第94話

文字数 2,740文字


源三郎江戸日記94

赤穂の家中には子葉とか言う俳諧がおろう、その者に後で作らせてくれと言うと、大高源吾が子葉に御座るお引き受け申しますと言うと、おう子葉か今日は山田宗編に茶をたてても、
ろうた、末期の茶であったかと言い、それではそろそろと言うと、堀部安兵衛が介錯つかまつると言って刀を構えると、吉良がはらに脇差を置くと、安兵衛が一気にふり降ろし吉良、
の首が雪の上に落ちて、

首筋から血が雪に吹き出て真っ赤に染めたのです、血が止まると首を井戸水で洗い白い布にいれて、片岡源五衛門に槍の穂先に吊るして先導せよというと、ハハ~と頭を下げたのです、
吉良の屍を寝所にもどし布団に寝かせよと言うと運んで寝かせたのです、主税勝どきを上げよと言うと、大石主税がえいえいおー、と言うととみんなが勝どきを上げたのです、それで、
は引き上げる前に、

邸内の蝋燭を庭にて雪で総て消すのじあ、女達と生き残ったものは一個所に集めるのじあ、抵抗しないものはキズつけてはならぬと言って、我々が引き上げた後に、役人がくるまで、
のこるのもよし、立ち去るのも自由であると申しわたせといったのです、大高源吾と勝田新座衛門にそれぞれ、松浦様と土屋様に本懐をとげた事を知らせお礼を言上せよというと、
二人は屋敷を出て行ったのです、

大石が引き上げる途中に知り合いがいたら声をかけて最後の別れをせよ、但し短めにして隊列に戻るべし、寺坂ではず通りにな、達者でくらせよと言うと、皆様方のご家族、縁者に、
武勇をお伝えします、これでお別れに御座りますというと屋敷を出て行ったのです、それでは引き上げるぞと言うと屋敷を表門から隊列を組み両国橋へ向かい着くと、役人が申し、
わけご御座らぬがこの橋を通すわけにはいきませぬ、

どうぞ永大橋の方にお回りくだされと言って頭を下げるのでわかり申したと言うと、永大橋に向かうぞと言って引き返した川の傍の道を下っていったのです、川岸には船が二隻並べ、
てあり源三郎とお峰、七衛門以下船子10人が頭を下げると、大石達が会釈して厳粛に川筋の道を下って言ったのです、源三郎は寺坂に先にその姿のまま南部坂の三好浅野屋敷の、
お方様に本懐を遂げた事をしらせてくれ、

籠が用意してある、終ったらこの着物に着替え、その装束はこれに包み永大の宝とするが良い、終ったら深川の玄海屋に来るのじあと言って送り出して、源三郎達は一足早く川を下、
り深川に戻り、一向がくるのを待ち受けたのです、瓦版の版元に行き四十七士の名前を渡たすと、玉屋がさつそくすりまして江戸中に知らせますと言うと番頭に渡して彫り方へと言、
ったのです、

やりましたね、あっしも嬉しくてと泣くので、まるで玉屋も討ち入ったみたいだなと笑うと、一年9ヶ月の艱難辛苦に耐えての討ち入りですよ、自然と涙が出てきやすと手ぬぐいで、
涙を拭いたのです、さて、そろそろ来るころじあな、お峰舅殿に別れを言おうというと、見ていましたが、父上は見事なお働きでしたねと言うとので、さすが堀内道場の四天王、
だな、

あの小林平八郎への刀割りは見事であったと言うと、ハイと喜んだのです、やがて隊列が来ると大勢の町衆が立ち並び、歓声を上げて拍手がなりやみません、大石が源三郎をみつけ、
て、かるく会釈をすると源三郎も頭を下げたのです、孫太夫が傍に来たのでお峰がお働き拝見しておりましたと言うと、舅殿晴れ晴れしい思いに御座る、お峰をよしなにと言って、
お峰さらばじあと言うと隊列に戻ったのです、

寺坂は南部坂の三好浅野家に行き瑤泉院に面会して、今朝四つに旧浅野家家臣47人が吉良邸に推参して見事吉良様を討ち果たし、その首を掲げて泉岳寺の殿の墓前に供えるべく隊列、
を組みお引き上げになりました、今頃は永大橋を抜け日本橋に差し掛かっておりますと、打ち入った者の名前の書いた書付を差し出すと、討ち入りの様子を殿の御前で聞かせてたもれ、
と言うので、

血に汚れておりますと言うと、構わぬと手を引くので、書付をそなえ焼香すると三好の隠居が入ってきて、とうとう、やったかと言って座ったので、しからばと討ち入りの様子を話す、
と、瑤泉院がなき殿はどんなにお喜びかと涙を流すので、隠居がこれより町籠に乗り内蔵助におうてくるが良い、新橋あたりで合う事が出来るであろうと言うと、急ぎ支度しましょう、
町娘の格好なら目立ちませぬと戸田の局が言ったのです、

寺坂そなたはこれからはと聞くので、京に登り近衛公に討ち入りの模様をお話し、豊岡の大石様の奥方様にお知らせにいきますと言うので、そうか、ご苦労な事じあな、これでわしも、
鼻がたかいぞ、ようやってくれたと手を握るので、勿体無い事にございますといって、部屋を借りて着替えますと言うと、腰元に案内させたのです、着替えて瑤泉院にお別れを言っ、
て籠で深川に戻ったのです、

瑤泉院と戸田の局は、町女の格好をして、町籠で新橋に急ぎ、一向が休息すると言うので、茶の主人に話し奥で待ちうけたのです、瓦版はまず一報として、今朝4つに大石内蔵助以下、
赤穂浪士47名が吉良邸に討ち入り見事吉良の首を上げた、艱難辛苦に耐えた1年9ケ月の快挙だ、名前が残らずかいてあるさあ買った買ったというと、大勢が先を争って買ったのです、
隊列は日本橋にかかり、

そこには名古屋宿にて名前を借りた垣見五郎兵衛が立つており、大石が頭を下げると、垣見が大石に貰ったセンスを振ってお見事で御座ると頭を下げ、衛士達も一緒に頭を下げたの、
です、大高源吾と勝田新座衛門は大目付仙石伯耆の守の屋敷に行き、口上書を差し出し、吉良様の首は墓前に供えて焼香した後ご持参いたしまする、又1党は泉岳寺にてお裁きをお、
待ちもうしあげますと言うと、

仙石伯耆の守が神妙な振る舞い相わかった、おとなしく裁きを待てと言うので、承知仕りましたと言って屋敷を下がり隊列に戻るべくいそいだのです、一向は日本橋を過ぎて新橋に、
かかり、茶屋で休息する事にして全員が椅子に座ると、握り飯と茶がだされたので口に入れたのです、大石は瑤泉院様が奥で待ってると言う事なので部屋に上がり、これはわざわざ、
のお出まし痛みいりますと言うと、

大石の手を握り、お見事でありましたな、しかし、これで悲しい別れになるのじあな、すまぬというので、何のみな晴れ晴れとしております、町衆も大勢声をかけてくれています、
これで殿の無念は晴れました、後の事はよろしゅうにお願いいたしますると言うと、承知しておりまするぞと言い、大石が戸田の局殿、孫太夫とお別れしなされと言って、主人に、
孫太夫を呼びに行かせると、
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