第108話

文字数 2,958文字


源三郎江戸日記108

どうだと聞くと全員が何もありませんと言うので、船頭大体500間すすんだら声をかけてくれと言うと、承知しましたと言って、声をかける事に火矢を打ち探すと、12本目で右に大きな、
船が座礁しています、約300間ですと言うので船を停止せて行ってみよう小船を降ろせといって、船子4人を乗せて持ってきた火矢を打ち方角を定めて漕いでいくと、船が座礁しており、
今にも半分に割れそうです、

誰かいるかと大声をだすと、甲板に15人が集まり手を振っているので、岩に降りて泳いで、くるのだと言うと、みんなが縄梯子を、降りたので源三郎は岩に乗り移り、まず5人を乗せて、
船に乗せて引き返して来いと言うと、ハイと言つて岩場を、はなれて船に向かい、往復して最後の5人を乗せて、岩場を離れると、バキバキバキと音がして船が真っ二つになり海に沈ん、
でいったのです、

危ないところだったな船頭は誰だと聞くと、ヘイ正吉と言いやすと言うので、みんな無事かと聞くと、2人の行方がわかりやせんと言うので、潮の流れは北へ、流れているがここまでに、
来る時に探したがいなかったので、海に沈んだのだろうと言うと、これだけ助けても、らいやしたのです、ありがとう御座いましたと言うので、なあにお互い様だと言って船に乗せて、
握り飯と茶を飲ませて、

どこの船だと聞くと、銭屋の船で蝦夷から大阪に荷を、運ぶ途中でしたと言うので、なぜ夜中に走ろうとしたのだと聞くと、大事な積荷があるとかで至急大阪に届けろと言われまして、
いままでも何度か夜走った事がありやすので大丈夫と、思ったんですが、やはり夜は無理でしたと言って、この船は星も隠れ気味なのに、夜走れるのでやすかと聞くので、方位がわか、
るように工夫してあるのだ、

その機械がなければ無理にきまっているだろう、この船は博多に行くので博多の銭屋に届けてやると言うと、船を失いやしたので暇を出されますよと言うので、それなら次の奉公先を、
探してやろう、知り合いの船が蝦夷と博多を往復しているその船に紹介してやろうと言うと、ありがとうごぜいやすと言ったのです、全員に寝酒をふるまい適当な場所でねるように言、
って毛布を渡したのです、

船は少し遅れましたが次の日の夕方には、博多に着き上陸して玄海屋の博多の出店に行くと、七衛門が前の船のしらせで博多に寄るという事でしたので、お待ちしていましたと座敷に、
案内したので座ると、お疲れでしょう湯がわいていますと言うので銘々湯に行きさっぱりしたのです、源蔵が顔を出したので海難事故の話をして船子と船頭を頼むと、蝦夷と大阪を走、
つていたのなら都合が良い引き受けようと言ったのです、

それでは行こうと源蔵が言うので中華料理屋に行くと丸い台が真ん中にあり料理が沢山並んでいます、お律がまあこの台は回るんですかと言って回して面白がっています、源蔵が回し、
て好きなものを皿にいれて食べるのですよと言うので、それぞれ皿に入れ紹興酒で乾杯したのです、お律が一口のんでなんですかこの酒はと言うので強い度数だからチビリ、チビリ、
飲むんだよと笑うと、

これが唐の酒ですかと言うので、今は清と言う国だそうだと言ったのです、お峰がしかしあの火矢はとても役にたちましたねと使い方を話すと、七衛門と源蔵がなるほどそれで夜の海、
を探したのですかと言うので、3里先に座礁していた、50本積んであるので、12里は探せると言う事だな、これ位探せれば事故も最小の犠牲で済むだろうと言うと、兄上は何でも直ぐに、
考え付くのですねと言うので、

あの炸裂弾は忍びの物だが、長く燃えるようにすればもっとよく探せるな、江戸に帰ったら源信に相談してみようと言うと、それがあれば島影も簡単に探せてさらに安全航行できます、
と七衛門が言うので、松明では直ぐ傍までしか照らせないからなあと源三郎が言ったのです、源蔵が銭屋は抜荷をつんでいたのだろう、長崎からの御用船より早く上方へもって行って、
売りさばくつもりだったのだな、

欲をかくから大損するわけだと言うので、金持ち程欲張りだからなあと源三郎が言ったのです、お峰がこの草履みたいな汁はなんですかと聞くと、七衛門がそれはフカのヒレですよと、
言うと一口食べて、なんとも言えない舌さわりですね、それにこのあんかけは美味しいと言うので、源蔵が清の皇后が大変好きな物だそうです、なんでもそれを食すれば朝には肌が、
つるつるになるそうですと言うと、

お律が本当ですかと言って箸をつけて黙々と食べるのでみんなが大笑いすると、何だかいい感じですとお律が言つたのです、七衛門たしか石巻ではフカが沢山上がり、かまぼこの材料、
にしてると聞いたぞ、そこのフカヒレはどうしているのだと言うと、そうですね、今度調べてこの料理が作れれば江戸で一儲け出来ますよと言ったのです、お峰がそんなに儲けて何に、
使うのですと聞くと、

七衛門がいざと言う時の軍資金ですよと言うので、鎖国でなければルソン当たりに攻め込むんだがと酒を飲み干すと、源蔵がそれは面白い大和にあきたらルソンにでも渡るかと言うの、
で七衛門が源三郎様軍船をしたてて行きましょうと言ったのです、お峰が他国を攻めるなどととんでもない事ですと言うので、ルソンはイスパニアに、ジアワはオランダに占領されて、
いるのじあ、それを解放して民を救うのじあよと言うと、

そうなのですか、それでは是非行きましょうと言うと、お律が私もつれていって、くださりませと言うので、ああ、みなでルソン、ジアワを解放して民を救おう、と杯を重ねたのです、
源蔵が南蛮船の者に聞くとそこの民は奴隷のようにこき使われているそうで、南蛮人どもは取れた穀物やコーヒーと言う大和ではお茶みたいな物だが、それを農場で作らせて南蛮に、
持ち帰るのだそうで御座る、

よくオランダとイスパニアは大和に攻め入らないのですねとお律が聞くと、様子を伺っているのだろう、大和は刀や槍てだけでなく鉄砲を数多く持っている事を知っておりしかも大和、
で作っている、清、ルソン、ジヤワは鉄砲は持っていないのだよ、源蔵が南蛮人は大和には新式の大砲と船の作り方は教えるな、教えると、あっと言う間に作ってしまうと恐れている、
との事です、

関が原では両軍あわせて2万丁の鉄砲があった事に驚き、さらに石田光成は国友村の鉄砲鍛冶に大砲を作らせて使っています、大阪冬の陣では国産の大砲を家康公は作り大阪城を砲撃、
しているのです、その後伊達正宗公は大型船をつくりイスパニアに派遣しています、ジヤワ、ルソンにいる兵は両国とも1000人足らずです、もし大和が本気になれば南蛮よりず~と近、
いので、

数万人を派遣出来、全員鉄砲ほもってせめかかられば壊滅します、遠い南蛮からの援軍は無理ですので、刺激しないようにしているのでしょうと言うので、信長公が最初に戦に鉄砲を、
使われ、全国に広がり多くの鉄砲が大和で作られるようになったのじあ、信長公が使われなければこんなに普及しなくて、オランダ、イスパニアに占領されていたかも知れんな、信長、
公に感謝しなくてはと言ったのです、

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