第98話

文字数 2,696文字


源三郎江戸日記98

源三郎がこれで宜しいですか、それではお勝つ、ボタンを呼びましょうと言って、女将に頼むと女将が呼びに行き、二人が部屋に入って来たので、宜しく頼む、女将あちらの座敷の、
勘定は相模屋もちだと言うと、相模屋が勿論ですよ好きなものを頼んでください、二人には花代は弾むよと言うと、ありがとう御座いますと二人が頭を下げたのです、柳沢が筆と、
墨を出して、

これが紀州公と前田公への紹介状だと渡したので、ありがとう御座いますと受け取り、それではごゆっくりと立ち上がり部屋に戻ったのです、新之助が随分遅かったではないかと言、
うので、又もや大陰謀だよと訳を話すと、なんと、今回の討ち入り事件にはそんなおまけまであったのかと、みんなが驚いたのです、若狭屋に上杉の借財を聞くと8千両で時々利子、
は払ってくれますと言ったのです、

札差の件を話すと、江戸屋なら前田様の規模でも扱えますよと言うので、時期が来たら紹介を頼むと、大喜びで引き受けますよ、なんせ100万石ですからねと言って、タダ今までの、
腐れ縁が、家老あたりにあると思いますので、相当の抵抗がありますよと言うので、それを断ち切るいい機会でもあるわけですというと、前田公は英明な方です、筆頭家老の一門、
である前田行部が曲者だそうですと言ったのです、

天満屋とつるんで甘い汁を吸っているわけだ、源信、お蝶と呼ぶと、す~と現れたので、たまにはお前達も飲めと言って膳を用意させて、明日から前田様を探ってくれ、特に前田、
行部についてだと言うと、承知しましたと言ったのです、さあと源三郎が酌すると飲み干して、まさか、上杉に行くおつもりではと言うので、政種様が行けといわれるよと言うと、

若狭屋が時種様を救えるのは、源三郎殿しかいませんからなあと笑うので、天命と言うわけですよ、千坂兵部が敵に回らなければいいのだがと言うと、今回の一件で主席家老は辞、
めるしかないのではと、新之助が言うので、やめても隠然たる力をもっているだろうと言ったのです、翌日に高鍋藩上屋敷に行き政種の御座所に行くと、おう来たか実は待って、
おったのじあよ、

話は聞いたであろうと言うので、ハイそれでどうなされるおつもりでと聞くと、上様のお申し付けを断るわけにはいかんだろう、それでは上杉家の借財についてもご存知でと聞くと、
はっきりはわからんが、相当あるとは聞いておると言うので、わたくしが調べたところでは、およそ9万両の借財がありますと言うと、何9万両だと、それではとつくに財政破綻して、
いるではないか、

今どうやっているのだと聞くので、そのうちの2万両は紀州様、4万両は天満屋からの借財だそうで、それらは元金、利息は棚上げにしてもらっており、他の所も利息はとどこおり、
ぎみだそうです、綱紀殿の正室はお亡くなりになった、紀州公の娘子で、紀州公の正室は上様の娘子鶴姫様であったがどちらともお亡くなりになり今は8男の吉宗公が藩主で縁は、
薄くなっており、

返済を迫られるかもしれんな、しかし天満屋が4万両も貸付棚上げにしているのはなぜじあと聞くので、総て稲葉様の意向ですというと、今回稲葉殿が推挙したと聞くがと言うので、
そこでございます、時種様が上杉家の藩主におなり、暫くして天満屋が利息だけでもと、言ってくるはずです、当然払えませんので待ってくれと言えば、利息も払えないようでは、
評定所に訴えるしかないと言うでしょう、

しかたないので年貢の取り立ててを厳しくするしかなく、一揆が頻発する事になります、そこに紀州様が返せと言われたらもうどうする事もできません、そこで治世宜しからずと、
言う事で改易または厳封の厳しいお咎めがあり、ご実家である高鍋藩も改易にしょうと言う、稲葉様の企みに違いありませぬと言うとやはりそうか、そうでない限り我が藩如き、
小藩から養子を迎えるはずはないと言って、

時種聞いておったであろう出てまいれと言うと、フスマが空き時種が出て来て源三郎久しいのお、さすがわ隠し目付けじあよく調べたのお、大方そのような仕儀ではないかと思う、
ておったと言うので、さすがは若殿で御座います、何か良い手は御座りますかと聞くと、あらばそなたを呼びはしないよと言うので、そうで御座いますか、それではまず江戸藩邸、
からですねと言うと、

時種がまずは花鳥風月で集めた女共の始末からじあなと言うので、ハイどうやって放逐するかで御座いますと言うと、藩邸に入りわしの側室を選ぶので老女にそれぞれ推挙させる、
のじあ、さすれば沢山の者が集まるであろう、そこで選ばれし者を褒め上げて、美形な女子ならば嫁の貰い手は沢山あるだろうと、実家に帰せばよい、これで50人は減る事に、
なる、

相当の倹約になるであろうと言うので、お見事な策でありますと言うと、お世辞を言うなこんなことを考えるのはそちにとっては朝飯前であろうと笑ったので、これはまた潰れる、
藩の当主におなりになるのに陽気な事に御座りますなあと言うと、ばか言え、その潰れる藩に行くのはわし一人ではない、そなたも道連れじあと言うので、そんな無体なと言うと、
上杉が潰れれば高鍋藩も潰れるのじあ、

残っていても同じ事じあろと言うので、これは一本とられましたなと言って、二人で大笑いすると、政種があきれた者達じあ、わしの心配をよそに大笑いするとはと言うので、二人、
が申し訳御座りませぬと言うと、まあ良いわ、と言う事で源三郎付家老として上杉家に行ってくれ、家禄は1000石とする、150石では上杉の者共が言う事はきかんだろうと言うので、
それは表高にて、

実際は150石にて結構に御座いますと言うと、時種がまあ1000石は絵に描いた餅みたいなもんじあよと言うので、若殿も部屋ずみの時よりお変わりありませぬなあと言うと、お前も、
変わっておらんので安心したぞ、もう足をくずせ、わしも足がいたいと言うので、殿と言うと、崩せと言うのであぐらを組んだのです、政種が高鍋藩などおしくもなんともないわ、
潰しても構わんぞ、

こうなれば稲葉とその後ろ盾の天満屋を痛いめに会わしてやれ、助っ人はわしじあ、それでは出陣の祝い酒といこうと言うと、腰元を呼び笹の支度をせよと言ったのです、玉姫と、
腰元が膳を持ってきて並べ、昼間から宴席とは何が目出度いのですかと聞くので、時種がわしがこんど実家より5倍も大きい藩の藩主になる祝いじあと言うと、まあ、実際は高鍋、
藩より貧乏な藩で御座りましょうと言ったのです、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み