第92話

文字数 2,872文字


源三郎江戸日記92

障子の隙間からのぞくと、庭にはだれもおらず、巡回もしていません、行灯はついています、もう少しすれば寝るだろうと言うと、傍に置いてあった湯飲みにお峰が酒を次いだのです、
その頃小林平八郎は清水一学と酒を飲んでいたのです、おうめからの連絡もなかったようだな、来年そうそうと思っているのかもししれんが、勅使の年賀が終れば参勤交代で殿は米沢、
に戻られる、

吉良様もついて行かれるそうじあ、そうすればわしらの役目も終りじあと言うので、一学が長い一年9ケ月でしたなあと酌をすると、しかし何故こないのじあと酒を飲み干したのです、
それでは少し寝るとすると言うと平八郎は自分の部屋に行き布団に入ったのです、酒がはいっているので直ぐに寝入ってしまったのです、一学が武者溜まりを覗くとほとんどは酔い、
潰れて寝ていたのです、

まあ今日くらいはいいかとつぶやいて部屋にもどりごろりと横になると、一学もすぐ寝てしまったのです、源三郎が次々と行灯が消え、小物が雨戸をしめたので、全員寝たのだろう、
明け4つにはまだ時間があるなと言って横になったのです、明け四つの半時まえになり大石が今日一人が脱命して47名になりも申したと言って、それではそろそろ出掛けますぞと言う、
と立ち上がり、

階段を下りて外にでると雪はやみ、月明かりは煌々としていたのです、縦列を組みはしご、木槌、槍を持ち粛々と本所吉良邸に向かって行進したのです、途中裏門隊と合流して半時で、
吉良屋敷の表門に勢ぞろいして、大石が指揮棒をふると、大石主税以下21名が裏門へ行き、表門は梯子をかけて塀から中に入り、門を開けたので中に入り門を閉めて、大石が山鹿流、
陣太鼓を打ち鳴らし、

大高源吾と勝田新座衛門が隣の平戸藩屋敷の門をたたき、中に入ると、松浦の隠居が出て来たので、二人が名乗り、旧浅野家家臣47名が匠の守様の無念を晴らす為に吉良邸に推参、
つかまつりました、隣近所なればご加勢あるとお思いますが、なにとぞ武士の情けをもってお加勢をお控えいただきたくお願いに上がりましたと口上を述べると、あいわかり申、
した、

加勢の儀は遠慮するでありましょう、又吉良の付け人、家人が当家にはいらば直ちに打ち返すであろうと言ったのです、そこにいた宝井其角が門出に一句というと、日の恩や忽ちくだく、
厚氷と読んでそれではごめんと持ち場にもどったのです、隠居は高張提灯を用意して掲げろと命令して赤穂浪士が働き易くしたのです、源三郎とお峰は二階から見ると、庭では乱戦が、
始まり孫太夫は大太刀を振るい奮戦していたのです、

付け人と浪人達は酒で寝入っていたので慌てまくり何もつけずに飛び出していき、次々と切り倒されたのです、変事にきずいた小林平八郎はしまったと声を出して、吉良の寝所に掛け、
つけると、吉良が何事じあと言うので、赤穂浪士の討ち入りにございますと言って、こちらに早くと言うと掛け塾の後ろの扉をおして吉良を押し込み階段を降りて地下道にはいり、
墨小屋を抜けて、

進むと消火桶で塞がっています、何今日見たときはなんともなかったが崩れ落ちたのか、くそ~と言ってどけようとしましたが数が多く押しましたがびくともしません、さては塞が、
たのか、仕方ない引き換えそうと言って引き返して、ともかくここにかくれていて下さい、はしごで塀に登り向こうに降りれば船が用意してありますと言って、二人の護衛と吉良を、
墨小屋に隠し、

庭に出てはしごを探したのです、しかし梯子はどこにもなく、木を伝わり屋根のぼり見ると、表門に梯子が立てかけてありますが、大石以下が警護しています、とても突破は無理だと、
分かり、引き返すと下から、岡野金右衛門が槍を投げたので交わして、下におりると矢頭右衛門七が切りかかるので、打ち払い切りつけるも鎖帷子を着用しているので切れないのです、

走って逃げると追いかけてこないので、武者留まりに行くと、あちこちで切りあいがはじまっています、赤穂浪士で倒れている者はいません、くそ~、やはり鎖帷子をつけているので、
刀が届いても切れないので、峰に持ち替えて構えると切りかかって来たので見ると、大石主税と袖口に書いてあります、おう大石殿の息子か来いと言って刀を合わせて、右袈裟切りで、
振り下ろすとガキンと言う音がして肩にあたり、

ひっくり変えったたのです、横合いから不和和衛門が槍をいれたので打ち払うと、清水一学がご家老ここは任せて早くというので、ここから一歩も通すなと言って武者溜まりを抜けて、
吉良の寝所に行き抜け穴から墨小屋に行き、見つかるのは時間の問題です、あの先の物置に隠れましょうとと外に出ると、まだ誰も着ていないので、4人は外に出て物置に行ったので、
す、

ここに隠れているしかありませんと言うと、なぜわしが狙われねばならんのじあと言うので、いまさら何を言っても無駄で御座ると言って、物置にあったホウキで足跡を消して墨小屋、
に戻り抜け穴に降りて蓋をして寝所に戻り、鎖帷子に着替えて武者溜まりにとって返し、乱戦に加わったのです、早1時がたち吉良方は18人が死傷して、家人10人は逃げ惑い戦力には、
ならず、

後は22人があちこちで防戦していたのです、しかし鎖帷子の為赤穂側は数人が打撲をうけ負傷したのみだったのです、大石は表門に仁王立ちして呼子を待っていたのです、寺坂が戻っ、
て来て、敵を20人近く討ち取りましたがまだ寝所にはいけません、後半時もあれば突破できるものと思われます、ごめんと言って傍を離れたのです、1時半が過ぎて東の空が白じんで、
くる頃に、

やっと大石主税、不和和衛門、奥田孫太夫、岡野金右衛門が突破して吉良の寝所に入ったのです、孫太夫がフトンに手を入れてまだ暖かい遠くには行つていないはずだと言うと掛け軸、
の後ろの戸を回して、大石主税を先頭に抜け穴に入り先に進んでいき、桶で埋まっているのを確認して、墨小屋の下にでて孫太夫が板をはずして、用心深く中に入ったのです、しかし、
誰もいません、

外をみましたが足跡もなくここから出た様子はありません、引き返そうと言って、みんなで寝所に戻りまわりの部屋を探しましたが、何人かが隠れておりきりあいになり、これを切り、
倒したのです、平八郎は物置の隙間から墨小屋を開けた奥田孫太夫をみて、抜け穴を確認したなと言って、墨小屋の戸を閉めたので、いまだと言うと物置を出て墨小屋に戻り、中に、
隠し、

一度調べたのでここは安全ですというと、平八郎は足跡を消して、抜け穴に下りて、墨俵を床下から入れないように蓋の上に載せる用に言って、確認すると寝所へ取って返したのです、
様子を見て外に出て、小物の達吉を裏門に連れて行くと、裏門は壊されており門は空いています、堀部弥平と小野寺十内が警戒しており3人の吉良家付け人が倒れています、わしが切、
りかかるので、お前は隙をみて門の外へ出て両国橋に走れ、

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