第30話

文字数 2,744文字


源三郎江戸日記30

ハイ先ほどお話を伺いました、七衛門も喜びますというので、まず遠山にソロバンを教えてくれと言うと、女将が私が教えて差し上げますというので、女将はソロバンがはじけるのか、
と聞くと、ハイ、父は行商人でしたので、習ったのですよ、両親ともなくなり、残してくれたお金でこの店を始めたのですと言うので、遠山丁度よかったではないかと言うと、女将、
宜しく頼むと言うと、

時次郎が頭取がみずからソロバンをはじかれるのですかと聞くので、玄海屋にだまされないようになと言うと、遠山の旦那そんな事しませんよと言うと、座興じあよと遠山がまあ飲ん、
でくれと時次郎に酌をするので、おそれいります、今後は末永くお願いしますと酒を飲み干し、返杯したのです、七衛門は古着を積んで来ると言っていたかと聞くと、ハイ、船一杯、
に摘んできて、

ここを中心に延岡、佐土原、清武、飫肥、串間一帯で売りさばくつもりです、売り子の人数も集めています、そのうちに出店をつくるつもりですと言うので、お前もやる気になっている、
ではないかと言うと、源三郎様の知恵が頼りですと言うと、女将が物産方の策は村上様の策ですかと聞くので、左衛門がそうなんだよ、源三郎は知恵者だからなあと言うと、また頼もし、
いと酌をするので、

左衛門が悋気を起こすぞと言うと、女将が左衛門様本当ですかと言うので、そのような事はないと言うと、ほら左衛門と呼んだであろうと言うと、まあ、これは気ずきませんでした遠山、
様も一献と言うので、左衛門でいいぞと言ったのです、高鍋には芸者はおらんのかと聞くと、いますよと言うので、二人よんでくれ、左衛門は女将でいいだろう、話は決まっただろうと、
言うと、

それではここはわしがと遠山が言うので、何を言うかここは玄海屋に任せておけばよいというと、それでは賂になるではないか、わしは目付けだぞと言うと、便宜を図って馳走になれば、
賂だが、便宜を図らなければだだのおごりだ、なんでも杓子定規にすると商いは上手くいかんぞ、玄海屋は空船で航海しないので大もうけできるのさと言うと、時次郎がその通りで御座、
いますよ、

次は遠山様が驕ってくださいというと、まかしておけ、武士が町人を接待したらさぞ驚くであろうと言ったのです、女将わるいが屋敷に使いを出して遠山と役目の相談で遅くなるゆえ、
先に夕餉を食べてくれと言ってくれと言うと、ハイすぐに行かせます、芸子も呼びますと部屋を出て行ったのです、時次郎が酌をするので気を使うな手酌で行こうというと、これは、
源三郎様と同じで、

遠山様は気さくなお方ですなと言うので、源三郎が正座はよせというと、しからばと足を崩したので、時次郎も足をくずせと言うと、町人はそうは行きませんよ、なれているのでこの方、
が楽なのですと言うので、兄者と同じ事を言うなと笑うと、そうだ源一朗殿は近習頭におなりになったそうだな、おめでとうござると言うので、真面目すぎていかん、たまにはここにで、
もつれてきてくれ、

一年は女子抜きなので、いい女がいたら世話してくれと言うと、あいわかったと言ったのです、女将が入って来てお屋敷には知らせました、ゆつくりと遠山様とお飲みくだされと奥方様、
が言われたそうですと言うので、遠山がわしが悪者になるではないかと言うと、それでいいのだよ、知恵を出したのだそれくらいいいだろうと言うと、仕方ないかと酒を飲み干たのです、

芸者が入ってきて、ボタンにひな菊にです、お呼び頂きありがとさんですと言って、それでは一指しとひな菊の三味線に合わせて踊ったのです、中々の舞いではないかと言うと、女将が、
田舎芸者も芸は出来るのですよと酌をしたのです、踊り終わったのでそれではと杯をわたし酌をすると、まあ、お殿様じきじきにお酌なんで、この辺の方ではないですねと飲み干すして、
返杯するので、

遠山が江戸詰めの村上源三郎殿だと言うと、まあ、あの熊蔵を追い出した方ですか、いつ、こちらにとボタンが傍に座り、さあ空けてくださいと言うので、飲み干すと酌をしたのです、
女将があの乱暴者を追い出したのは村上様だったんですかと聞くので、町奉行が追い出したのだろう、わしではないと言うと、遠山がおぬしがコテンパアに懲らしめたのであろう、
おぬしには奉行も手は出せんと言うわけだと言うと、

ボタンが今夜ははなれませんわ旦那と言うので、ひな菊が姉さん奥方様に叱られますよと言うと、お前はそちらの方にと言うので、あれは今度高鍋に店を出した玄海屋の番頭だよくして、
おくと桟敷に沢山よんでくれるぞと言うと、そうですか、ひな菊お前は村上様をと言うと席を変らせたので、すみませんとひな菊が言うので、いいのだ、商売、商売と言うと、お名前を、
とボタンが聞くと、

時次郎だと言うと、また色男だことと酌をするので、飲み干し、源三郎様に悪いだろうと言うので、何を言うか、わしは若い方が好きなのだ、ひな菊酌をしてくれと言うと、ハイ旦那様、
と酌をしたので、時次郎がさいですか、ならば、ボタン仲良くするかと言うとハイ、時次郎の旦那よろしくお願いしますと言ったので、源一朗が目を白黒しています、遠山が女将ここば、
かりついていると、

客が怒るぞと言うと、いいのです、店は女中の仲が上手くやってくれますよ、私は左衛門様の傍を離れませんと言うので、そうかと左衛門は嬉しそうです、これでめでたし、めでたしだ、
なと小声でいうと、ひな菊が旦那はたこ持ちより上手ですねと言うので、お前も飲めと酌をすると、ハイと言って飲み干し、おいしい、旦那は江戸に帰るのでしょう、わたしをそばめに、
して江戸につれて行って下さいと言うので、

ボタンに怒られるよと言うと、わからないように抜け出しますと言うので、妻女をつれているから一緒にはいけないぞと言うと、こそつと、後をついていきますと言ったのです、ボタン、
がひな菊なにを旦那に頼んでいるの、ちゃ~かと聞こえているわよと言うので、すご~い地獄耳と驚くと、いいわよ旦那が気に行ったら連れて行ってもらいなさい、お前はまだ若いから、
江戸の水ものんだ方がいいかも知れないわと言うので、

ボタンは江戸にいた事があるのかと聞くと、ええ、3年程日本橋浜町にいましたと言うので、なぜここに戻ったのだと聞くと、恋に破れて去年もどってきたのですよ、でもここが一番良い、
ですと言ったのです、時次郎がそうかボタンも苦労したのか、これからはひいきにするよと言うと、ありがとう、時次郎の旦那は優しいのねと酌をしたのです、ひな菊がボタン姉さんの許、
しが出ましたよ旦那と言ったのです、

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