第11話

文字数 2,962文字


源三郎江戸日記11

柳沢様の通行手形なら持ち物を調べられることはないので、使い慣れた鉄砲を江戸より持ってきているだろう、まさか盗む奴はいないと思って馬小屋に荷物と一緒においてあるだろう、
馬小屋に忍び込み奴の鉄砲に仕掛けをすればよい、まさか弾がすでに詰まっているとは知らんだろう、その上から火薬を入れて弾をつめても発火するのと聞くと、いや火薬を入れて、
弾はその後にいれないと発火しないですよと言うので、

源信は炸裂弾をもっているので火薬ももっているはずだそれを使おうというと、火薬の量はわかりますよと言うので、これで準備万端だなと言って旅籠に戻ったのです、寝酒を飲み、
子作りにでも励むかと言うと、ハイとお峰が返事して行灯を消して、布団に入り激しく燃え上がったのです、翌日は宿場で馬を調達して箱根へ向つたのです、杉の木立の中を箱根山、
を登っていくと芦ノ湖が見えてきて、

茶屋で一休みしていると源信が傍に来て、黒田達は昨夜は箱根に逗留して朝早く関所を越えました、お蝶が後をつけています、私も後を追いかけますと言うと傍を離れたのです、それ、
では行くかと馬にまたがり関所を越えてゆっくり進んでいくと、源信とお蝶が戻って来て、ここから一里いくと、下り坂になっており右が谷川で左ががけになっています、奴らはがけ、
の上に丸太を10本ばかし担ぎ上げて縄で縛りつけています、縄を切れば一気に下に落ちる仕掛けで、

下を通る籠か馬に当たれば、谷川に落ちる事になります、狭い道なので隊列が延びて狙うのには、格好の場所です、奴らは仕掛けを作ると、見張りを残し、10町離れた山小屋にいます、
小田原から来たもの8名野党が10人で総勢18人です、この人数では行列は直接は襲わないでしょう、仕掛けをおとし、成果を確認したら三島方面へ逃走するつもりです、野党は材木を、
運ばす為に雇ったのだと思いますと言ったのです、

それでは行列が関所を抜けたら、見張りを倒して縄を切ろう、材木を落とせば、再び仕掛けはつくれまい、小屋に行き前後から一気に、襲いかかり半分も倒せば逃げさるだろうと言う、
と、それでは私はお蝶と裏手から、爆裂弾を投げつけます、二三人は吹き飛びますと言うので、それを合図にわしとお峰で、切りかかれば半分は倒せるというと、みんなが承知と頷、
いたのです、

上から材木を落としてもほとんどは谷川に落ちるはずだから、すぐに行列は通れるようになるはずだ、倒した者達はほうっておけばよいと言ったのです、それでは源信は箱根の関所を、
最前列が抜けたら教えてくれと言うと、その場所に徒歩で向かい、岩山の裏手から登って行くと見張りが二人下の街道を見張っています、杉の木の後ろに身を隠して待っていると、

源信が傍にきて今通過しました、後1ときでここにくるはずですと言うので、それでは源信は右の見張りをわしは左をやると言って、しずかに近づき後ろから肩を叩くと振り向いたので、
当身を食らわして気絶させたのです、それではきるぞと材木を抱えている綱を切ると、ゴロゴロと音がして材木が下に落ちたのです、ほとんどは道に落ちて転がり谷川に落ちていった、
のです、

下に人がいれば全員が谷川に落とされて命はなくなるなと言つて、これでよしと、それでは行くぞと言うと山小屋に向って裏手から行くと、音に気づいたのか仕掛けの場所に向って、
登ってくるところだったのです、源信とお蝶が破裂弾に火をつけて右横から投げると、大きな爆発音がして3人が吹き飛んだのです、いくぞと源三郎がお峰に声をかけて、正面から、
切り込むと、

あっと言うまに源三郎が3人を切り倒し、お峰も小太刀で3人の手を切り、ぎや~と声をたててそこに転がったのです、見張りも入れて都合11人が倒れて、残りは7人だなお前達の悪巧、
みは露見しており、綱はわしが切ったので、材木は総て谷川に落ちた、これで行列は無事に通過できるだろうと言うと、黒田がお前は戸塚であった村上源三郎か、一体何者だと聞く、
ので問答無用と切りかかると、

黒田が引け~と声を出して、三島方面へ逃げ去ったので、お前達も逃げないと役人につかまり首が獄門台に並ぶ事になるぞと言うと、よろよろと立ち上がり三島方面へ歩いていった、
のです、源信に賊は追い払ったと兄上に連絡してくれと言うと、承知と言って傍を離れたのです、それでは我々も三島に行こうといって馬を取りに行き騎馬で峠を降り、程なく三島、
に着き旅籠にわらじを脱いだのです、

その頃黒田は残った小田原道場の門弟にここから早くずらかるのだと金を渡すと、間道を小田原に向かい、黒田達は三島の飛脚問屋で手紙を受け取り、旅籠にわらじを脱いだのです、
手紙を見ると村上源三郎は堀内道場の師範代で、秋月藩の江戸留守居役村上源之丞の次男で部屋住みの無役だとの事である、黒田が奴は秋月藩士だ行列には加わっていないが、行列、
の露払い役をやっているのだ、

つなぎで知らせがこなかったのは、奴が同行しているのは知らないのだろう、あの仕掛けを見破るとは奴のほかに忍びも同行しているのだろうと言うと、小田原での出来事は奴はこち、
らを知っていて仕掛けたのかと山城がくそ~と唸ったのです、黒田がまあ邪魔する者が分かったのだ、今度は山城の出番だ鉄砲なら狙う場所は沢山あるだろう、どこかで籠を出て休息、
するはずだ、

時田秋月藩の山埼につなぎをとり明日の休息場所を聞いてくるのだ、先回りして狙撃場所を確保しようと言ったのです、時田あ奴は討ち取れるかと聞くと、中々の腕だがじんじょうな、
立会いなら大丈夫だ、どこかにおびきだして倒してやると言ったのです、その頃源三郎達は湯に入り一服していると源信が帰って来て、源一郎様にはお伝えしました、先ほど無事に、
本陣におつきになりましたよと言ったのです、

源信に鉄砲の細工を話すと、それは面白い引き金を引けば大怪我をしますねと言って、油紙に包んだ火薬を渡すと、お峰がこれだけあれば十分ですと受け取ったので、今夜細工するぞ、
と言うと、源信が奴らは上総屋と言う旅籠にとまっており、馬は裏の馬小屋に入れてあります、私達はこれからそこにわらじを脱ぎますとお蝶と出て行ったのです、夕餉が来たので、
お峰が酒を注ぐと、

源三郎がお峰に酌をして杯を重ねたのです、料理は刺し身の盛り合わせに煮物、味噌汁に香の物です、駿河湾の魚かと箸をつけて、コリコリしていて美味いぞと言うと、お峰も箸をつ、
けて、本当に美味いですと喜んだのです、箱根で逗留しなかったので温泉にはいれなかったのは残念だが、草津あたりで入れるだろうと言うと、楽しみですとお峰が言ったのです、その、
髪で女湯に入ると何か言われないかと聞くと、

じろじろ見られますが体についているものは女子ですから、何も言われませんよ、連れ添いが亡くなって髪を下ろしていると思っているのでしょうと言ったのです、それで髪は結える、
のかと聞くと、武家の妻女の髪は無理ですが、町家の娘の髪型なら少し短くても結えますといつたのです、切った髪は勿体なかったなと言うと、この方がさつぱりして気持ちいいの、
ですよと笑ったのです、

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