第77話

文字数 2,845文字


源三郎江戸日記77

暫くしてそれではわしは戻るが、お駒はと聞くと今日は深川に河岸を変えますと言うので立ち上がると、藤吉が又来てくだせえと言うので、そのうちになと言って店を出て駒菊と深川、
に向かったのです、旦那はすごいや、あっと言う間に町衆を手なずけるんですからと言うので、お前もこれでやりやすくなったろう、早く安兵衛の子を身ごもれよと言うと、ハイと、
返事したのです、

若狭屋に顔を出すと、本所が活躍の場になったみたいでと笑うので、上屋敷に寄ったらとんだ事に巻き込まれたのだよと言って、経緯を話すと、玉姫様は偉いところに嫁ぐところだっ、
たですねと言うので、謹慎処分をうけたそうだから、縁談どころではないだろうと言うと、殿と玉姫様はお喜びですよと言うので、父上には話しておらんが、大目玉を食らうので暫く、
逃げておこうと言うと、

そんな事で源之丞殿は怒りませんよ、出すぎたまねはするなよと一言いわれるでしょうがと若狭屋が言ったのです、ちと遊びすぎました今日は根岸に帰りますと言って籠に載り根岸、
に帰ったのです、おうめがお帰りなさりませ、奥方様は今日はご実家にお泊りだそうですと言うので、いいんだよと言って湯はわいておるかと聞くと、沸いていますと言うので湯に、
入りさっぱりして上がり、

部屋で休んでいると、おうめが旦那様がお越しになりましたと言うので、何父上がかまいったなと言って部屋に顔を出して、お越しなされませと言うと、おう帰っておったかと言う、
ので、お峰を呼びにいかせますと言うと、その儀には及ばん、先ほど正骨院に寄ってきた、繁盛しているみたいじあのう、お峰には泊まって手助けするように言うてきた、今日は、
お前に用があって来たのじあと言うので、

出すぎたまねをして済みませぬというと、出すぎてはおらん、今日殿が登城されたら柳沢様に呼ばれたので部屋に行くと、高鍋藩士村上源三郎を、近習頭にしたと言われたそうで、
殿は聞いておりませぬがと言うと、1日だけじあ今日はそなたに返したぞと言われて、仔細を話されたそうだ、柳沢様の家臣など嘘を言うとはけしからん、厳罰にしますと言われ、
たら、

幕閣の不祥事を正してくれたのじあ、高鍋藩の名前をだせば相手が若年寄りの本多殿じあ、高鍋藩に類が及ばぬ為であろう、許してやれと言つて、このままに捨て置けぬので町奉行、
に問いただしたところ、町方も本多殿に遠慮して目付けにも届けなかったそうで、騒ぎは大きくなったそうだ、これが上様の耳に入れば本多殿葉は切腹、お家は改易となる、しかし、
黙っているわけには行かんので、

わしの近習頭がたまたま本所にいき、悪がきを見つけて懲らしめたと言う事にして、人は殺傷していないので穏便に済ましたいと言うたら、ご母堂様の従一位の宣下の年にケチが、
ついてはならん、穏便に処理せよとお言葉なので、その悪がきは謹慎、本多殿は暫く登城遠慮、北南町奉行はお叱りにとどめたと言われて、政種どのは良い家臣を持たれた、内々、
にて5000両を下げ渡す、

これは政種殿の近衛公への根回しと言う事になっておると言われたので、ありがたく拝領したそうだ、それに、玉姫様の縁談は向こうから取り下げたそうじあ、殿はお前に褒美を、
上げたいがと言われたが、悋気を買うといけぬので断ったぞ、又玉姫様の処へ顔をみせてくれと言う事だ、よくやったなと言うので、父上から褒められると尻がむずむずして来ま、
すと言うと、

しかし出すぎたまねはするなよと言うので、ハハ~と頭を下げると、源之丞が大笑いをしたのです、母が大きなお腹を抱えて座ったので、これこれ、無理をするでない、もう直ぐ、
臨月であろう、横になっておれというと、しからば失礼いたしますと言ってお律に抱えられて寝間に行ったのです、今日はお前と飲むかと言うと、湯にはいてくると湯殿に行った、
のです、

お律とおうめが膳を運んできて、アワビ、ハム、マグロを七衛門殿が持ってきてくれましたと膳に並べたので、これはご馳走だなと言うと、父上と飲まれるのは久しぶりでしょう、
と言うので、又小言を言われるのかと思ったよと言うと、もう大人として見られていますよと笑ったのです、しかし、兄上あまり無茶はなされますな、もしもの事があればお峰殿、
が悲しまれますと言うので、

お律は言う事が段々母上に、似てきたなと言うと、親子ですしかたありませぬと言ったのです、父が湯から上がってきて、座ったので、お律とおうめが酌をして杯を重ねたのです、
源之丞が大石殿は山城に帰られたと聞くとが討ち入りなさるつもりかのうと聞くので、吉良家ではそろそろ改修が終り、上杉家から20人浪人が20人の40名が本所の屋敷に詰めて、
いるそうです、

上杉家から家老として送り込まれたのは馬回り役の小林平八郎だそうです、又この40人を束ねているのは清水一学と言う剣客です、来月吉良様と女子と小姓40人に家人10人が移り、
住み警護の武士は50人と言う事です、一方大石様に連判しているものは約100名だそうですが、この中には大学様にて浅野再興時に家臣に加わりたいものが多数含まれており、

大学様での再興がならぬ場合は半数近くが脱命すると思われますので、50対50になると思いますと言うと、そうすると討ち入る側は鎖帷子、すね当、篭手当の完全防御であり、受け、
側はいつくるかわからないので毎日つけている事は出来んな、ならば2時もあれば討ち取られよう、上杉家主席家老の千坂兵部は吉良様を見捨てたと言う事になる、上杉家から20人、
しか送り込まなかったのは、

赤穂浪士と同じ数を送り込んで討ち取られると武家の面目はまるつぶれとなり、上杉家が断絶になるおそれがあると踏んだわけだ、幕閣、上杉家、町衆が討ち入りを望んでいる事に、
なる、大石殿は討ち入るしかない状況に追い込まれるわけか、さすれば孫太夫殿も加わることになるわけだと言うので、父上のご賢察のとおりです、あとはいつ大学様の処分が決ま、
るかにかかっていますと言うと、

幕府が認めるはすはなかろう、認めれば片手落ちを認める事になる、おそらく、領地没収、浅野の本家にお預けとなるだろう、それが長引けば、櫛の歯を引くように、脱命者が出て、
人数が30人を切れば、もはや討ち入りは不可能じあな、残ったものは浅野様の、墓前で腹を切る事になるだろう、孫太夫もそれに加わり、腹を切ると言うことだ、いずれにしろ、
孫太夫は死ぬのだ、

もし生きていれば悔いを残して生き延びなければならず、それも可愛そうじあなと言うので、それでも生きてほしいものです、生きていれば楽しい事も、沢山ありますると言うと、
お前とお峰の気持はわかるが、こればかりはどうにもならんと言ったのです、まあ成り行にまかせるしかあるまい、孫太夫を助ける何か良い方法があるやも知れんと酒を飲み干し、
たのです、

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