第43話

文字数 2,733文字


源三郎江戸日記43

夕餉の支度ができたというので部屋に行き膳の前に座ると、マグロは味噌にではなく、ネギと醤油煮です、お梅がマグロは味が濃いので味噌にには合いません、たまりしょうゆに砂糖を、
少しいれてネギと煮れば、美味しくなりますと言うのでなる程と言うと、後焼き物はカツオみたいに表面を焼けば美味しいのですと言うので、そうか、焼けばいいと言う訳ではないのだ、
なと言うと、

こんど料理を指南して差し上げますと笑ったのです、お峰が酒を注ぐのだ飲み干し、それでは頂きましょうと言って、マグロの煮物を食べると、なる程丁度いい味だな、美味しいという、
とみんなも食べて、これは美味しいですね、刺し身以外で食べるのは初めてですとお峰が言ったのです、これは見事なタイだな塩加減も丁度いいと言って、高鍋での話しをすると、そう、
ですか、

源三郎殿は5才から元服までお爺様に育ててもらいましたからね、懐かしい思い出だったでしょうと母上が喜んだのです、お峰もとても良いところでした、行った事はありませんが赤穂、
もあんな所だと思いますと言うと、それでは是非源三郎殿と一回おゆきなされと言ったのです、色々話しをして聞かせると、お律もいってみたいというので、そのうちに連れて行くよ、
と言うと喜んだのです、

母上が長旅で疲れたでしょう、今日はゆっくりお休みなされ、お峰殿も後片付けは無用ですと言うので、それでは休ませていただきますと二人で部屋に行ったのです、お峰が湯に行っ、
て来ますと言うので、ゆっくり入って来なさいというと、部屋を出て行ったのです、翌日は若狭屋に顔を出して裏の土蔵の一つをとりあえずの船の品物を保管するにに貸しくれるよう、
に頼むと、

店の者に中を片付けて掃除するように言いつけたので、佃沖に停泊している船まで、川船で深川に運び蔵にいれるようにと、七衛門に使いを出したのです、若狭屋に国元の話と、150石、
の扶持をもらい藩士に取り立てられた事を言うと、大喜びして、それでは高鍋藩の特産品の売り先を紹介しまよう、多くの大名屋敷の用人様は喜んで聞いてくださるはずですと紹介状、
を沢山書いてくれたのです、

越後屋にもわたしから頼んで起きます、新しい事の為に必要な金寸は用立てしますよと言うので、相模屋の話しをするとなる程敵の懐にはいれば、今後柳沢様の動きがわかるという事で、
すね、それは良いですね、両替商に関係する事もわかれば教えてくだされと言うので、勿論ですと言うと、しかし目出たいこれでちゃんとした婚礼があげられますね、お峰殿父上も大喜、
びされますよと言ったのです、

その儀は屋敷内では執り行うことはできません、隠し目付けなれば藩士を呼ぶわけには参らぬのですと言うと、ハイ心得ております、わたしの親類に本家の方々、奥田様のお身内を寮、
にお招きしてあげれば良いのですと言うので、宜しくお願いしますと言うと、それでは今月の大安吉日にしましょうと喜んだのです、ここの跡取りはどうなさるつもりでと聞くと、

出来ればお律殿に婿を迎えて、後をついで貰うのがいいのですが、武家に嫁ぎたいと言う事なら、この店の私の眼鏡にかなう者にやらせれば良いですよと言うので、若狭屋殿には外子、
はいないのでと聞くと、いましたが小さい頃なくなりまして、子供はお鶴殿一人なのです、源三郎殿にお子が二人できましたら、一人が後をついでくれれば嬉しいです、それまで、
わたしめが頑張りましょうと笑ったのです、

源三郎殿がそばめに生ませた子供でも良いですよと言って、すみませぬ、お峰殿の前で口が滑りましたというと、お峰がいいえ良いのです、子供は沢山いた方が家を長く続かせる事が、
出来るのです、父上にはそういう風に言い付かっていますと言うので、そういえばお峰殿には腹違いの弟がいなさるのですねと言うと、ハイ今はまだ7才ですが奥田家を継いでくれます、
ので父上も安堵しておりますよと言ったのです、

お峰が旦那様、もういるのでしょうと言うので、いる訳ないだろうやっとお峰を貰ったばかりだよと言うと、早くお作りなされましと言うので、そのうちになと笑ったのです、七衛門、
が顔を出して、玄海屋七衛門と申します、源三郎様には一方ならぬお世話になっていますと挨拶すると、おう七衛門殿か源三郎殿に聞きました、江戸での事なんでも聞いてくだされ、
後で町の旦那衆に紹介しましょう、

裏の土蔵は自由にお使いなされと言うので、有難う御座います、さすがに若狭屋さんの血を引いてなさる、源三郎様の知恵と策には舌を巻きますと言うと、自慢の孫殿でござる、なに、
とぞ良しなにと言ったのです、それでは早速荷を運び込みますと言うと、人足に指図して蔵に運びいれたのです、若狭屋がこの通りに空いているお店があります、比較的大きなお店で、
裏に蔵も3つ程あります、

持ち主に紹介状を書いてあげましょうと、紹介状を書いて渡したのです、七衛門が何からなまで恐れ入りますと受け取り店を出て行ったのです、若狭屋がしかしその船は大した物ですね、
たった4日で高鍋から江戸に着くとはと驚いていたのです、皆がまねをすると思いますので、これ以上に各大名の領地から江戸には荷がはいり、益々江戸の町は大きくなりますよと言うと、

近郊だけでは食べ物等は足りなくなり、火事の多い江戸は材木も沢山必要になります、国元からの距離が短くなるのは値も安くなり大変良い事ですね、大名や町人が豊かになれば若狭屋、
の家業も繁盛しますと喜んだのです、これより相模屋に顔を出してきます、七衛門が戻りましたら相模屋に顔を出すように言うて下されと、言うとお峰が私は寮に戻りますというので、
わかったと言って別れて相模屋に向かったのです、

相模屋のノレンをくぐり、村上源三郎だが主人はいるかと言うと、番頭が奥に行くと、相模屋が出てきて、これは源三郎様お戻りなされましたかどうぞと奥に案内したので部屋にし入り、
座ると、番頭にあれを持ってきなさいと言ったのです、番頭が1000両箱を担いできて目の前に置くので、なんだこれはと言うと、お借りした金寸にございます、どうぞおおさめをと言う、
ので、

用立てしたのは10両じあというと、利息をつけてお返しするのですと言うので、この金寸で何をしろと言うのだ、賂はいらんぞと言うと、何かを頼めば賂ですが、何もお頼みしませんの、
でただの利息と言う事になります、邪魔になる物ではありません、どうぞおおさめをと言うので、しかしこのような物を持ち帰れば母上に叱られるなと言うと、それでは私がお預かり、
いたしておきます、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み