第34話

文字数 3,054文字


源三郎江戸日記34

ならば明日まで延ばせば益々おぬし達の不信が募るのであろう、おぬし達の思っている事は、想像つく、その影にもう二人いるだろう、出てきたらどうだというと、顔をみせて柳田一郎、
藤田矢之助に御座ると言うので、しからば、ついてまいられよ、切りあいをしたいならここでも良いがと言うと、槙田がおぬしには手も足もでない事は承知して御座る、やるなら鉄砲や、
弓が必要であり、

闇討ちでなければ成功しないでしょうと言うので、わかり申したと言ってさつきの小料理屋に行き、二階を借りるぞ心配せんでもいい、誰も呼ぶな、酒と料理を頼む、これからごひいき、
にしてくれるかも知れんと言うと、二階にあがり下座に座ると、上座にと言うので、しからばと座ると、両脇に座ったのです、女将が酒をもて来て注ぐので杯を重ねたのです、さてお主、
達は、

次席家老を糾弾しておきながら、自分は玄海屋と癒着し、あろう事か今回目付けに登用された遠山を抱き込み、藩政を壟断するつもりであろう、許しがたいということであろうと言うと、
その通りで御座ると言うので、言い訳はせぬ、玄海屋が金を払つたのは事実だ、又遠山は目付けの他に、今度できる物産方の頭取をおおせつかった、わしの役目は申し上げられないと、
言うと、

隠し目付けであろうと言うので、ほう次席家老に聞いたのだな、その通りだと言うと、藩の規律を守る目付け二人が、商人と癒着するとはけしからんではないかと言うので、癒着の語源、
は何かご存知かと聞くと、賂を渡し便宜を図る事でござろうと言うので、便宜を図らずただご馳走されるのはタダのおごりであろう、二人とも玄海屋に便宜を図ると言ったわけではない、
と言うと、

どうして玄海屋が金を払ったのだと聞くので、昔からの知り合いでな、今回の物産会所の物を引き受けてくれたのは事実だが、その仕組みをお話しょうと、総てを話し、この話しの何処、
が癒着でそれは御座るかな、百姓も会所で働く者も玄海屋も公平に利益を分配するのでござる、その基準は品物事の売値から算出するので御座るよと言うと、させる本当で御座るかと言うので、
始まったら自由に監察すれば良い、

これからは幕府の締め付けも厳しくなり、藩財政は傾きかけておるのを知らないのか、いくら時種様が英明でも藩士全員が粉骨細心しなければ、借財のみが増えて藩は崩壊いたします、
高鍋藩領に住んで良かったと百姓も町人も武士も思うようにしなければならんのです、確かに次種様は凡庸かも知れんが、回りが守り立ててればいいではないか、戦国の世ならともか、
く今は平穏な世の中で御座る、

他国から侵略される事などありません、幕府の圧制から藩を守るのが、一番大切な事でしょう、貴方達は刀を振り回すだけの、藩士なのかと聞くと、刀は武士の魂で御座ると言うので、
それならもっと腕を磨きなさい、貴方達の腕では幕府と戦っても一撃で倒されますよと言うと、幕府と戦うので御座るかと聞くので、もし幕府が無体な理由で我が藩を改易した時貴方、
達は何もしないのですか、

幕府を相手取り開場せずに一戦まじえる覚悟は御座るのかと聞くと、村上殿はと聞くので勿論一矢を報いる為に戦います、おそらくしろ受け取りには隣国の延岡藩と佐土原藩がおおせ、
つかるでしょう、その兵力は両藩で1500と言うところです、こちらは全員参加しても小藩ゆえ200人がいいところです、城を落すには3倍の兵力があればよいと言われているので、600、
人あれば良いわけですと言って、

