきしの事で世の中、
は変わらないと思いまするが、瑤泉院様は長生きされて世の移り変わりをしかと見届けてくださりませと言うと、見届けていつかは殿の傍に行き語り聞かせますると言うので、それでは、
おさらばに御座いますと席を立ったのです、

送るのは戸田殿だけでよいと言って玄関に歩いていき、みなれない腰元がいましたがと聞くと、半年前に旗本の大岡様より頼まれた商家の娘でござりますと言うので、あのものの指には、
小太刀の稽古で出来るタコがありますぞ、あれは上杉の間者に違いない、それがしはこの部屋に隠れています、知らん顔していれば、あの連判状を持ち出そうとするでしょう、気づかれ、
ますなと言うと、

わかりました、まことに済みませぬと言って戸田の局は帰って行き、大石は玄関横の部屋に隠れたのです、暫くすると女が小走りに走って来る音がしたので、部屋から出て立ちふさがる、
と、懐剣を抜き切りかかってきたのです、刀の鞘で受け止めて、押し戻すと飛び跳ねて庭に出て塀に飛び上がろうとしたので、小刀を抜きえ~いと投げると。着物のの袖口に突き刺さり、
そのまま塀に刺さったのです、

女は必死に取ろうとしましたが、内蔵助が刀を抜き懐剣を叩きおとし、首筋に刀をたてるとう~と言って口から血を出して倒れたので、首筋に手をあてると絶命しています、毒を飲んだ、
のかと言うと、戸田の局達が来たので、なきがらを運ばせて横たえたのです、瑤泉院様がおうめが間者だったとはと驚くので、自分で毒をのんで自害しました多分くの一でしょう、
明日までは誰も屋敷から出してはいけませぬと言うと、

あいわかりました、わらわの失態じあ許してたもれと言うので、大事ありませぬ、亡骸はねんごろに供養してくだされ、しからばこれでごめんというと屋敷を出て天野屋に戻ったのです、
源三郎は大石から14日決行の連絡を受けて、舅のところに峰と行き、最後の宴を開いたのです、孫太夫が色々とお世話になり申した、源之丞殿似もよしなにと言うので、舅殿のお働きは、
よく申し上げます、

お峰はしっかり預かりますれば心おきなくお働きなされと言うと、お願い申すと言うので酌をすると飲み干し、お峰に杯を渡して婿殿と仲良くなと、酌をしたので飲み干し、返杯してご、
武運と言ったのです、時間になり孫太夫は出かけて行き、源三郎とお峰は玄海屋に行き船に乗り川をさかのぼり本所に行ったのです、源信がお客は全部お帰りになりましたと言うので、
振る舞い酒がみんなに出ているだろう行くぞというと、

船着場からのぼり、消火桶のところに行き蓋を置けてや桶をしたに運び込むと穴は塞がったのでそこに砂俵を押し込んで出れないように塞ぎ念の為出口に積みあげたのです、これで良い、
だろうと言って、後を七衛門に頼み、蕎麦屋に行くと店はしまっており戸を叩いて源三郎だと言うと戸を開けたので中に入り、お前たちはもう寝てもいいぞと言うと、ヘイと言うので、
二階に上がり、

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