第75話

文字数 2,620文字


源三郎江戸日記75

翌日高鍋藩の上屋敷に行き殿の御座所に行くと、今日はお城に上がっていますと言うので、玉姫様にめどおりしたのです、源三郎さつそく懲らしめたのかと聞くので、ハイ昨日に本所、
に行きました処、間違いなく悪さをしている頭は本多利次様でした、顔面に拳骨を食らわしておきました、二度と本所には顔はださないでしょう、剣の腕は大した事はありませぬと言、
うと、

そうか父親が若年寄りなので、虎の衣を借りたキツネと言うわけじあな、早速父上に申し上げて例の策で私も懲らしめてやろうと言うと、実はと柳沢の近習頭とたばかった事を話し、
殿が不快になられるのではと心配しております、どんな罰でねお受けいたしますと言うと、相手が若年寄りの息子では父上に迷惑がかかると思うての事であろう、わたしから取成し、
ておこう、

お怒りにはなりますまいと笑うので、この事は内密にしておこうと思ったのですが、姫様の前では嘘はつけませぬと苦笑いすると、正直者じあなあと笑い、それでは私が茶を立て、
進ぜようと言って茶道具を用意させたので、申し訳御座いませぬが手前は作法を知りませぬというと、茶碗を持ち好きなように飲めば良いのじあと言って一服作って前においたので、

酒を飲むように右手で掴み、左手を添えて一気に飲み、懐の和紙を取れりだし茶碗の口の跡と自分の口を拭いて、前に茶碗を置き苦ごうござりますなあと言うと、すこし濃すぎたか、
と言い、わたしは茶の湯は下手なのじあと笑って、作法はそれで良いぞと言ったのです、そなたは南蛮のことは存じておるかと聞くので、少しはと言うと、長崎に出入りしている、
オランダとは何処にあるのじあと言うので、

紙と筆を貸してもらい、日本、朝鮮、中国、ルソン、インドシナ、シヤム、インド、アラブ、トルコ、フランス、エゲレス、イスバニア、オランダと大体の地図を描くとそんなに、
遠い国なのか、そこから長崎に来るのかと言うので、3千石位の船で何ヶ月も航海して来るのですというと、気が遠くなるような話しじあなと言うので、オランダ、イスパニアは、
最近勢いがなく、

エゲレスが勢いをましているそうです、このインドはエゲレスが占領しているとの事ですというと、わが国は鎖国していますが外の様子が分からないといけないので長崎は開けて、
あるのです、秋月家はもともと筑前の秋月より出たもので、長崎あたりは秋月家の領地だったのです、その頃はイスパニア、オランダと交易をしていたのですが、秀吉公の時代に、
島津に組して抵抗した為

秋月家は36万石から減封となり3万石で高鍋へ移封されたのですというと、大体の事は聞いておるがよく生き残ったものじあなと言うので、何事も運命にござります、これよりは、
改易されぬように幕府に隙をみせてはならないのですと言うと、私は嫁に行く身なれば父上をお守りできぬ、源三郎頼むぞと言うので承知いたしましたと頭を下げると、嫁に行く、
までは、

時々わたしの元に来て南蛮の事を話し聞かせてくれと言うので、殿に会いに来たときは必ずお寄りします、こんど南蛮のものがありましたらお持ちしましょうと言って姫の前を下、
がり屋敷を出て本所に様子を見に行ったのです、吉良家の屋敷に行き回りを歩いていると一人の武士が何をしているのだと聞くので、改修されたと聞きどんなもんだか見ているの、
で御座る、

お主はここの家人かと聞くと、そうだお主は赤穂の者かと聞くのでそうではないが、ここに打ち込むとしたら屋根には武者返しがないので梯子で簡単に登れる、飛び降りて木戸を、
あけて表門隊が乱入すると言う事だなというと、怪しい奴と言うと刀に手をかけたので、誰もが興味のある事でござろう、そんなに目くじら立てんでも良かろうというと、刀を抜、
き正眼に構えたのです、

源三郎は刀は抜かず、ほう中々の腕で御座るなと言うと間合いを縮めにかかるので、草履を脱ぎすこしづ後ろに下がり右足親指に石を挟み、動きを止め右足を後ろに引き打ち込み、
の姿勢を取りえ~いと声を出して足を振ると親指に挟んだ石がその男に向かって飛び右によけた時、右手に持っていたセンスを胸に投げるとパシ~と音がして当たったのです、
動きを止めて

手裏剣なら心の蔵に刺さりお陀仏でしたなと笑い、座興がすぎましたなと言うと男は刀を仕舞いセンスを拾い投げたので受け取り、草履も投てくださらんかなと言うと、草履も投、
げたので草履を履くと、吉良家家人、清水一学で御座ると言うので、高鍋藩士村上源三郎に御座ると言うと、高鍋藩は赤穂藩と係わりが御座るのかと聞くので、いや手前の興味で、
見に来たので御座ると言うと、

余計な事に首を突っ込まれない方が良いぞというと、きびすを返し屋敷に入っていったのです、後ろから鳥追いが旦那と声をかけるのでお蝶かと思ったら駒菊である、お前は何を、
しているのだと言うと、手を引いて近くの居酒屋に連れ込み、小上がりに上がり、まつたくからかうのが得意なんだからと言って、酒と肴を注文したのです、惚れた男の為に探り、
に来たのかと聞くと、

ハイと言って酌をするので杯を重ねると、奴は凄腕の持ち主だ疑われれば切り殺されるぞ、危ない事はよせ、お座敷で探るくらいが丁度良いだろうと言うと、遠くから見ている、
だけですよ、こんな居酒屋が意外と良いネタが入るもんですと笑ったのです、安兵衛とは情は通じているのかと聞くと、ええ、仕入れたネタをお茶屋で教えているんですと言う、
ので、

ほうどんなネタだと聞くと、あいつは清水一学と言う剣客で今回吉良の家老となった、上杉の馬周り役小林平八郎がつれてき浪人のまとめをやっているそうです、吉良の屋敷は、
およそ30の部屋があり真ん中あたりが吉良の寝所だそうです、そこに行くには武者溜まり通るしかなく、今は上杉から20人、浪人が20人詰めているそうですと言うので、凄いで、
はないか、

誰から仕入れたのだと言うと、まだ改修中で改修している大工に色気と金で聞きだしたんですよと言うので、身を任せたのかと聞くと、この体は惚れたお方の物です、身なんか、
任せませんよ、芸子は技をもっているのですと酒を飲み干したのです、そうか先にわしが手をつければ良かったなというと、そうなっていたら、焼けぽっくりに火はつかなかっ、
たわと言ったのです、

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