第105話

文字数 2,936文字


源三郎江戸日記105

源三郎様が果物の糖度を上げるには油粕がいいのではないかと言うておられました、、高鍋ではスイカを甘くするために菜種油をとった後の油粕を畑にまくのだそうですと言うと、ほう、
油粕ですか、それも試してみましょう、しかし源三郎様は知恵者ですなと言うと、人をとても気ずかいになるお方で、悪人は成敗するのではなく、良人に変えようとなさります、その為、
の策はまた奇策で、

我々如き頭では思いつきもしませんと笑ったのです、文左衛門がわたしも始めてあったような気はしませんでした、米沢藩の主席家老なのにえらぶった所は少しもありませんね、一辺で、
惚れてしまいましたよと言ったのです、源三郎様は玄海屋は水軍であり、七衛門は副将だ船が現在6隻ありますが、これを20隻に増やし船子800人にすれば、蓄財した金で浪人2000人を、
雇い、

全員に鉄砲をもたせ、船には大砲4門づつ装備し軍団2800人で江戸湾に押入れば江戸城なんぞは半日で落せる、この高速船を使えば幕府に防御を固める暇がないと笑っておられますと言、
うと、違いありませぬな、敵に回せば恐ろしいお方ですねと言ったのです、順調な航海で二日めの昼には和歌山に着き文左衛門を降ろし七衛門は大阪へ向かったのです、大阪の店に入り、
番頭に様子を聞くと、

討ち入りの瓦版は大阪、京都、で飛ぶように売れています、2日に一回に続編を売り出していますので、全部が終るまでは1月末まではかかるでしょう、町衆は楽しみにしているそうです、
こんなに詳しく出るのは初めてですよ、近衛様は禁裏でも鼻が高いそうで大変喜んでおられるようです、寺坂吉衛門様は今はりく様の豊岡におられるようですと言うので、町方はと聞く、
と、

何の動きもありませぬ、同心の旦那も瓦版を買うていますよと言ったのです、それでは次の便で博多経由の高鍋に行き様子をみてこよう、帰りには源三郎様と落ち合えるかもしれんと言、
って、大阪の旦那衆を集めておくれ、一席もうけようと言うと、番頭がみなさん喜びますと言って手代に指示をしたのです、その頃源三郎は出仕して、治憲に赤穂に行き脇坂様に旧赤穂、
藩士の事をお頼みしてきますと言うと、

そうかついでに高鍋にもより、様子をみてくるが良い、江戸は次席家老に任せて置けばよいと言うので、それでは明日にも出立いたしますと言って、柘植に殿を宜しくなと言うとお任せ、
くださりませと言ったのです、屋敷を下がり根岸に戻り、お峰とお律に明日赤穂へ出立し、高鍋にも寄るので、準備するように言いつけて、若狭屋に行く事にして、根岸を出たのです、

若狭屋に着き紀州からの借財の手当てを話して、米沢藩の若狭屋からの借財の利子共々の棚上げを頼むと、勿論承知していますと言って、、相模屋、越後屋にも無頼んでおきましょう、
と言うので、頼みますと言うと、いよいよ財政再建ですな、金寸が必要なら若狭屋も3万両位は用立てできますぞと言うので、棚上げしてもらえば、隠居と奥方の分6000両と奥女中を減、
した分500両を捻出しました、

参勤交代で役2000両、返済と利息棚上げ分で2000両とし、1万500両が新田開発に回せます、玄海屋から1万両を借りて物産の殖産に回せば5年で立ち直れ、借金も返せるようになります、
と言うと、なるほど毎年1万500両が黒字になれば次々と投資できますなと言って、さすがわ源三郎殿じあ見事に御座ると言うので、天満屋つぶしは外堀を埋めています、準備が終れば、
一気に攻め込みますと言うと、

これは戦に御座りますな、この若狭屋も槍を持ち駆けつけますぞと言うので、よろしゅう願います、しかし、無理をすると怪我しますぞと言うと、何を五郎丸の為にもう一合戦せねば、
と言うので、今日も根岸に行きなさるのかと聞くと、馬の玩具を持っていきますというので、まだハイハイも出来ませぬよと笑うと、直ぐに歩きだしますよと言ったのです、

翌日はお峰、お律をともなって船に乗ると、源蔵が先に乗っており、便乗させてもらうぞと言って、お峰殿久しゅう御座ると言うと、奥方様も博多でご一緒とか宜しゅう御座いました、
なと言うと、おう、お律殿もご一緒か、若侍の格好がよう似合いますな、それに随分と綺麗になられたと言うので、まあ、源蔵様は商人になられてからお口が上手になられたのですね、
冤罪が晴れてよろしゅう御座いましたというと、

これは参りましたなと笑ったのです、船頭がイカリをあげろ帆を張れと言うと、帆が張られ行きよいよく江戸湾を走りだしたのです、お律が凄い船ですねこれが兄上の工夫ですかと喜、
んでいたのです、江戸湾を抜けると伊豆大島、三宅島を過ぎると何処まだも青い海原です、冬の海なので風は強いので船は白波を立てて進んで行きます、夕方になりもう50里は進んだ、
だろうと言うと、

船頭が明日の朝は尾張沖に着きますよ、伊勢を過ぎれば紀伊半島をまわり、和歌山湾から大阪へ行きますと言うと、お峰が陸路ならと聞くので、やっと小田原に着くころだよと言うと、
凄い速さですねと驚き、この船には炊事場があるそうなので私が夕餉を作ります、材料も持ってきましたというので、お峰が私も手伝いましょうと船倉に下りて行ったのです、船頭の、
船吉にお前はもうどのくらいこの船に乗っているのだと聞くと、

ヘイ3年のっております、船頭になって半年でございます、この船にのっていると気持が良ですよ、次々と他の船を追い越せます、夜は天気が良いと満点の星空でいつも感動しています、
もう直ぐ日が沈みますと、そら一面に星が見えてきます、他の船では夜は走りませんので見る事は出来ませんと言ったのです、やがて日が落ちて空には満点の星が輝き、今日はすこし、
暖かいので、

ここにいても風はひきませんよと船吉が言ったのです、お峰が夕餉の支度が出来たというので船倉に下りて座敷に入ると、座卓にはイワシ焼き、刺し身、汁物、揚げ物が並んでいます、
お峰とお律が酌をして杯を重ねて、この汁はと聞くと山クジラの、鍋ですと言うので肉を食べて美味いと言って、揚げ物を一口食べると、美味いな何が入っている、のじあと聞くと、

ジャガイモをすり潰し、山クジラの肉も細かく切り刻んで、固めたものを上げたのです、そこの溜まり醤油をつけて食しますと言うので、なる程初めて食うたがこれはお律の工夫かと、
聞くと、時々根岸でも作っていますが、兄上は最近いそがしくて、一緒に夕餉を取りませぬゆえ始めてなのですと言うので、お峰は食しておるのかと聞くと、ハイ、何度もと言うので、
そうか最近夕餉は一緒に取っておらなんだかと言ったのです、

高鍋にも行くそうだが瀬戸内を行き博多に寄り、薩摩から高鍋に行けばよい、我が家にも寄ってくれと言うので、そうだな赤穂は瀬戸内だからそのまま瀬戸内を行く事になるのでそう、
しょうと言うと、お律が博多にもいけるのですかと言うので、源蔵が博多は唐人物が多いですから珍しい食べ物も沢山ありますよと言うと、楽しみですね、お峰殿はいつも兄上と一緒、
に旅が出来て羨ましいと言うので、

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