第81話

文字数 2,876文字


源三郎江戸日記81

まつたくお前は何を考えるかわからんなと言ったのです、暫くして三蔵が柳沢からの返事をもって帰ってきたので、見ると、まつたく天下の奇策なり、上様は生き物を大事にせよと、
言われているだけだが、こうなる事は予測等しておられなかったのじあ、こんな事で改易など、なされる訳はないが、大名供はそう思うてはおらんだろう、ご老公に人肌縫いでもら、
おう、しかしこの令は取り下げるわけには行かぬ、

一旦幕府が出した令を引っ込めれば、幕府の威光にキズがつき世の乱れの元となる、紹介状はしたためておくと、書いてあったのです、大八車に箱を乗せて、三蔵と下っ引きに引かせて、
水戸藩の上屋敷に行き柳沢の紹介状をみせてご老公への面談を求めると、その箱はと聞くので、ご老公に直接渡したいと言うと、庭に回られよといって案内したので付いていき、待つて、
いると、

ご老公が現れて、柳沢のキツネが何の用じあと言うので、高鍋藩士村上源三郎と申します、柳沢様にご老公との面談を頼んだので御座いますと言うと、して何の用じあと聞くので生類、
哀れみの令により民は難渋しております、法の中身は良い事で御座いますが、公方様直々のお達しなれば、厳罰に処せられる者も出て来ております、罰則を従来にもどさなければなり、
ません、

ここに犬の皮三枚を持参いたしました、犬を殺して得たものではありませぬ、寿命がつきた犬から得たもので御座います、綺麗に消毒して御座います、これを公方様に水戸様からご献上、
して頂きたいので御座いますと言うと、何犬の毛皮じあと何と大胆な事をと驚き、見せよというので一枚を取り出して見せると、ほう、中々暖かそうではないかといい、これで公方様に、
皮肉を言えと言う事じあな、

天下の副将軍と言われているわしじあ、公方様といえどもわしを罰する事は出来ぬので、これを知った大名や奉行共が胸をなでおろして、従来の刑罰にもどし、大名はこれで改易になど、
ならない事がわかるのじあなと言うので、ご賢察のとおりに御座います、柳沢め奴も公方様を止められなかったわけかと笑ったのです、よしわかったわしから献上して諌めよう、高鍋藩、
と言えば秋月政種殿じあな、

政種殿の言いつけかと聞くので、滅そうもありませぬそれがしの独断で御座います、お咎めはそれがし一人にお願い申しあげますと言うと、中々の策じあ、これよりはいつでも会いに来、
い、遠慮はいらぬと言うので、お願いを聞き届けてくださりありがとうござります、これはハムと言う山クジラを工夫したものでございますと言って渡すと、手にとって食べようとする、
ので、

まずは毒見をと言って半分に割り片方を食べたのです、ご老公が食べてなかなかの食感じあな、美味いではないかと言うので、用人に渡したのです、水戸様のご領内でも山クジラは取れ、
ると思います、これはこのハムを作る方法にござりますと書付を渡すと、ほう、教えてくれるのか、国にもどったら早速作る事にしょう、中々の知恵者とみた、南蛮の文献は西山荘に、
沢山あるので、

尋ねて来るがよいと言うので、必ずお尋ねしますと言うと、明日にでも公方様に届けようと言うと、傍を離れたので、用人に箱を引き渡し、屋敷を出て深川に戻ったのです、これで元に、
戻る事だろうと新之助達と杯を重ねたのです、駒菊が傍に来て座ったので新之助が酌をすると飲み干したので、どうだ探索の様子はときくと、特段動きはなく、人数も増えてはおりま、
せん、

吉良屋敷の表門の真向かいに赤穂藩士前原様が米屋をお開きになり、吉良へ出入りする事が出来るようになったそうです、そうか40人と吉良の家人、女をいれて100人になるので多くの、
米、野菜がいるだろうと言うと、門の直ぐなかまでしか入れてくれないそうで、そこで家人に引き渡すそうで、中の様子は良くわからないようです、清吉が改修している時人足がいた、
そうですが、

帯びの結び目から川越の人足だと言ってました、川越人足は帯びの結びが独特なんだそうですと言うので、わざわざ川越から連れて来たとなると、何か秘密の事をやらせる為なのだな、
というと、朝餉と夕餉には顔をみせるのだそうですが、その間は何をしているのかわからなかったそうですと言うので、吉良の寝所の様子はと聞くと、清吉の話では床の間の掛け軸の、
うしろは周り戸になっており、

あけると階段になっており床下に降りられるそうです、いざと言うときに床下から逃げるのだと言っていましたと言うので、しかし、打ち込まれたら床下から外に出ても表門と裏門は、
かためられているので出る事はできん、かの老人では塀は乗り越えられないだろう、とすると床下から抜け穴を掘り何処かにでれるようにするはずだ、寝所の周りの様子はと聞くと、
懐から大体の絵図面を出して、

ここが寝所でここには物置と墨小屋があるそうですと言うので、そこまでが約5間だそうですと言うので、そこの床下から抜け穴を掘っているのだろう、そのための人足なのだよ、掘り、
起こした土は俵につめて何処かに置いてあるはずだがと言うと、あした清吉に聞いてみますというので、墨小屋か物置に隠れてもそのうち見つかるだろう、そこから塀の下を掘り塀の、
外に出るようにして、

この道を横切り隅田川の土手にでて、船で隅田川をわたり日本橋川を行けば外堀にでて、桜田門の上杉上屋敷に行く事ができる、約1時でつけるな、吉良が無事だとわかれば、上杉家、
から応援を出すだろう、そうなれば討ち入りは失敗となる、多分この屋敷の近辺に船着場作くってあり、小船が常時とめてあるはずだと言うので、駒菊が安兵衛様に言うて、その抜け、
穴の出口を捜し、

塞いでもらいましょうと言うので、毎月1回は点検しているだろうから今塞げば気づかれて、違うところに又抜け穴を作るだろう、知らん顔をしておき、討ち入りの日に塞ぐしかない、
というと、そうですね安兵衛様にそういいます、やはり旦那に言って良かったと駒菊が言ったのです、明日は深川から隅田川をさかのぼりそれとなく調べてみようと言ったのです、

どうだやや子はと聞くと、はつきりしませんが、どうやら出来たみたいで、時々吐き気がします、一月経つて下り物がなければはっきりしますと言うので、それなら無理な動きはするな、
よというと、ハイと言うので、このイワシは子供の骨を作るのにとても良いそうだ、おみよイワシを駒菊に食わしてやれと言うと、ハイと返事したのです、イワシを3匹持ってきておま、
けしときましたと言ったのです、

翌日水戸光圀は用人にこれを上様に献上せよというと、そのような事をすれば我が藩にお咎めが御座いますというので、わしを罰する事など出来るものか、民を守る為だ言うとおりに、
せよと言うので、承知しましたと返事して登城して水戸光圀様からの献上品ですと引き渡したのです、これを受けて御座所に運び込まれ、綱吉がほう老公からの献上品とは珍しい、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み