第66話

文字数 2,888文字


源三郎江戸日記66

赤穂浪士の助力に、そのように者がおり幕府が見放したと言う事は、吉良様は圧倒的に不利な立場にいると言う事だ、吉良が悪玉浅野が善玉の、噂を江戸中に流したのはそ奴かも知れん、
そ奴にも一度会うて見るか、大石の存念を知っているかも知れんと言ったのです、七衛門が千両箱をたずさえて高鍋への船にのり大阪から京都の山科へ運んだのです、閑静な百姓屋に、
大石は住んでおり、

尋ねて行き源三郎の添え状を渡すと、桟敷に案内されそこには吉田忠左衛門が座っており、玄海屋七衛門にございます、村上源三郎様の使いで参りました、まずはこれをお納めください、
と千両箱を出すと、吉田がいくら奥田殿の娘の婿と言え千両寄進とはどう言う事でござるかと言うので、大石が黒幕稲葉様が下されたのだそうだありがたく貰ろうておきます、源三郎殿、
には、

大石確かに受け取りもうした、旧赤穂藩士の為と大望の為お使いいたすと伝えてくだされと言ったのです、吉田が稲葉様が自分が黒幕だと認めたわけですなと言うと、七衛門が稲葉様、
の懐刀高木監物が街中で、源三郎様を襲ってきたのを簡単に捻られたそうで、その後料理屋に連れて行きことの一部始終を話し、わからなかった松の廊下での出来事を、梶川が吉良様、
が勅使のお出迎えで、

玄関の下でお待ちするように指南したのは間違いで本来は玄関の上で正座してお迎えするのが作法です、その作法違いを勅使の前でなじり、浅野様に恥を書かせるつもりなので気をつ、
けられよと耳打ちしたのだ、梶川が総て自白しその書付をもっている、柳沢様は稲葉様の佐倉10万石を取り潰したら、高鍋藩の近接の天領地5万石を加増し8万石にすると言うている、

稲葉様が高鍋藩を10万石に加増すると約定するなら、その書付は破りすてても良いと脅かしたそうです、もちろん源三郎様はそんなものは持っていないそうですが、高木は真っ青になり、
稲葉様に相談して後日返事すると返って行ったそうです、その後梶川が目黒村で惨殺され、松の廊下の事には係わりないので自由に柳沢に渡せばよいと言って、赤穂の者どもには気の毒、
なので、

救済金として千両を渡すので自由に使ってくれとの口上だったそうですというので、梶川もグルだったのか、だから抱きとめてとどめをさせないようにして、片手落ちの裁きを公方様に、
せまったわけだ、饗応役元締めの柳沢様の顔を潰し、殿と縁戚である近衛公を怒らて従一位の宣下の邪魔をして柳沢様を追い落とす腹だったが、近衛公は従一位の宣下の確約書を柳沢、
様に渡した為、

公方様の覚えめでたく、老中格筆頭となり甲府8石を加増され15万石におなりになり、稲葉様はことごとく失敗されたわけだ、それが源三郎殿だと気づき、始末しょうとして逆に総て、
を知られる事となり、これ以上怒らせてはいけないと懐柔策にでた訳ですなと言うので、源三郎様はそう申しておりましたと言うと、吉田がなんと言う事だそんな事の為に殿は切腹な、
されたのかと唇を噛んだのです、

大石が今となっては、事の真相はどうでも良い事でござる、柳沢様が勝とうが稲葉様が勝とうが大して政はかわらぬ、こうなれば旧赤穂藩の家臣達の、行く末をなんとかせねばならぬ、
大学様でのお家の再興を聞き届けてもらえば、八方うまく行くのだが、幕府は片手落ちの裁きを認める事はあるまい、我々を吉良邸にうちいらせ吉良の首をあげさせて、吉良家を改易、
にして、

討ち入った者に切腹を命じ、片手落ちの裁きを公平にするつもりだなと言うと、源三郎様はそうされた場合、討ち入った者の家族は連座の罪にて男は16才で遠島となり、綱吉公の次ぎ、
の代でないと赦免されず、その間どうやって生きるのかが問題になる、当代様が代われば忠義の志士の遺臣として大名達が高禄にて召抱えるだろう、又討ち入らなかった者は卑怯者、
呼ばわりされて、

仕官していたものは藩をおい出されて、世間の片隅で生きていかなくてはならなくなる、討ち入らなかった場合は浅野の殿様の奥方様に気の毒じあと言うておられますと七衛門がいうと、
まことにその通りで御座る、ハテサテいかがしたら良いものかと言って、今日は折角来られたのだ何もないが一献と言って、りく酒のしたくじあと言ったのです、吉田がわしは身寄りも、
なく老齢ゆえ、

華々しく武士として散りたいもので御座るが、多くの有望な者もおるので、何とか生かしてやりたいもので御座ると言ったのです、膳が運ばれて杯を重ねると、源三郎殿はどれをお望み、
なのかなと聞くので、奥方様の父親である奥田孫太夫様を死なせたくはないが、江戸急進派の頭ゆえ大石様が討ち入りなされなければ、単身吉良邸に討ち入り切り死になさるだろうと、
困っておられますと言うと、

いくら忠義の為とはいえ、誰も親兄弟を死なせたくないのが本音で御座る、わしの妻も口には出さんがそう思うているはずだ、早急に江戸に行き大学様の取り立てての件を各方面にお願、
いいたす事としょう、玄海屋殿の船は高鍋からいつ戻られるのかなと言うので、博多からの便が2日後に大阪に着きますと言うと、それに載せてくださらんかと言うので、そのつもりです、
と言うと、

江戸までは何日かかりますかなと聞くので、2日でございます、源三郎様の工夫で夜も走る事ができますと言うと、何とたった2日でござるかと二人は驚いていたのです、源三郎殿はきき、
しに勝る知恵者ですなと大石が言うと、おかげで玄海屋も儲かっていますと言うと、今回の件では稲葉様の策略をことごとく潰していただいたのじあが、城中の事なれば手も足もでな、
かったので御座る、

総ては私が江戸に下だらなかったせいで御座ると酒を飲み干したのです、源三郎様が匠の守様が残された遺言の無念であるとのお言葉は、吉良殿への遺恨ではなく、即日切腹の沙汰があ、
り、その裏を暴けないのが無念であると言われたのではないかと言われていましたが、大石様はどうみられますかと聞くと、自分の短慮により多くの家臣を路頭に迷わせる事になり無念、
であると言われたのだと思います、

嫌がらせに裏がある事は承知だったはずですが、あの状況では吉良様を討つしか、他に方法がなかったので御座る、しかし逆上されたのでしょう、脇差は刺すものとおわかりのはずが切、
りつけられたのだからなあ、刺しておれば吉良殿は生きておられまい、無念とは刺さなかった事も含まれているのでしょうと言ったのです、しかし源三郎殿は近衛公に何を言うたのです、
かな、

翌日には柳沢様に従一位の宣下の確約書を渡されたそうですがと聞くので、江戸で源三郎様にお聞きくだされませと言うと、色々とお聞きしたい事が御座る、楽しみですなあと酒を飲み、
干して、忠座衛門殿は同行する方々への連絡を頼みます、江戸の急進派をどうやって押さえるかだな、奥田殿はわかっているのだろうが、安兵衛以下若い者は来年の一周忌までに必ず、
打ち込むと約束せよと迫るでしょうと言うので、

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