第20話

文字数 2,910文字


源三郎江戸日記20

翌日は源一郎に訳を話し1日早く出立する事にして、千石船に乗り込むと、船頭の屋七に御座いますというので、世話になるぞと言うと、任しておくんさい高鍋への海路は庭みたいなもの、
ですと言ったのです、あの相模屋のマストの上が見える間隔で付いていきます、約一里と言うところです、敵にはこちらの船は見えませんと言うので、なるほどこの星は丸いので海で一里、
離れればマストの上くらいしか見えないわけだと言うと、

そういうことですというので、我々の住んでいる星が丸いとは船乗りはみんな知っているのかと言うと、お月様が丸いのですからこの星も丸いのでしょう、不思議なのはこれが空間に浮い、
ていると言う事と、なぜ海の水が落ちないかと言う事ですというので、星には重力と言う丸い星の中心に引っ張られる力があるのだ、だから上に載っているものは外にでないのだ、勿論、
人も同じ事だよと言うと、

それではお月様もですかと聞くので無論そうだが、月は自分で回転していないので我々は月の表しか見る事はできない、この星は自分で回転している24時で一回りするので12時で夜昼と、
変るわけだよと言うと、成る程それで真北にある北極星は動かないわけですね、だから方角がわかるわけだと言うので、昼はお天とう様が、東から西へ移動するので、方角がわかり夜は、
北極星の位置で北が分かるので方角が分かるわけだ、

火の本の国は蝦夷から九州まで東西へ細長くなっているので海岸線をたどれば西へ西へ行くことが出来る、海岸線がみえなくなればお天とう様か北極星で陸地の方角へ向ければ遭難する、
事はないのだろうと言うと、これは驚いた源三郎様は船乗りになれますねと船頭が言ったのです、この星の北と南の真ん中を赤道と言って一番お天とう様に近いので一年中熱いのだそ、
うだ、

和船は一枚帆なので風が後ろから吹けば外国船より随分早く走れるが外海はしけが多いので向いていない、外国線は帆が複数あり風の向きに進んでいけるから遠く西洋の国から日の本、
に来れるわけだ、幕府は外洋に出る事は禁止しているので帆は一枚しかはる事はできないが、一枚でも前に進めるぞと言うと、どうするんですかと聞くので風が前から吹くときには、

帆を斜めにはるのだその角度の調整で前に進める、斜めに5理いけば前に1理進むことになり、左斜めに5理行ったら今度は帆の角度を変えて右に5理行く、これを繰り返せば風が前から、
吹いても進める事になる、風町の為に港にはいる事はないのさ、多分大阪江戸は最短2日くらいでいけるだろう、又西から東に行く場合は日の本の陸地のそばの黒潮にのれば風がなく、
ても一時で2理は進めるので、

この方法とあわせれば、倍の速さで目的地に行く事が出来るはずだと言うと、これはすげ~やと屋七が感心したのです、そのうちに試してみよう、帆の角度を細かく、調整できるよう、
に斜めに木を打ちつけて、帆を縛る棒を取り付けてくれと言うと、ヘイわかりやしたと船子に言って改造を始めたのです、お峰が何処でそんな学問をと聞くので、玄庵先生の外国船の、
絵があったので思いついたのだよと言うと、

旦那様は何でも工夫が出来るのですねと言うと、屋七が奥方様源三郎様は将軍様お抱えの学者より上ですよと笑ったのです、屋七この船には竹は無いかと聞くとありますがと言うので、
孟宗竹を持って来てくれと頼み丁度弓の大きさに切らせ、弓を作り火であぶって弾力をつけて、紐をつけ、竹を細かく切り、竹を薄く削った羽の変わりにして矢の後ろにはめて、さあ、
出来たといって、

矢をつけて飛ばすと本物の弓と同じく100間は飛びます、なにをするのですかんとお峰が聞くので、源信炸裂弾をくれと言うと袋から出したので矢の前に縛りつけ火をつけてくれと言、
って火をつけさせ右の先の岩礁に放つと勢いよくとび岩礁に突き刺さっるとどか~んむと音がして岩礁が吹き飛んだのです、みんながすご~いと言うと、お峰が敵に気かれますよと言、
うので、

音だけで見えないから、何だか分からないよと笑い、外国船の大砲のかわりだ、矢を沢山作ってくれと船子に頼んだのです、屋七が何でも工夫なさるんだ、これでは誰も源三郎様には、
かないませんよと驚いたのです、もうそろそろ大阪湾を出て灘の関に入ります潮の流れが速くなりますというので、そろそろ源蔵が行動を起こすだろうと言うと、少し早くしましょう、
と帆を総て張ると、

早くなり相模屋の船が見えてきたのでこのままの間隔をと言うと、帆を少したたんだのです、相模屋の船では減助があいづすると、鉄砲の手入れに見せかけていた5人が立ち上がり、
浪人達5人に鉄砲を向けて、騒ぐなさわげば撃ち殺すと源蔵が言って、傍にいた船頭にお前もだと言うと、浪人の一人が何をするんだと言うので、みんな刀を下に置き後ろに下がれ、
というと、

刀を置いてさがったので、船子達が後ろ手に縛り猿轡を噛ませたのです、よし後は相模屋と浪人5人だと鉄砲の5人を先頭に船倉に降りていき、みんな動くな、刀を下に置き蹴飛ばす、
のだと言うと、相模屋が何をするんだと言うので源蔵が手ぬぐいを取ると、相模屋があ~つ、お前はムササビの源蔵と言うので、そうだこの者達はわしの手下だへたに動けば撃ち、
殺す、

甲板の浪人達は縛り上げてあるというと浪人達が刀を置いたので、相模屋を含めて縛り上げたのです、甲板に引きづりだすと、相模屋が俺がはめたわけではない、船手奉行の指図だ、
と言うと、柳沢もだろうと聞くと、そうだ、金はも抜荷の品も全部やる、命だけは助けてくれと言うので、いまさら遅いわ、全員撃ち殺せというと、手下が鉄砲を構えたので源蔵が、
放てというと、

ど~ん、ど~んと5発の銃声が聞こえ相模屋をはじめとして、数人が前のめりに倒れたのです、源蔵が相模屋にカツを入れると息を吹き返し、キヨトンとしているので、今のは空砲だ、
カツをいれてやれというと、手下が気を失った浪人にカツをいれると全員息を吹き着返し、仲には小便を流している奴もいます、命は助けてやる、柳沢に今度はお前の番だ、軍勢を、
率いてかかって来いというていたと伝えろというと、

全員を小船にのせて、小さい船だあまり動くと転覆するぞ、通りかかる船があれば助かるぞ、運がわるければフカのえさだむと言うと、小船を卸すと、11人も乗ったのですしづめ状態、
です、遠眼鏡で相模屋の船を見ると、縛り上げられた相模屋と船頭、浪人が小船に乗せられて海に降ろされたのです、船は帆を満杯にはり勢いよく遠ざかったのです、船が見えなくな、
ると、

小船に近づき帆をたたんで停止して、どうしたのだと聞くと、相模屋がムササビと言う盗賊に船を乗っ取られた、私は相模屋善衛門と申しますと言い、どちらのご家中でと聞くので、
何相模屋だと、この船は秋月藩の御用船だ、おまえだろう三島で殿を襲わせたのは、そんな者を助けるわけには行かん、フカのえさにでもなれというと帆をはれと言って、帆をはり、
灘の関へ進んで行くと、

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