第78話

文字数 2,683文字


源三郎江戸日記78

大石は山科に帰ると、京の色町に入り浸りになり討ち入りなど忘れたかのように遊びほうけたのです、噂は江戸にも届き江戸の急進派は本当に、殿の一周忌までに討ち入るのかと疑心、
暗鬼になり不平不満が大きくなっていったのです、堀部弥平と奥田孫太夫が吉良方を油断させる為の策であろう、過激な行動は慎めと説得するも片岡源吾衛門らの匠の守様の側近だっ、
たものは単独で討ち取ろうと、

吉良が本所に引っ越す時を、狙おうと集まり、襲撃の用意をしたのです、しかし小林平八郎は自分が籠に乗り、吉良は町籠にのせ迂回させて、屋敷に連れて行く事にしたのです、駒菊、
はこの情報を吉良屋敷の中間に酒を飲ませて聞き出し安兵衛に知らせたのです、安兵衛が片岡に知らせようとしましたが、どこで待ち伏せしているのか手分けして探しましたが行方は、
わからなかったのです、

安兵衛が根岸の寮に来てこの事を伝えたので、それはまずい、今襲えば町方も黙っている訳には行かなくなるといって、片岡達が潜伏していた長屋に行き調べると畳みにわずかに火薬、
が落ちていたので、鉄砲で狙うつもりだと言って、いつ引っ越すのだと聞くと、明日だそうだと安兵衛が言うので、それでは今から呉服橋の吉良屋敷から本所までの道筋を調べよう、
と言って、

呉服橋に行き鉄砲で狙えそうな二階の空家を探し、一個所づつ中を調べると3個所目の空家の二階に多くの草履の跡があったので、ここから狙うつもりだ、ここで待ち伏せしょうと言、
って、斜め向かいの蕎麦屋で明日は待とう、中に入ったら知らせてやめさせるのだと言うと、聞かなかったらどうすると言うので、実力で阻止するしかないだろう、但し峰打にする、
と言ったのです、

それでは明日というと安兵衛と別れ深川の居酒屋に行き新之助を呼び、新之助が来たので明日合図したら吉良の乗っている籠を止め、赤穂浪士が狙っていると言う知らせがあったと、
言ってくれ、籠には小林平八郎が乗っているはずだ、籠を開けて顔を見て、吉良殿では御座らぬなと言えば囮だと答えるので、籠の蓋を閉めてくれ、赤穂の馬鹿共に囮だと言う事を、
見せて、

二度と過激な事をしないように、諌めるためだと言うと、わかった、わしも街中では騒ぎは起こして、欲しくないので協力しょうと言って、よく囮を使うと分かったなと言うので、
あの駒菊が探って来のだよと言うと、惚れた男の為か、女子は強いと笑ったのです、翌日見張っていると片岡ら3人が空家に入り、片岡ががむしろを持っていたので、鉄砲だろうと、
言って、

安兵衛行くぞと言って中に入り二階に上がると3人が刀に手をかけたので、安兵衛がここを通るのは囮だ籠には小林平八郎が乗っていると言うと、何どうしてわかったのだと聞くの、
で吉良屋敷の中間から聞いたのだ、吉良は町籠で違う道をとおりとっくに本所の屋敷に入っている、お前達を罠にかけるつもりだと言うと、かまわん小林を倒すまでだと言うので、
そんな事やれば、

町方が動き出し、一味は全員捕縛されるぞと言うと、邪魔するなと切りかかつて来たので、二人で峰にして、打ち払うとそこに転がったのです、よく見ていろと、手ぬぐいを振ると、
新之助が出て来て、手を上げたのです、暫くすると、吉良の行列が来たので、新之助が籠を止めて、上の蓋を開けて、赤穂浪士が襲うと、言う知らせがあったというと、それがしは、
吉良様ではありませぬ、

小林平八郎と申す、この籠は囮に御座ると言うので、そうで御座ったか、それは失礼した、気をつけなされと籠の蓋を閉めて、籠を離れると、行列は通りすぎたのです、見たであろ、
うと言うと、片岡が申し訳御座らんと言うので、そなた達の暴挙で大望は潰れるのだぞ、以後慎みなされ次は手は貸さんぞと言って、その場を離れて新之助と深川に戻ったのです、

酒と肴を頼み世話になったと杯を重ねると、あの小林平八郎と言う男も中々の策士じあなと言うので、千坂兵部が送り込んだのだ、それなりの人物なんだろう、しかし打ち入られれ、
ば命はあるまい、お家の為とはいえ、武士とは辛いものじあなと酒を飲み干したのです、安兵衛が入ってきて、かたじけない危なく罠にかかるところだった、片岡も驚いただろう、
これでおとなしくなるよと言うので、

まあ飲めと酌をして、駒菊は役に立つのうと言うと、あいつには感謝しておる、無理をして怪我をしなければ良いがと言うので、お前に惚れているからのう、優しくしてやれと言う、
わかっておる、残して死ぬのは女房共々不敏じあが、長生きして貰ってあの世で待つ事にすると言うので、せめて子共でも残してやれよと言うと、出来れば嬉しいがと酒を飲み干し、
しからばごめんと店を出て行ったのです、

吉良は屋敷に入り、小林が戻って来たので襲われたのかと聞くと、いや、赤穂の者達はあらわれませんでしたが、役人に襲うとの知らせがあったそうですと言うので、脅かしに決ま、
つておる、浪浪の身なれば飯も満足に食えんだろう、食い詰めて暴挙に走ろうとしているのじあ、大石は京都で遊びほうけているそうじあ、打ち入ってなぞくるものか、いつまで、
40人もの無骨者を置いておくのじあ、

金もかかりとんだ迷惑じあと言うので、吉良様を守る為にございます、油断はなりなりませぬというと、まあ匠の守の一周忌まではしかたあるまいと言ったのです、小林は御座所、
を下がり、用人に寝所から墨小屋までの抜け道は完成したかと聞くと、出来ております、後は塀の外の消化桶の置いてある処に出るようにやっています、直ぐに隅田川の土手です、

船着場を作り常時船を置いておきます、船で堀川を通り、上杉屋敷まで行けますと言うので、どれくらいで出来るのだと、聞くと屋敷の改修と同じで抜け穴は出来ますと言うので、
誰にも知られてはならんと言うと、人足は川越から連れて来た者達です、出来上がったら川越に、帰しますので漏れる事は、ないでしょうと言うので、もし漏れたら全員命はない、

身内といえど話ししてはならんと言うのだと指示したのです、道場に行き警護の者達の腕はあがったかと聞くと、いきなりは上がりませぬと言うので、奴らも50人位で打ち込んで、
くるだろう、鎖帷子、篭手、すね宛は用意しておき、素早く着けられるように、調練しておくのだと言うと、どんなに急いでも四半時はかかります、門が破られて着けるとすると、
ギリギリですと言うので、ともかく早く付けられるように調練する事だと言ったのです、
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