第33話

文字数 2,709文字


源三郎江戸日記33

源三郎がこの店によくくるのかと聞くと、ええ、女将さんが目当てですよと言うので、左衛門が女将少しは相手してやれというと、いいんですかと聞くので、金を払ってくれる大事な、
客だろうと言うと、それはそうですがと言って、それでは少し相手をしてきますというと、すみませんと言うと、二人は出て行ったのです、左衛門の恋敵と言うわけだと言うとボタン、
が揉め事になると厄介ですよと言うので、

よし女将は俺と寝た事にしょう、いくらなんでも他の男と寝た女は口説かないだろう、しかし、来なくなると気の毒だなと言うと、あの男はこんどはお仲さんに河岸を変えますよと、
ボタンが言うので、そんなに尻が軽いのかと聞くと、どつちでもいいと思っているんですよと言うので、それなら都合がよいなと言うと、源三郎あの男の事だ刀を抜くかも知れんぞ、
と言うので、

お前は絶対顔を出すなよと言うと下に下りて行き、女将厠はと聞くとお二階にもありますよ、一階はこの奥ですと言うので、そうかと言って、おう木下ではないかと言うと、これは、
村上様と言うので、一人かと聞くとええと言って、村上様はと聞くの玄海屋の番頭と飲んでいるのだ、用を足して来ると言って厠に行き戻って来て、傍に座り久しぶりだな剣の腕は上、
がったかと聞いて、

女将お銚子三本もってきてくれと頼むと、村上様みたいには行きませんよと言うので、今は勘定方だそうだが役目はどうだと聞くと、財政が厳しくて、お頭は頭を抱えていますよ、頭、
と言うと、山中殿だなと言うと、そうです、これで幕府の賦役でも入れば大変ですというので、そうか、江戸の廻船問屋相模屋は金貸しもやっているのを知っておるかと聞くと、あの、
大店は我が藩みたてな小藩は相手にしませんよと言うので、

わしは懇意にしているのじあ、わしの口利きがあれば安い利息で、用立てしてくれるがと言うと、女将が酒を持ってきて、酌をするので杯を傾けて、女将玄海屋を頼むと言うと、ハイ、
と言って席を離れたのです、木下が本当で御座いますかと聞くので、相模屋には大きな貸しがあるのさと言うと、口利きしてくだされば助かり申すというので、わかった高鍋藩の木下、
なら用立てすると約束させよう、

頭の山中殿では用立てしてくれないぞ、高鍋藩はおぬしだけだと言うと、なぜで御座いますかと聞くので、頼みがあるのだ、玄海屋の時次郎が女将に惚れているのだ、玄海屋は相模屋、
と模したしい、これの口利きがあれば利息はなしに等しい程安く出来る、ここは譲ってとくれないかと言うと、女将は私の女ではありませんので気になされなくても宜しいですと言う、
のでそれはありがたいというと、

この店の出入りはと聞くので、それは事由に出入りすれば良いというと、女将には絶対手はだしませんと言うので、そうかと言って、相模屋から文が来たら、頭に見せて交渉に江戸に、
いかせてくれと言うのだ、必ず行かせてくれるので、わしを訪ねてくれ相模屋に面通しをさせてやろう、但し頭にはわしの名前はだすなと言うと、相模屋の文にはさるお方から便宜を、
図るように言われたので、

文を差し上げたと書いてあるはずだ、さるお方とは玄海屋七衛門だと言えば良い、偶然この店で知り合い息統合したと言うのだ、今つれてくるというと、部屋に戻り時次郎に段取りを、
話して下におりると、玄海屋の番頭時次郎にございます、源三郎様には何かとお世話になっています、源三郎様の頼みとあらば相模屋の件はお任せくださいというと、それはかたじけ、
ない、

宜しくお願い申すと言って、それでは後日に江戸でお目にかかりますと言って、お二人でお楽しみのところ失礼いたしたと言うので、わしの事はくれぐれも内密にと言うと、わかり、
申した、絶対に口外いたしませんと言うと、金を払おうとするので、時次郎がここはあたしに任せといてくださいというと、それではお言葉に甘え申すと言うと帰っていったのです、

とんだところで相模屋を助けた事が役にたったなと言うと、旦那は天下の大策士ですねと笑ったのです、相模屋には玄海屋を宜しくと言っておくよと言うと、これで軍資金は困りま、
せんね、まさか盗まれた金で玄海屋が出来たとは仏様でも知りませんよと言うので、それは秘密だというと、ハイわかっていますよと言ったのです、部屋に戻り、木下は今後女将、
に絶対手はださんそうだと言うと、

何をしたのだと聞くので、木下の口利きがあれば江戸の相模屋が高鍋藩に金寸を用立てしてくれるので、この時次郎に女将を譲ってくれと言ったのさと言うと、そんな事出来るのか、
と言うので、相模屋は高鍋藩なら無利息で用立てすると約定しているのだ、なんと言うてもわしは命の恩人なんだよと言うと、左衛門がびつくりしています、あの相模屋の命の恩人、
なのかと聞くので、

金寸10両を相模屋には用立てしている、海で漂流しているところを助けて、10両渡し大阪まで帰らせたのだ、あのままにしておけばフカのえさになっていただろうと言うと、なんと、
言う事だ、なんでも言う事を聞いてくれるだろうとまたまた驚いたのです、木下はこの店には出入りするが女将には手を出さんと言う事だ、勿論時次郎も手はださんと言うと、女将、
がありがとう御座います、

ここんな事までも手を煩わせてというので、物産会所を成功させてきっと一杯仮を返してくれますよと言うと、まかしておけ、必ず仮は返すぞと言うので、さあ飲みなおしだと言う、
とボタン、ひな菊、女将が酌をしたので杯を重ねたのです、色々歓談してそれでは夜も更けたしお開きにするかと言うと、時次郎が勘定を払い、ボタンとひな菊に花代を渡とすと、

源三郎様帰る前に又呼んでくださいと言うので、わかったと返事して店を出て、二人と別れて屋敷に向かったのです、角を曲がると一人の武士が現れたので、提灯をかざすと次席家老、
宅にいた藩士です、提灯もつけずに待ち伏せかと聞くと、そうでは御座らんそれがしは徒歩組の槙田伸介に御座る、お咎めは何もなかったで御座るが、お礼に一献差し上げたいので、
御座るがと言うので、

今日はいささか酔って御座る、明日ならお相手するがと言うと、分かり申した、あしたくれ六つに今出てこれた小料理屋にてと言うので、あそこを知っているのかと聞くと、いいや、
今回が初めて出御座ると言うので、それでは、玄海屋と遠山左衛門と飲んでいた事も承知だなと聞くと、存じており申すと言うので、それに不服があるのだろうと言うと、幾分不信、
な点も御座ると言うので、

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