第19話

文字数 2,928文字


源三郎江戸日記19

これは柳沢様が頭の十文字左近へ依頼したのだそうだ、そこで、この三人にお前達が成りすますのだ、相模屋は十文字左近は知っているが、与力の中田と二人の同心は知らないはずだ、
今から相模屋に行き前々から目をつけていたムササビの手下が江戸を密かに出たので後をつける為に陸路にしたのだ、つけていたら気づいて小田原で船に乗ろうとしたので、捕らえ、
て小田原の町奉行所で拷問にかけて、

源蔵の居所をはかせたら、大阪の金蔵は襲うのが難しいので、相模屋の抜荷船を襲撃して脅かせば必ず、金蔵から運び出して船にのせ長崎に向うだろう、その途中の瀬戸内海で軍船、
4隻20人で取り囲み火矢で帆を焼き停止させて乗り移り皆殺しにして金を奪う計画だと分かったので、小田原藩から鉄砲5丁と藩士10人を借りた、急ぎ小田原から長崎行きの御用船、
にのり大阪に日暮れ後についのだ、御用船はそのまま長崎に向った、

一毛打尽にする為にこの10人に船子の格好をさせてある、今いる船子は降ろし、船頭だけにしろ、船頭が指示すれば船は動かせるだろう、後は浪人10人と相模屋を入れて都合24人と、
する、敵が見えたらすばやく帆を降ろし、隠れて至近距離に来たなら鉄砲にて銃撃すれば奴らは船に登れない、もし登ったとして、浪人10人と船子10人に我々3人は武士だ、盗人、
ごときは叩き潰してやると言うのだと言うと、

鉄砲はどおすると言うので、秋月藩蔵屋敷から借りてくる、源信兄上に事情を話し5丁の鉄砲と弾、火薬を借りてきてくれと言うと、承知と言って部屋を出たのです、お蝶に若狭屋の、
番頭を連れてきてくれと頼んだのです、ところでお前の手下に鉄砲は操作できるかと聞くと、大丈夫だというので、お前は面が割れているので小頭を与力の中田に化けさせろ、お前は、
小田原藩士に化けるのだ、

全員頭は剃って、船子に化ける為に手ぬぐいをかぶっているのだと言えばよい、そうすれば顔は隠せるだろうと言うと、わかった今から準備しょうと言うと、部屋を出て行ったのです、
程なく源信が借りてきました大八車に乗せてありますと言ったのです、若狭屋の番頭が来たので明日船は出航出来ないかと聞くと、繰り上げるのですねと言うので、そうだというと、
大丈夫です、

行きは船頭に船子と源三郎様一向のみです、帰りには高鍋の物産に米を積んで大阪に戻る事になっていますと言うので、相模屋の船が出たら気がつかれないように後をつけるのだと言、
うと、これから船頭に言ってきますと言って部屋を出て行ったのです、準備が出来たと皆が集まったので、見ると孫にも衣装です、中々似合うではないかと言うと、源蔵が小頭もこの、
二人も元は侍だと言うので、

成る程と言って、小頭がこの芝居の中心だから頼むよと言うと、まかしておいてくださいと言ったのです、大阪湾を出たら相模屋と浪人達に鉄砲を向けて、刀を取り上げて縄で縛り、
小船に乗せて放逐すればよい、しかし船頭がいないと船は動かんなと言うと、大丈夫だ10人は船頭をやっていた者と船に詳しい者を選んであるというので、さすがムササビ一党だな、

乗っ取った船はそのまま瀬戸内海を行きどこかの無人島に金と禁制品は一旦隠して、船は適当な場所で自沈させて証拠は隠滅するのだ、後はお前達が勝手にすればよい、わしは後を、
千石船で追いかける、何かあれば助っ人するぞと言うと、源蔵が心配するな俺達だけで大丈夫だと言うので、それでは行ってくれ、もし気づかれたら、そのまま制圧して相模屋を、
人質にして船を奪えばよいと言うと、

源蔵は承知と言うと旅籠を出て相模屋に向かったのです、小頭達は相模屋に行き戸をあけさせて、相模屋はいるか火盗改の与力中田一之助に同心の山本と本田だお頭十文字左近様、
の言いつけでムササビ捕縛に参ったというと、相模屋がこれはこれは中田様、陸路を向かわれたと聞きましたがと言うので、訳を話しこの者達は小田原藩の助っ人だと言うと、
まあお入りくださいと言うので、

わらじを脱いだのです、明日の段取りを話すと、分かりました鉄砲に助っ人13人のお武家様がいればムササビ等一毛打尽ですね、船出の用意は出来ております、しかし船子に化ける、
とはと驚いたのです、今日はゆつくりお休みください、酒の支度をさせましょうと女中に指図したのです、床下でこの様子を聞いていた源信は旅籠に戻り、上手く潜入しようです、
と言うので、

そうか仕掛けはりゆうりゆうだなと言うと、お峰が前祝といきましょうと下に降りて行き、女将に酒を頼んだのです、みんなで杯を傾けると、お峰が旦那様はほんに軍師ですねと言、
うので、お蝶がムササビの頭は源三郎様みたいですねと言うと、みんながドッと笑ったのです、我々は豊後から陸路は取らず、そのまま豊後水道を抜けて日向に向かおう、豊後水道、
は波が荒いので船酔いするかもしれんなと言ったのです、

おそらく兄上達よりも4日は早くつけるだろうと言うと、帰りはとお峰が聞くので、黒潮と言う海の道を通れば風がなくても船は進むので、大阪まではあっと言う間に着くが、帰り、
は長崎に寄るので陸路を薩摩から肥後を抜けて肥前長崎に行き、博多から船に乗り玄界灘を通り瀬戸内海と言う事だなと言うと、日向には何日逗留するのですかと聞くので、兄上、
に聞かないとわからんと答えたのです、

さて明日は早い旅立ちとなるので休むとするかと言うと、源蔵とお蝶がそれではお休みなされませと部屋を出て行ったのです、その頃相模屋は中田に化けた小頭に、よく来て下さい、
ました、大阪の町奉行は何の助けにもなりませんと言うので、わが身可愛いと言う、腰抜け武士そろいだろうと笑うと、本当にその通りでございます、ムササビを殲滅したあかつき、
にはそれ相応のお礼をしますと言うので、

火盗改めも台所は火の車なのだ、お頭がお喜びになるだろうと言うと、柳沢様に言うて十文字様を町奉行に推挙して頂きましょう、中田様が火盗改の頭になれば良いですよと言うと、
そうか柳沢様が推挙して下さるか、それなら手柄を立てなければなあと、相模屋に酌をすると恐れ入ります、これから先はこの相模屋を頼りになされましと言うので、よしなに頼む、
と言ったのです、

暫くすると明日は早い出立だ休むとしょうと言うと、あちらに寝間の用意がと言うので、ここでよい、運命をともにする身ゆえフトン何度に寝ている場合ではないだろう、これは、
戦ぞ、かける物があればよいぞ、相模屋気使いは無用じあと言うと、恐れ入りましたそれではお休みなされましと部屋を出て行ったのです、小頭が頭こんなもんでいいですかと言、
うと、

上出来だな奴はすっかり信用しおったと言うと、しかしあの源三郎と言うお方はすごい人ですねと言うので、剣の立会いでは一度も勝った事がない、そんなに強いとは思わないが、
勝てないのだよと言うと、無手勝つ流と言うわけですかと言うと、まあ味方にすれば千人力だが敵にすれば恐ろしい奴と言うことだ、明日も頼むぞと源蔵が言うと、ハイまかして、
おいて下さいといったのです、

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