第103話

文字数 2,673文字


源三郎江戸日記103

どうしてお前が頼んで幕府が了承したのだと聞くので、今回小判の改鋳にて幕府のご金蔵には50万両近くの蓄え金ができました、小判改鋳にて貨幣価値が下がり、混乱しない策を教え、
たので御座います、そのお陰で幕府は50万両の蓄えが出来たので御座ります、2万両の紀州様への貸付くらい聞いて貰わねば立つ瀬がありませぬと言うと、なに、そなたが策を教えたの、
か、

銀貨は改鋳せず、小判は2分銀4枚に交換するように全国を統一したのじあな、銀貨の価値はさがらないし、殆ど流通しているのは銀貨だから、幕府が発行する小判なら鉄でも良いわけ、
じあな、要するに銀貨4枚と変えられれば何でも良いわけじあ、上手く考えたものじあ、幕閣の者の知恵ではないと思うたがやっぱりそうかと言うので、紀州様も領内は藩札にしなされ、
ませ、

1両の紙切れでも、2分銀の紙切れでもちゃんと小判又は2分銀に等価交換できるのであれば、その藩札だけでも良いわけです、藩外では通用しませんから、それを小判か2分銀に変え、
て使用すればよいわけです、要するに紀州藩が保障すると言う事で、重い、金貨、銀貨は持ち歩かないて住むわけです、総てを一時に交換する事はないですから、藩札に見合う総ての、
額の小判、銀貨を用意しておく必要はありませぬと言うと、

なる程藩札でも良いわけじあな、中々の知恵じあなと吉宗は感心したのです、よし分かった願書を書いて幕府が用立てしたら、返済は待ってやろうと承諾したのです、さつそくのお聞、
き届けありがとう御座ります、そのお礼に財政再建の妙案をお教えいたしますと言うと、何妙案となどうするのじあ聞くので、紀州は黒潮が湾に入り込み大変温暖なので美味しい、
みかんが沢山とれます、

しかし江戸に運ぶとなると片道で6日以上かかり、完熟のみかんは腐るために青いうちに摘み取り船の中で黄色く色ずくわけですが、日光で完熟になっていない為、どうしても酸味が、
残り、完熟に比べてすっぱいのです、それでも江戸では珍しいですから売れます、そこでこのみかんを2日で江戸まで運べれば完熟に近いみかんが食べられて大人気になり、飛ぶよう、
に売れますると言うと、

2日で運べるわけがなかろうというので、船の帆に工夫をしまして前から風が来ても前に進める工夫をしました、又よるでも正確に方向を知る機械を積んでおり、台風では無理ですが、
多少のシケでも航行できます、玄海屋と相模屋の船だけにこの工夫がしてあります、この船を使えば間違いなく2日で江戸にはこべます、みかんの出荷時期になりますと一斉に黄色く、
なりますので、

腐って落ちるみかんを多いと思いますが、この船で運べは殆ど腐らせずに商品となるわけですと言うと、まことかそれは凄いな、しかしその方位を知るのは禁制品ではないのかと聞く、
ので、これは方位磁石計と言いまして、陰陽師で鬼門である北を知るためのもので、宋の時代に我が国に到来して、大きな神社なら必ずありますが、このままでは船が揺れる為に使い、
ものにはなりませぬ、

そこで揺れても正確に測れる工夫がしてあり、この重要なハリも作る方法がわかっています、外国から手にいれた物ではありませぬので問題ないわけです、我が国は鎖国をしており、
外国に行く事は出来ませぬ、千石船にこれを搭載して方角が正確にわかっても、3千石位の大きさの船、でないと外海を航海することは、出来ませぬので問題ないわけですと言うと、

なる程みかんが飛ぶようにうれれば、みかん畑を増やし、みかんの時期にしこたま儲けられるわけだ、そうすれば冥加金が増え、新田開発しなくても良いわけじあな、みかん畑は、
山の斜面でも良いし、灌漑施設を作らなくても良い、随分安上がりと言うわけじあ、それは良い、少しまっておれ、今その商いをやている紀伊国屋文左衛門が江戸にきておる、
その者に話をしてくれと言うと、

家老に直ぐに文左衛門を呼びにいかせろと言ったのです、源三郎おまえは知恵者じあのう、米沢藩の家老にしておくには勿体ないわ、どうだ1万石で当家に仕官しないかと言うので、
勘弁してくださりませ、申し訳御座いませぬがあぐらをかいて宜しいでしょうかと聞くと、正座は苦手かと聞くので、足がしびれて感覚がありませぬ、こんな状態なので宮使いは、
苦手なのですと言うと、

よし崩してもよいぞ、実はわしも苦手なのじあと言うと、吉宗があぐらをかいたので、源三郎もあぐらをかいたのです、ハハハハお前にも苦手な物があるようじあなと大笑いした、
のです、暫くして文左衛門が入って来て、お呼びでござりますかと言うと、大もうけする話を聞かせてやるといって、そこにいる米沢藩主席家老から聞くが良いと言うので、村上、
源三郎と申すと言うと、

紀伊国屋文左衛門に御座いますと頭をさげるので、いままで吉宗公に言った事を話すと、本当に御座いますか、それなら大儲けできて、紀州様にも万両からの冥加金がお納めできま、
すと言うので、その船は毎日必ず1隻は江戸の佃沖に停泊しています、江戸、大阪、高鍋、博多ですので和歌山の沖を通過します、試しに江戸~和歌山まで乗ってみてくだされと言、
うと、

明日和歌山に戻る予定です、是非便乗させてくださりませと言うので、わかりましたこれより玄海屋に行き主人に会わせます、この者と後の事はお話なされと言うと、宜しゅうお願、
いしますと言ったのです、財政改革に頭を悩ませておったが、霧が晴れたようじあ、何かあれば米沢藩の力になるぞ、いつでも尋ねて来いと言ったのです、一つお尋ねしますが、
札差は何処をお使いですかと聞くと、

確か天満屋のはずだがと言うので、それを江戸屋に帰る事はできませぬかと聞くと、それは構わぬがどうしてじあと聞くので、天満屋は黒いネズミとつるんで米沢藩を潰そうとして、
いるのですと言うので、黒いネズミとは柳沢か稲葉であろうと言うので、ハイと言うと、わかった、天満屋から借りている金は、幕府から借りて返せば、差し止めてもかまわんぞと、
言うので、

時期が来たらお願いしますと言うと、いつでも言うが良いと約束したのです、それではこれにて失礼いたしますと言うと、今日は良い日であったと吉宗は御座所を出ていったのです、
それでは紀伊国屋殿行こうかと席を立ち町籠を呼び深川の玄海屋に行ったのです、七衛門に訳を話し後の事は頼むぞと言うと、ハイ、明日の便を和歌山に寄らせますといったのです、

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