女将遠慮せずに入って来なさいというと、料理を運んで来たのでみんなの膳に並べたので、女将もこの店の大将だ、この店を守るのにも役に立つのでそこで聞いていなさいというと、
いいのですかと聞くので構わんと言って、話しを戻すと、相手は1500人だあっと言う間に城はおちるでしょう、落ちないとすれば一人8人を倒せば200人いるので全部で1600人倒す、
ことが出来ますが、

戦は数の3割が死傷すれば、恐ろしくなってみんな逃げ出しますので、1500人の3割500人を倒せば言い訳なので1人で3人を倒せばよい、3人ならなんとかなりそうでしょう、まずは、
城の絡めてから攻めてくるでしょうから、あらかじめ100人は外に隠れているのです、後から攻撃すれば驚くでしょう、そして直ぐに引き上げてこの高鍋川を渡ります、敵が一斉に、
川を渡ったところで、

上流の関をきれば川に入った200人は濁流に飲まれて溺れ死にます、それからは何かがあると思い追撃しなくて、持久戦に持ち込むはずです、そうなれば、城方と後ろから夜討ちを、
かけてかく乱して少しずつ兵を損耗させます、鉄砲等は使わず弓にて攻撃すれば音がしないので不意打ちが出来て、損耗させる事が出来ます、幕府はこれを聞いて熊本、薩摩に、
派兵を要請します、

そうなれば幕府の面子はまるつぶれです、後ろから100人で正面の兵に攻撃をしかけ、城方は一斉に攻撃すれば敵は支離滅裂となるので、城の外の兵と合流して用意していた千石船、
4船に乗り上方に行きます、私の工夫した船なら3日で大阪に行けます、大阪に着いたら大阪城を乗っ取ります、まさか大阪にくるとは思いませんので幕府はおろおろするはずです、

直ぐに大阪城に沢山ののぼり旗を掲げて、夜に全員城を抜けて船で京都に行き、京都所司代を襲撃して殲滅して京都御所に侵入して帝を手に入れるのです、そうすれば幕府は手も足、
もでません、幕府への非難が全国で沸き起こり、幕府の老中以下幹部を総て罷免するように突きつけるのです、幕府が要求をのんだら全員御所の庭で切腹して果てれば良いというと、

みんなが真っ青な顔をしています、それ程の覚悟がおありかと聞くと、その様な事考えた事もむありませんと言うので、これはあくまで幕府が無体な事をして改易に追い込んだ場合、
ですというと、我々はなんとおろかでしょう、村上殿ほどの覚悟もないのに過激な事ばかりやってしまいましたと言うので、わたしが言いたいのは内紛がもつとも幕府が喜ぶ事だと、
言う事です、

みすみす幕府のわなにかかってはいけません、英明な藩主を望む事は理解できますが、藩主だけでは藩は成り立たないのです、それを支える藩士が一丸となれば幕府と言えど、簡単、
には手が出せないと言う事ですよと言うと、肝に銘じました、これよりは物産会所に全面的に協力しますと言うので、頭取の遠山が喜ぶでしょう、これが上手く行けば実収入は倍に、
なり、

高鍋藩は6万石と言う事になります、上手く行くかどうかは皆さん方の協力にかかっているのです、武士、百姓、町人が飯を腹一杯食えるようにしょうじやありませんか、高鍋に住ん、
でよかったと言う国作りをしましょうというと、ハイと全員が言うので、女将もこの店に来てくれて良かった思われるもてなしが出来れば繁盛しますよと言うと、ハイ肝に命じます、
と言うので、

それではと言って杯を干したのです、三人はこれで失礼します、後の者にも今の話を言ってきかせ、全員が協力するようにしますと言うと、立ち上がり帰っていったのです、女将が、
お疲れ様でした、源三郎様の話しを聞いて胸が熱くなりましたと言うので、又心に迷いが出て違う道に走るのですよと笑うと、なんだか、本当に源三郎様に惚れそうですというので、
厭ですよ遠山と喧嘩するのはと苦笑いしたのです、

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