第47話

文字数 2,744文字


源三郎江戸日記47

さすがの知恵者じあのう、屋敷に来いというても来ぬじろうから、何かあればここに出向くとする、そなたに欲があれば大名にもなれるのだが、いたしかたないなあ、まあ飲んでくれと、
言うので、手酌で失礼しますと酒を注ぎ飲み干したのです、知恵を出したところで用人殿にお頼みがあると言うと、吉保が言うてみるが良いと言うので、今般高鍋藩では物産会所を作り、
高鍋藩での特産を玄海屋と言う商人に江戸で商いさせる事になり申した、

ついては川越藩の江戸屋敷に出入りして商いを許していただけませんか、又川越から絹織物、菓子などを上方に運び商いさせますがこれもお許し頂きたい、勿論利益がでれば冥加金は、
川越藩に納めますると言うと、吉保が用人に万事願いは聞き届けろというと、承知いたしましたというので、後ほど玄海屋七衛門なるものが用人殿をお尋ね申すと言うと、中々抜け目、
がないのうと吉保が言うので、

小藩なれば幕府の無体な賦役の準備をしなければなりませぬというと、そなたには知恵を貸してもらわねばならんので、賦役など課さぬわと笑ったのです、それではこれで宜しゅう御座、
いますかと言う、下がってもよいぞ、今日は愉快であった又頼むぞと言うので、失礼いたしますと言って席を立みんなの所に戻ったのです、新之助が誰なのだと聞くので今をときめく、
老中柳沢出羽の守だよ、

2000石で幕臣にならないかだとさ、誰がなるもんかと酒を飲み干すと、新之助が口を開けて驚いています、若狭屋が源三郎殿そんなに怒ってはいけません、それだけの価値があると認め、
られたのですよと言うので、幕府は金改鋳をして蓄財をするつもりです、やり方を伝授しましたと経過を説明すると、なる程それなら両替商は協力するでしょう、交換比率の統一は必要、
な事ですと若狭屋が言ったのです、

そのような策を言上すれば勘定奉行が目を白黒した事でしょう、あの者達ではこんな策は思いつきもしませんよと若狭屋が笑たのです、お勝つがこれでなんや、かんやと柳沢様は源三郎、
様を頼りにされますよと言うので、まったく迷惑な事だなと杯を出すとお勝つが注ぐので飲み干したのです、若狭屋が柳沢様は次は何をなさるつもりなのですかと聞くので、幕府領内の、
石高を上げる為に、

新田開発でしょう、まずは印旛沼あたりを豪商にいいつけて干拓をしようとするでしょう、霞ヶ浦一帯は湖になっており、干拓しやすいと思っていますが、地下からの湧き水があり干拓、
はきわめて難しいのです、川が流れておれば川の流れを変えて干拓可能ですが、あそこはいずれも川が流れているのではなく湧き水で水がたまっている場所です、とおてい干拓など出来、
ません、

馬鹿な学者がそれを勧めるのは目に見えています、数万両をつぎ込んで失敗し、折角小判改鋳で蓄財してもパアになり、又もや小判を改鋳して蓄財しょうとするでしょうが、二番煎じが、
上手くいくはずもなく、物価は高騰し、特に米の値が上がり庶民が苦しむ事になりますと言うと、なる程一回上手くいけば味をしめるわけだと新之助が頷いたのです、そして次は緊縮、
財政に以降して、

息がつまるようになり、又ゆるい御政道にもどすわけです、まあ、繰り返すわけですよと言うと、腹の減らない金持ちが政をやっている限りよくなるはずもありませんが、この仕組みは、
幕府がなくならない限り変りません、でもどんな時代でも庶民は生き残る工夫をしますので、この国がつぶれる事はないですよと言うと、若狭屋が源三郎殿のような知恵者でもこれを変、
えるのは無理なのじあなと言ったのです、

まああまり先の事を考えてもしようがないでしょう、食えるときに食い、飲めるときに飲んでおくほうが良いと言って、お勝つ一指しと言うと、そうですねそれではとお勝つと駒菊が、
立ち上がり、あやめの三味線で踊ったのです、柳沢は相模屋が言うたとおり、利口な奴じあなあ、ああいうやからは買いならすに限る、方位磁針計の件は何も言うな、あやつの好きな、
ようにやらせておくのじあ、

しかし陰陽師にその原型があったとは、どうして、気づいたのだと言うと、誰かに聞いたのでございましょうと用人が言うと、寺社方あたりがそれを船に使おうなどとは夢にも思わない、
だろうな、色々わしの政に役に立つ奴だなと笑ったのです、色が足りではないかと言うと、女将を呼び芸子を連れて来いと用人が言ったのです、置屋に使いをやらせると、後1時待たな、
いと、

行かせられないと言う事なので、用人に1時まってくださいというと、ならん、直ぐにつれてこい、あのお方は町奉行より上の方だぞと言うとので、あたってみますと言うと、お勝つの、
元に来て、先ほどのお旗本が芸子をすぐよべと言っているのですが、置屋に使いをやらせましたが、あいにく空いている芸子はいないのですと言うので、お勝つ、駒菊を連れて行って、
来い、

近づきになるいい機械だ、気にいられれば側室にしてもらえるかもしれんぞと言うと、そうですね、様子を探りに行ってきましょうと席を立ち、部屋を出て行ったのです、女将がすみま、
せんと手を合わせるので、いいんですよと言って部屋に行き、挨拶するとよう来たこちらに来いと言うので、傍に行き酌をすると飲み干し名前はと聞くので、勝と駒菊に御座いますと、
言うと、

これからは出入りする事になるがひいきにしてやろうと杯を渡すので、飲み干し、宜しくお願いいたしますと言うと、ところで、あの村上源三郎はよく来るのかと聞くので、ええ、私を、
目当てに来てくださりますというと、そうか、そなたを気に入っているのか、それなら都合が良い、奴がどんな女を好み、何が好きな食べ物か、回りにいる者共の素性、一番大事にして、
いる物を調べてくれ、

褒美は沢山とらせるぞと言うので、女は私みたいに美形な女、イワシの丸焼きが大好物、大工、左官屋、同心、目明しと沢山います、一番大事なのは奥方でしょうと言うと、奥方は美形、
なのかと聞くので、とてもお美しい方で、鉄砲、小太刀、長刀、つぶての名手だそうです、とても仲が宜しいとの事ですと言うと、ほう鉄砲も操作できるのか、それは手ごわいなと言う、
ので、

かかりあうと火傷をしますわよ、と言うので、もう火傷はしたわと笑たのです、よく教えてくれた、褒美を渡せと用人に言うと、財布から10両を渡して、二人で分けよと吉保が言うと、
お勝つが有難うございます、あれだけでこんなに、頂けるのですか、ならば一指しと言うと、立ち上がり、駒菊の三味線に合わせて、踊ったのです、踊りが終ると、中々のものだなと杯、
を渡したのです、

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