第22話

文字数 2,893文字


源三郎江戸日記22

船底に穴を開けて自沈させたのです、相模屋の旗等が漂流して沈んだと、思うはずたと言って、みんなを乗せて一路下関に向かったのです、源蔵が何回も礼を言うのでそう長く盗人は、
出来まい、商いのほうが面白いだろう、頭なんか下げるな、俺には盗人の知り合いはいないと笑うと、そうだなと源蔵が苦笑いしたので、奥方は離縁になったそうだが、お前を信じて、
いるそうだ、

江戸には戻れないので、密かに博多によんで一緒に暮らせというと、おりを見てそうするよと言ったのです、みんなは武士の格好から町人の格好に変えて、上陸の準備に入ったのです、
博多に着き取りあえず寺の放れを借りて、売り出しているお店を探して、拠点をそれぞれに構え、源三郎達は、七衛門の二人の配下に後の準備を任せて、博多から薩摩に出航したの、
です、

薩摩は他国者を受け入れないので素通りして日向灘を高鍋藩の飛び地である串間に向かったのです、都井岬沖に船を止めて上陸して代官所に顔を出すと、代官の新山がおう源三郎で、
はないか、なぜここにと言うので、薩摩経由で高鍋に向かうので立ち寄ったのだ、殿の行列は明後日高鍋につくだろうと言うと、何年ぶりだと言うので3年前に父に同行して依頼だ、
と言って、

妻のお峰だと言うと、これは代官の遠山左衛門にござると言うので、峰にござりまする、宜しくお願いしますと頭を下げると、さすがは江戸の方でござるな、源三郎お前には勿体ない、
美形ではないかと言うので、ご内儀は息災かと聞くと、ああ元気だ、殿が明後日帰国なら、今日は我が家に逗留してくれ積もる話もあると言うので、いや、船がまっているので、後日、
にまた来よう、

妻に放牧場をみせるので馬を貸してくれと言うと、わかった、高鍋に逗留している間には必ず顔を見せろ、馬は港の役人に帰してくれと言うと、馬屋に案内して小者に蔵をつけさせて、
ムチを渡したので受け取り、お峰と馬にのりムチを入れて代官所を出て都井岬に向かったのです、程なく着き丘の上から日向灘を見ると、下に乗ってきた千石船が停泊しておりすぐ、
近くを黒潮が流れ、

なんとも雄大な眺めです、お峰がすご~いと声を出して驚くので、ほら船のもう少し沖トビウオが飛んでいるだろう、あの後ろの白波はイルカが追いかけているんだよと言うと、飛び、
魚とは魚なんですかと聞くので、魚なんだが50間はゆうに飛べるのさというと、鳥みちたいですね、旦那様はこんなところで育ったのですね、だからヤンチャ坊主なんだとうなずいた、
のです、

それでは放牧場に行って船に戻ろうと放牧場に向かうと沢山の子馬を連れた馬達が草を食べています、ずい沢山いますねと言うので、高鍋藩の財政を支えているんだよと言うと、何頭、
位いるんですかと聞くので子馬を入れて千頭くらいだろうと言うので、まあ可愛い子馬と傍によろうとするので、子育てしている時は子馬に近づくと、母馬に蹴られるぞと言うと、母馬、
がひひ~んと言って前足を上げたので、

お峰の乗った馬が後ずさりをしたので、お峰がハイ、ハイ、何もしませんよと笑ったのです、それでは行こうと港に向かって坂道を降りて行き、役人に代官に返してくれと馬を渡して、
小船で船に戻り、七衛門にそれでは高鍋に直行だと言うと、七衛門が帆を張れと命令し、イカリを上げて、帆を張り日向灘を北上して高鍋に戻ったのです、程なく高鍋の港に着き小船、
に乗り換えて上陸したのです、


七衛門に見張りを残して今日は旅籠に泊まれ、わしはお忍びだから藩庁には顔は出さんが、お前は積荷の手配をしてくれと言うと、この船なら片道4日あれば大阪につきます、8日あれば、
戻れますので、出立つまでには戻ります、船で長崎に行きましょう、この船を廻船問屋から買っておきますと言ったので、若狭屋にそのむねを書いておこうと、書状をしたため七衛門、
に渡し、

これがあれば若狭屋の番頭が掛け合ってくれるよ、誰も若狭屋の言う事なら聞いてくれるだろうと言うと、ハイと受け取り、それでは物産方に顔を出しますと藩庁のほうへ歩いて行った、
のです、源三郎はお峰を連れて屋敷に行くと、小物の末吉が源三郎様お戻りなさいませと言うので、妻のお峰じあと言うと、奥方様宜しくお願いしますと言うので、よろしく頼みますよ、
と言ったのです、

わらじを脱いで足をすすぎ、奥へ行き二人で座って、お爺様、お婆様只今戻りました、これは妻の峰に御座いますと言うと、よくぞも戻った、お峰源三郎を頼むぞと言うので、宜しく、
お引き回しくださりませと畳に手をつけて挨拶したのです、お婆様が堅苦しい挨拶は良い、奥を案内しましょう、お峰殿こちらにと言って奥につれていったのです、祖父が源一郎より、
の便りで聞いておる、

今回はご苦労であったな、秋月藩に災いが降りかからなくて幸いじゃ、殿も大変喜んでおられるとの事、お帰りになったらお召しになるだろうと言うので、これで柳沢様は秋月藩には手、
は出されないしでしょうと言うと、他の藩を狙うのであろう、まつたく迷惑な事だなと言ったのです、お召しが済んだら鳥撃ちにでもいこうと言うので、お峰もお連れくだされ、鉄砲の、
名人ですと言うと、

ほうそうかそれは頼もしいのお、それに若侍姿もようなおっておる、良い女子を見つけたな、武門の女子はああでなくては行かんと上機嫌です、気に入って貰って良かったですというと、
お前がどんなガンたれを連れてきてもいいちゃがと言うので、懐かしい言葉ですと笑うと、江戸弁は骨がおるっとよと笑ったのです、もうすぐ夕餉じあ湯に入って来いというので湯殿に、
行きさっぱりして、

部屋でくつろいでいると、お峰が入って来て旦那様夕餉の支度が出来ましたよと言うので、祖母は口やかましいので骨が折れるだろうが我慢してくれと言うと、いいえ、郷土料理を伝授、
くださいました、とてもお優しいですよと言うので、そうか兄嫁は閉口していたぞ、江戸勤番になってホットしていたがと言うと、源三郎様は跡取りではないので、その嫁には厳しくし、
ないのですよと笑ったのです、

部屋に行き座り膳を見ると、カツオの刺し身、トビウオの塩焼き、鳥肉の吸い物、筑前煮に味噌汁と香のものです、これはご馳走に御座いますなと言うと、祖母がみんなお峰殿が作った、
のですよ、お峰殿は手先が器用なので教えがいがありますと言うので、お婆様が褒めるとはどうした事だと言うと、これ源三郎殿私は鬼はばあではありませんよと言うので、口が過ぎま、
したというと、

祖父がそれでは頂こうと箸をつけるので、源三郎も鳥肉のお吸い物を食べると、これはまさしく我が家の味だというと、源三郎殿最初は飯を一口入れてからですよと言うと、祖父がまあ、
いいではないかと笑うと、お前様が甘やかすからいつまでも部屋住みなのですと言うので、これは参ったと祖父が言ったのです、お峰がお爺様は源三郎様に甘いのですかと聞くと、ええ、
何でも言う事は聞くのですよと言ったのです、

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