第2話

文字数 2,589文字


源三郎江戸日記2

酒が来たのでおみよが酒を湯のみに注ぎ、きょうはありがとうと源三郎が湯のみを上にあげると、ごちになりますと4人が言ってゴクゴク飲み干し、うめ~と言うので、後は手酌で、
と言うと、源三郎の旦那なのやつとうはすげ~やと言うので、それ程でもないよ、ところでお前たちの名前を聞いてなかったなと言うと、真向かいの男があしは佐吉で横に座って、
いるのが留吉で大工です、

そっちの二人は玄助に吉蔵で畳職人ですというので、わしは村上源三郎で秋月藩の藩士だが、次男坊の部屋住みと言うわけだと言うと、最近はたちの悪い浪人がゴロゴロしていまして、
あれはわざと刀を触れて金をたかろうしたんですよと佐吉が言うので、武士も地に落ちたというわけだと酒を飲み干したのです、そこに町方同心が入ってきて、源三郎殿災難でござっ、
たなと言うので、

おう、新之助殿かああいう手合いはゴロゴロいるとの事だが、なんとかならんのかと聞くと、武士は無礼打ちが許されているので、町方では浪人と言うだけでは取り締まれないんですよ、
浪人の総てがごろつきではないのですと言うので、しかし刀に触れただけで無礼打ちとはいささかひどいのではと言うと、無礼打ちにした場合は奉行所に届ける事になっているので、
そのとき吟味をする事になってるのだが、

刀が触れたくらいでは無礼打ちとは認められないですよ、それ相応の罰はかせられますと山田新之助が言ったのです、人相を聞いたところ深川一帯でゆすり、たかりをやっている浪人、
の一味と言う事です、6人いましてその頭は山上監物と言う奴で、新陰流の達人だそうです、町方もおいそれと手は出せないそうですというので、どこかの寺か大名の下屋敷の博打場、
あたりにいるんだろうと言うと、

そうなんですよ、我々は手出しできないのですがこの目明しの三蔵に探らせますというので、三蔵親分わかったら教えてくれと言うと、ヘイ、と返事して店を出て行ったのです、佐吉、
が八丁堀と知り合いでと聞くので、あいつは堀内道場の門下生でわしはそこの師範代と言う仲だと言うと、なるほど、剣の弟子と言うわけですねと言ったのです、戸をあけて芸者が、
入ってきて、

やつぱりここだと言って、佐吉に横に寄ってと言うと前に座るので、お勝どおしたのだと聞くと、だんな浪人をこっぴどく痛めつけたんですて、私にもと言っておみよに湯のみを貰い、
出すので酒を注ぐとゴクゴクと飲み干したので、お座敷はと聞くと、越後屋のだんなが源三郎様を探していますよ、どこにいるか知らないかと聞かれたので、呼んでくるとお座敷を抜け、
だしてきたのよ、

お礼をしたいんですてと手を引っ張るので、おみよに2分銀を渡して、これでこの4人に腹いっぱい飲ましてやってくれと言うと、たちあがり、後はお前たちで盛り上がれというと店を、
出て、お勝つについていき、礼なんぞせんでもいいのだがと言うと、大店のろうそく問屋ですよ、懇意にしても損はしゃしませんよと言うので、別に得しょうとは思っておらんよと言、
うと、私が得するんですよと笑ったのです、

深川のみやびと言う料理屋に入り二階の座敷に行くと、お呼び立てして申し訳ありません、さあこちらにと上座をすすめるのですわり、礼などせんでもいいのだがと言うと、そうは、
いきません、これでも少しは江戸で名の知れてる越後屋です、庄吉も目をさましたそうで、熱はすこしありますが、娘の雪とおかみが看病しています、これも源三郎様のおかげです、
と言うと、

まことに失礼ですがと懐から25両つつみの小判を出して、お納めくださいというので、こんな事の為に助けたのではないと断ると、山田様に聞きましたがあの浪人共をお探しとか人、
を使うのには金寸はかかります、邪魔にはなりませんさあお納めくださいというので、それでは悪さをするやからの退治する為に使わさせてもらいますと受け取り、お勝に5両渡し、
これを総て2分銀に変えてきてくれと頼むと、

越後屋が後5両分2分銀でお渡ししましょうというと、仲居を呼び若狭屋に行き、5両分2分銀で持ってくるように、ことずてをと言ったので、それではこの5両はお返しするというと、
それはそのままお納めくださいといったのです、町方の手の出せないところを何とかしろと言う事だなというと、ハイ、にとぞ宜しくお願いしますと酌をするので、仕方ないな一肌、
脱ぐとするかと杯を飲み干して、

越後屋に渡して酌をすると恐れ入りますと飲み干したのです、今日は思い切り楽しんでください、お勝さんお願いしますよと言うと、寄り合いがありますので私はこれで失礼します、
と部屋を出て行ったのです、お勝が旦那もうかりましたねと言うので、これは探索費用だよと言って、お前にも頼もうと5両渡して、みんなで分けてくれと言うとありがとさんです、
芸者衆に頼み浪人達を見かけたらすぐにお知らせしますと酌をしたのです、

お勝つが立ち上がりそれでは一指しと言うと、三味線に合わせて踊ったのです、踊りが終ったので拍手をして、いつもながら中々の舞だなと酌をすると、飲み干して今日は源三郎様、
の傍は離れませんよと言うので、旦那衆がほおっておくわけないよ、すぐに呼ばれるさと笑うと、残念でした越後屋の旦那が貸切にしてくださつたんですよと言ったのです、しかし、
あんまり遅くなると、

本宅の母上がうるさいからなあと言うと、どうせ本宅には帰らず若狭屋の寮に帰るくせにと足を抓ったので、イテテというと、今日は絶対返しませんよと笑ったのです、越後屋の手代、
が2分銀で5両分がありますと渡すので、確かにと受け取ると、私はこれでと部屋を出て行ったのです、そろそろ帰るかと言うと、それでは私も上がりますというので、ついて来る、
と危ないぞと言うと、

あの浪人者が襲うのですかと言うので、障子の隙間から下をのぞいてみろというと、一人の遊び人風の男が橋の袂に腰掛けています、ああやってわしを見張っているのだ、帰る途中を、
襲うつもりだろう、お勝つはわしが出て行ってから暫くして置屋に帰るのだと言うと、新之助様にお知らせしましょうかと言うので、あいつの腕では怪我をするのでよしておくのだ、
襲ってくれば手間が省けて丁度いいのさといったのです、

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