第99話

文字数 3,007文字


源三郎江戸日記99

時種が次は源三郎の番じあと言うので、されば参勤交代の道中に御座います、まずは内藤新宿をでるまでは、通常の人数で行列を組みますが、過ぎれば行列を監視している次の、
宿場の前で通常に戻し通過したら少なくします、米沢までは2個所ありますので、そこさえ上手くやれば良いので御座います、道具は先に送り宿場の前に雇った者達に米沢藩の、
服装をさせれば良いのです、こうすれば片道3千両往復6千両が節約できますと言うと、

時種がそれは良い策じあな、10年で3万両の節約じあ、それだけで3万両は借財は返せる事になると言うと、政種がまことに奇策じあと言うと、玉姫がちとずるい手じあなと笑う、
ので、すこしずる賢くやらねば上手くはいかないのですよと言って、さて、次は若殿の番ですがと言うと、次は国元での新田開発じあが2万や3万石増やしても焼け石に水じあ、

上杉は石高の割には藩士の数が多く微禄の者が多いので、新田開発はその者達にやらせるのじあ、新田は永大年貢は2分として8分が藩士の取り分とすれば良い、身分は藩士のまま、
で良いとすれば、面子も立つであろう、開発の資金は藩が貸付て、米がとれるようになれば、100年で返済すれば良い、又米が取れるまでは年貢は納めなくても良い事にする、

多分石高の多い者は百姓に成り下がるとして憤慨するであろうが、微禄の者は喜んで新田開発にいそしむだろう、開発が済めば自分の石高を増やす事になり、石高の多い者を追い、
越すと言うわけじあと言うので、賢明な策にございます、石高の大きいものが邪魔をせぬように、目付けをその者達から数多く登用すれば宜しいですなと言うと、政種が良策じあ、
さすれば10万石増収も夢ではないわと言ったのです、

次は源三郎じあと時種が言うので、百姓に物産を奨励する事になりますがまずは織物です、関東の秩父は織物の名産ですが同じ山深い盆地です、桑の葉も育つ環境でしょう、次に、
焼き物です、米どころですので良質の粘土も沢山あるでしょう、それから良い堅の木、桐の木も取れます、木彫り物産が良いでしょう、冬は雪でとざされますので、その間には暇、
が沢山あります、

百姓どもの副業にはもって来いです、高鍋藩と同じように物産方をつくり百姓、町人の年寄りを雇い指導させるのです、秩父や、焼き物の名産地から職人を武士に取り立てて指導、
させるのも良いでしょうと言うと、中々の策じあなと時種が言うと、玉姫が二人にまかせておけばどんな貧乏藩も立ち直させられますなと笑ったのです、時種がこれ位策があれば、
まずは良いであろうと言ったのです、

玉姫が私も上杉の家臣に嫁に行きとうございます、さすれば兄上と源三郎のお手伝いが出来ますというので、時種がそれでよければ源三郎眼鏡にかのうた者を玉に引き合わせてやれ、
と言うので、承知つかまつりました、きっと美男で有望な若者を探しますると言うと、美男でなくても良いが弱い者はダメじあと言つたのです、政種がこれで決まったようじあな、

時種他に連れて行きたい者あれば連れて行くが良いというと、3千石はお返しいたしますゆえ、そのまま家臣は高鍋藩にお返しします、源三郎だけで宜しゅうございますと言うと、
源三郎の禄はそのままで役目は高鍋藩の隠し目つけじあ、時種に上手く行くまで貸し与えると言うと、時種がそれで宜しゅう御座いますと返事したので、源三郎よいなと言った、
のです、

承知つかまつりましたと頭を下げると、時種がそれではこれより米沢藩上屋敷に打ち込むぞ、源三郎ついて参れと言うので、お供つかまつりますと言うと、馬を用意をさせて政種、
が陣羽織と陣笠を時種と源三郎に渡し、戦になればこれをつけて行くが良いといって玄関まで送って出たのです、二人は馬に乗りゆっくりと門を出て桜田門外の上杉守屋敷に向か、
ったのです、

町衆に迷惑になるのでゆつくりと行くぞと時種が言って、尚屋敷はやらぬのでそのまま根岸に居住せよ、毎日出仕には及ばん、5日に1日として町の様子を教えてくれ、たまには、
忍びで町に連れてまいれと言うので、承知つかまつりましたと言ったのです、上屋敷に入り馬を下りると千坂兵部が出迎え、これは何ごとで御座いますか、お知らせあれば輿に、
てお迎えに上がりましたものをと言うので、

敵の本陣に輿でくるばか者はいないであろう、これはわしの付け家老村上源三郎じあ、石高は1000石とせよと言ったのです、村上源三郎に御座ると言うと千坂兵部にござると挨拶、
し、時種がまずは御座所に案内せいと言うと、ハハ~と言って御座所に案内したので、時種が上段に座り、右に源三郎が座り、左に千坂兵部が座りそれぞれ幹部が座ったのです、

余が上杉治憲である、綱紀公が隠居されたので余が藩主となった、今日より花鳥風月の家風を改め本来の文武両道の家風とする、尚人事を刷新する、村上源三郎を主席家老とし、
千坂兵部は国家老とし国家老は隠居させよ、後はそのままでよい、それでは家老と勘定奉行を除き役目に戻れと命令したのです、みんなが退席すると、千坂がまずは御隠居様へ、
ご挨拶をと言うと、

米沢藩を窮地に陥れた綱紀等に会う必要はない、そうそうに国元に隠居所を探し奥方共々移せ、新しく建てるに及ばず、適当な屋敷をあてがえるべし、隠居料は500石とし奥方の、
化粧料は200石とするのじあと言うと、それはちと少なすぎますがと千坂が言うので、何を言うか本来なら切腹してもおかしくないであろうと言うと、ハハ~と頭を下げたのです、

もし言う事聞かざる場合は国元に移送し、藩主に楯突いた罰として座敷牢にいれ、奥方は屋敷に閉じ込めよと言ったのです、次は勘定奉行に尋ねるが我が藩の借財を申してみよ、
と言うと、紀州様より2万両、天満屋より4万両、相模屋より8千両、若狭屋より8千両、越後屋より8千両、その他が5千両にてしめて8万9千両に御座いますというので、それでは、
財政は破綻しているではないかと言うと、

ハハ~と頭を下げるので、これも総て吉良からの無心、綱紀公が莫大に花鳥風月に費やしたものに、奥方の化粧料のせいであろう、兵部それを知りながらなぜ諌めなかったのじあ、
と言うと、花鳥風月は将軍様のお勧めなれば止める事など出来ませぬと言うので、将軍家は400万石じあ、上杉は15万石にすぎぬ、度がすぎるであろう、綱吉公が花鳥風月を好ま、
ぬ大名を取り潰すはずがないと言って、

すぎた事はしかたない、倹約せよと言ってもそち達はめ一杯倹約しているのであろう、これ以上しろとは言わん、まずはわしの側室を選ばねばならん、奥女中にそれぞれ推挙させ、
明日ここに並べよと言うと、千坂がはは~と言ったので、それが終れば用意出来次第国許に帰り、わしの国入りの準備をせよと言うと、かしこまりましたと言うと席をたったの、
です、

みんながいなくなると治憲は足を崩し、そちもくずせ、どうであったと言うと、見事でありましたぞ、その調子に御座ります、みんなはさぞかし震えあがったでしょう、綱紀公、
は怒りまくりますよ、奥方はさつそく実家に知らせるでしょうが、吉宗公はおとり上げにはなりませぬ、これで上杉家から無心されず済むので良かったと思われますと言って、
近習頭を呼んだのです、

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