第12話

文字数 2,861文字


源三郎江戸日記12

夕餉を済ませて酒を飲んでいるとお蝶が部屋に入って来て、黒田達は旅籠を出て宿場の女郎屋に入りましたというので、女郎屋なら暫くは出てこないだろう、お峰どの位の時で細工は、
出来るのだと聞くと、すぐに終りますというので、お蝶が馬が騒がないように人参をもって行きましょうというので、お峰が調理場に行き人参8本を貰って来たので、上総屋に向った、
のです、

裏手に回り馬小屋に入ると、馬がひひ~と鳴いたのでお蝶が中にいた馬5頭に人参をやるとおとなしくなりポリポリと人参を食べたので、傍においてあった筵に包んだ鉄砲を取り出して、
火薬を入れて弾を押し込むときつめですが鉄の棒で突き中に押し込んだのです、さかさに振っても出て着ません、これで大丈夫ですと筵に包みなおして荷物のそばに置いたので馬小屋、
を出たのです、

源信が奴らはあの女郎屋にいますと言うので、それから離れた居酒屋に入り4人でこ上がりに座って、酒と肴を頼みそれぞれに酒を注ぎ杯を重ねたのです、源三郎がまずは第一弾は大、
成功だ、明日は殿が籠から出て休息するところを狙い、引き金を引いて暴発し大怪我をして驚く事だろう、この際だその時を見計らって襲撃して黒田と時田を始末すれば、さすがの、
柳沢様も角を引っ込めるだろう、

懐には蜜書か秋月藩の大石一派への書付があるかも知れん、それを奪えばぐうの根も出まい、それが発覚しても柳沢様は握りつぶすだろうがと言うと、黒田達を始末してもお咎めなし、
と言う分けですねと源信が言うので、公にすれば自分の身が危ないので、病死で済ませるよよ、明日は一気に決着をつけようというと、みんなが頷いたのです、もし山城が生き残って、
役人に引き渡したとして、

奴がたくらみを自白すれば役人は仰天して柳沢様へ連絡するはずだ、そのような者は知らん、かってに処置せよと逃げるはずだと源三郎が言うと、お峰がトカゲの尻尾きりと言う事、
ですか、なんと汚いと酒を飲み干すので、権力者とはそんなものだよ、上様が幕閣の重臣を断罪すれば幕府の権威は失墜するので出来ないのだよと源三郎が言い、暫くしてそれでは、
旅籠に戻ろうと居酒屋を出たのです、

もう少しお峰と飲むかと言うと、お峰が調理場から酒と肴を貰ってきたので見るとイワシのまる焼きです、これはありがたいと酒を飲みイワシに箸をつけて、美味い、美味いと喜ん、
でいると、兄の源一郎が入って来て、今日はご苦労であった、話しをしたら殿が大喜びになり、高鍋に帰ったらお目通りを許されるとの事だと言うので、こまりましたね、頭も剃る、
のですかと聞くと、

いや浪人の格好でいいそうだ、隠密ゆえ姿かたちは変えるなとのおうせであったと言うので、それは良かったですというと、まつたく、宮使いがよほど嫌いとみえるなと笑うので、
酌をすると飲み干し、うまそうなイワシではないかと言うので、お峰が貰つてきますというと、頼む道中では出てこないからなと言ったのです、明日の鉄砲の件を話すと、そうか、
それではわしが影武者になり、

殿の格好をして籠にのり、殿には明日も騎馬隊に隠れてもらうというので、細工してあるので大丈夫ですがと言うと、敵が気づいて鉄砲を代えた時の用心だよと言うので、それでは、
心の臓は真ん中から少し左にありますので、この本を左の懐に入れてください、この厚さではこの本で弾は止まります、用心の為です、他の場所なら弾を取り出せば命は助かりま、
すと言うと、

わかった用心しょうと言うので、明日で決着をつけますと言うと、それがいいだろう、生かして置けば防御にも限りがあるからな、逃げようとしたら騎馬隊で囲んで殲滅する手はず、
をしておくと言ったのです、お峰がイワシを貰って来たので、久しぶりに兄上と酒を酌み交わすと、お峰がほんに仲がいいのですねと言うので、源三郎は腹違いの弟だが憎めない奴、
なんだよ、

小さい頃悪さするとこいつは逃げ足が速くて、いつも祖父に捕まるのはわしだったな、蔵に閉じ込められると、こいつが鍵を盗んで出してくれたので、何かいも逃げ出したのだよ、
わしは根がまじめじやが、こいつるは点心爛漫なんだな、羨ましいと酒を注いだので、兄上にはいつもかばって頂きましたよと酒を飲み干したのです、そろそろ行こうというと立、
あがり、明日は頼むぞと旅籠を出て行ったのです、

源信が入ってきて時田が本陣の山崎とつなぎを取りました、明日の休息場所を聞いたのだと思いますというので、何処だと聞くと昼餉を美保の松原の茶店で取るそうです、海が側、
から小船に潜んで狙撃するつもりでしよう、明日こちらは早舟とこぎ手を借りておきますと言うので、小船から狙撃して船で逃げるつもりだな、海なら逃げ道はないぞ、兄上に言、
って、こちらも鉄砲を用意しょうお峰頼むぞ、

もし逃れたら、追い詰めて上陸したら討とろうと言うと、逃しはしませんよとお峰が酌をしたのです、源信に兄上に頼んで密かにここにもってきてくれと頼むと、承知と言って部屋、
を出て行ったのです、暫くして筵に包んだ鉄砲を源信がもってきて、お峰に渡したので取り出して見ていましたが、これはまだ新しいですね、これさえあれば大丈夫ですと筵に包直、
して壁に置くと、

源信がそれではと部屋を出て行ったのです、翌日は行列より早く出立して美保の松原に向うと、源信が傍に来てこの道を迂回して奴らの前にでましょうと、迂回して海に出ると早船、
があるので乗り込み船底に身を隠すと、沖に出て行き漁をする振りをして砂浜を見ると、小船が茶店の少し斜めの砂浜に乗り上げてあります、多分船底に隠れているのでしょう、

暫くすると秋月藩の大名行列が進んできて、殿の籠が止まり殿に化けた源一郎が出てきて、台に腰掛けると、店主がお茶を持ってきて、賄い方が弁当を広げたのです、絶好の狙撃、
位置です、山城は小船から鉄砲の筒先が出して狙いを定めて引き金を濃くと、どか~んと音がするとぐわ~と声を出して山城が船から転げ落ちたのです、二人の男が小船をすぐに、
海にいれ沖に漕ぎ出したのです、

海に向って騎馬隊が走り、山城を見ると顔面から血を流してもだえているので、道中医師が傍に来て、これはひどい顔十に鉄片が刺さっていると言うと、藩士が後ろ手に手を縛り、
医師がやっとこで鉄片を抜くと、ギヤ~と悲鳴を上げていたのです、沖に出た小船から二人の侍が顔を出してそれを見ていたのです、お峰が銃を構え船の先に乗っている左胸を、
狙い狙撃すると、

ドカ~ンと音がしてその男はぐわ~と倒れたのです、もう一人の男は船倉に隠れてこぎ手に刀をつきつて陸地に行くように言つたので、船は陸地に向きを代えて進んだのです、残念、
ながら狙えませんとお峰が言うので、こぎ手にそれでは陸につけてくれと言うと、勢いよく砂浜に進んだのです、黒田の乗った小船は陸地に着くと、騎馬隊がとり囲んだのですが、
時田です、

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