第25話

文字数 2,719文字


源三郎江戸日記25

めでたいかどうか、これで厄介事を沢山頼まれるのさと言うと、お峰がもう沢山頼まれていますよと笑ったのです、兄上もこんど近習頭になられるとの事でしたというと、祖母がそうで、
すか、それはめでたい、今夜はご馳走を作りましょうといって、お峰殿と言うと、ハイお手伝いしますと台所へ向かったのです、今日は何を作るのかな、ちょっと見てきますというと、

よしておけ、婆さんに小言を言われるぞと言うので、板前は男でしょう、なぜ武士はダメで板前ならいいんですか、城の賄い方は男でしょうというと、それはそうだが、お前は賄い方に、
なるつもりかと笑ったのです、台所に行くと、祖母が男子厨房にはいるべからずですよと言うので、いいではないですか、それは山くじらの肉ですかと聞くと、女中の滝の実家で大きな、
のが取れたそうで、

持ってきてくれたのです、こんなに沢山だが毎日鍋にする訳にはいかないわねと祖母が言うので、それでは日持ちするようにしましょうと言って、この塊を工夫しますと言って桶に塩と、
砂糖を同じ量いれてかき混ぜ、適当な厚さに肉を切り、中につけたのです、これで3日おき、お湯で塩抜きすれば、ハムと言うものが出来上がります、夏でも日陰の涼しい所へ置けば、

長持ちします、後のものは味噌に漬けますと桶に味噌を入れて肉に味噌を刷り込んで中につけ、板を載せて重しを載せたのです、簡単でしょうというと、何処で習ったのですと聞くので、
外国は味噌がないので塩漬けにするのが一般的だそうですと言うと、成る程こんど百姓衆に教えてあげましょう、保存食になりますねと言ったのです、美味いかどうかは後のお楽しみで、
すと言って、

台所を後にして祖父のところへ戻ったのです、何だったと聞くのでボタン鍋だそうですというと、ほうそうか、ならば明日は、岩魚と雉だなと言って棚から火縄銃を取り出して掃除をし、
始めたのです、そろそろ熱くなりますがと言うと、木陰に入れば涼しいのだよ、明日は二里離れた渓谷に行ってみよう、森林のいい香りがして気持ちいいぞと言ったのです、

源一郎が帰って来て祖父に挨拶すると、よう戻った、時種様を分家なささるそうだが、そうすると2万7千石となり財政も厳しくなるなと言うと、実収入を増やすしかありません新田開発、
が一般的ですが小藩ゆえ百姓の数も少なく開墾しても働く物がいなければ何もなりませんと言うので、源三郎が殖産を奨励して上方、江戸でさばくしかありませんと言うと、我が領内で、
の品といえば、

椎茸、干しあわびくらいで、これは他藩でも上方、江戸に送っておると言うので、今回玄海屋七衛門と言うものに高鍋に出店を作らせました、廻船問屋ですが、千石船を改造して風が前、
から吹いても進めるようにしあります、高鍋から上方へは通常6日はかかりますが、3日で行くことができます、上方から江戸までも3日でいけるでしょうと言うと、そうすると高鍋から、
江戸までたつた6日でいけるのかと聞くので、

そうですこの船を使えば従来は持っていけない物も上方、江戸へもって行き、売ることができます、山くじらの肉も塩漬けにして、上方、江戸で塩抜きして売るのです、塩だけでは塩辛、
くなりますので、塩と砂糖を半分づつにして漬け込み、後で塩抜きすればとても美味くしあがります、他に薬草です、山には沢山あると思いますが、米と同じに畑にて栽培するのです、
ここにどんな物が薬草かを、

書き写した本があります、これをみれば誰でも薬草を摘むことが出来ます、これを書き写して沢山作り、百姓衆に渡して掘り起こして薬草園に植えるのです、それを摘み取り、粉にして、
上方、江戸の薬草問屋へ持ち込むわけです、朝鮮人参も栽培できます、これは高値で売る事ができます、藩に物産方を作り、薬草、猪、雉、あわび、椎茸、ウサギを百姓から買い、物産、
会所で加工して玄海屋に売り、

玄海屋は江戸、大阪で売りさばくわけです、物産会所で働く者、は100石以下の藩士の妻女、娘に手伝ってもらい、手間賃を払うのです、そうすれば小録の藩士が内職をせずに済みます、
繁盛して沢山の人手が必要なら百姓の妻女、子供も働いて貰い、手間賃をやれば百姓衆も副収入になりうるおう事になります、他に、味噌付け、カツオの塩辛、鰹節、マグロの加工品等、
考えれば沢山あります、

会所はお婆様等の年寄りが教授方になり指導するのです、良い小使い稼ぎにもなり喜ばれますよ、働くのは町人だけと言う時代は終ったのですというと、源一郎がそれはすごい策だな、
これを聞けば殿は大喜びなされるだろう、早速上申してみるよ、源三郎お前は知恵者じやのうと大喜びしたのです、祖父がわし達老人も会所で働らかしてくれ、何んと言うても暇だか、
らなあと言うと、

勿論お爺様達男衆は物産を荷馬車に乗せて、港まで運ぶ力仕事などをやつて、貰えばいいのですと言うと、成る程まだまだ体は大丈夫だぞと言うので、そうすれば長生きも出来るでし、
ょう、難しいのは武士と言う体面がありますので、武士が商い等出来ぬと言う人も沢山いると思いますと言うと、祖父が高禄の者はそういうだろうが、微禄のものは大喜びするだろう、
と祖父が言ったのです、

祖母が途中から話しを聞いていたらしく、高鍋は竹林もおおいので、竹細工も良いですね、水が綺麗なので紙すきをやり作っている村もあります、和紙もつくりましょう、後シュロの、
の葉でも色んな物が出来るのですよと言うので、是非お婆様には教授方の頭取をお願いしますと源一郎が言うと、任せておきなさいと胸を叩いたので、これで藩の実収入は倍の6万石に、
はなりますと源一郎が言ったのです、

祖母が源一郎湯にはいって来なさいというと源三郎はと聞くので、先ほどはいりましたと言うと、それではと源一郎は湯殿へ行ったのです、お峰がこの事があって医術に興味をもたれた、
のですかと聞くので、逆で玄庵先生から薬草の事を聞いて、書き写していたら、今回の事を思いついたのだよ、そうだ、孟宗竹の竹皮もいいなと言うと、そんな物江戸にも沢山あります、
よと言うので、

それぞれの旅籠が調達しているのだろう、江戸には沢山の旅籠があり朝立ちに弁当を持たせるので必需品だ、毎日届ければめんどくさくないので喜ばれるよ、竹の皮を20枚ごとに縛り、
俵づめするのさ、いくらでもあるのでタダみたいな物だと言うと、成る程毎日旅籠を回り届けるわけだ、手間かからず喜ばれますね、一枚1文でも数がさばけるて毎日だから良い稼ぎ、
になると言う事ですねと頷いたのです、

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