第74話

文字数 2,842文字


源三郎江戸日記74

やつらは芸者を呼んだのかと聞くと、ハイ、でも置屋にあいつらの席と聞いて断られているのですよ、その内暴れだしますと言うので、なる程というと、女将が入ってきて本所の、
置屋は奴らがいるのでと断られましたと言うので、仕方ない暫く女将が相手してくれというと、お武家様はと聞くので柳沢様の手のものだ、奴らの悪さを検分しに来たのだ私に、
まかせておけ、

二度とこの界隈で悪さしないように追い払ってやる、奴の親父が柳沢様に文句言えるはずがない、そんな事したらえらい事になる、多分親父は知らないのだろうと言うと、さいです、
かそうなれば安心して商い出来ますと言ったのです、なにやら隣が騒がしくなって女中が部屋に入って来て、なぜ芸者がこないのかと騒いでいますと言うので、よしわしが行こうと、
言って部屋を出て、

そいつらの部屋のフスマを開けて、すこしは静かにしろお前達のお陰で芸者もこないではないかと言うと、何~なんだお前はと言うので、お前達こそ、たかりかと言うと、無礼な、
奴この方は若年寄り本多様の次男だぞ、無礼をするとただでは置かんぞと言うので、うるさいと拳骨を食らわすと、ふつ飛んで転がったのです、4人が立ち上がり刀を抜いたので、
やめとけ怪我するぞと言うと、

前の男が切りかかつたので横によけて、抜く手もみせず切り下げると帯がパシ~と切れたのです、ばかめと言って右左に切り裂くとぎや~と声がして3人は手を押さえて刀を落とし、
たのです、浅くしか切っておらんと言って、後はお前一人だなと言うと、おのれと切りかかって来たがへつぴり腰なので、左にかわして拳骨で顔を打つとぎや~と言ってひつくり、
返ったのです、

俺は柳沢家、近習頭村上源三郎だ文句があるならお前の親父にいつでも相手になってやると言うのだ、本多家の断絶は間違いないなというと、5人がはいつくばったので女将にさらし、
を持ってきてくれと頼み、3人の腕を止血して大した傷ではないと言うと、お前達の親父は知らないのであろうと言うと、ハイと言うので、知られればお前たちは全員勘当だなという、
と、

黙っています、これから深川には足を踏み入れるなもし見かけたらその首はないと思え、さらにお前達の家は断絶となると言うと、ハハ~と頭を下げるので金を全部出すのだ、お前、
達が踏み倒した店に払うのだと言うと、みんなが出すと5両4分しかありません、なんだこれでも旗本かと言うと、全員部屋住みの身分ですというので、とつとと出て行くのだと言う、
と、

慌てて料理屋を出て行ったのです、4人に驚いたな父上に言われたら本当に勘当になると本多利次が言うと、我々も同じですと言うので、仕方ない話すしかないな、相手は柳沢様の、
近習頭だぞ黙っているはずがないと言ったのです、源三郎は女将にあいつらはこれしか持っていなかった,仕方ないのでわしが25両だそう、これで30両4分だ踏み倒されたものを聞、
いて渡してくれと言うと、

頂いてよろしいんですかと言うので、後で本多家から金寸を持ってくるだろう、それもあわせて受け取り迷惑をかけた町衆に公平に分けてくれと言うと、ハイ有難う御座います役人、
は何もしてくれないので、諦めていたのですがさすがに柳沢様家中ですね、見直しましたと言うので、隅々までは目が中々行き届かなくて済まんのおと言うと、いいえ村上様のお陰、
ですと頭を下げたのです、

料理屋を出て深川に戻り料理屋に入って事の一部始終をしたため女将に柳沢様の用人に渡してくれと頼むと、ハイと受け取り部屋を出て行ったのです、七衛門とお勝つ、ボタン、
あやめを呼んでくれと女中に頼み待っていると、七衛門が現れ何かありましたかと聞くので、色々災難はふって来るんだよと理由を話すと、なるほど柳沢様の近習頭ですか、
まあそんなようなもんですから良いではないですかと言うので、

さすがに政種様の家臣とは言えなかったよ、へんなところで迷惑がかかるかも知れんのでなと言うと、それは懸命ですねと言うので、殿がわしはそんなに頼りがないのかと傷つか、
れても困るなあ、柳沢様に内密にしてもらうしかあるまいが、なんだか、むなくそ悪いなあと言うと、七衛門が酌をして相手が若年寄りだと柳沢位の権力がないと、逆恨みされる、
おそれがあります、

一番良い方法だったのですよ、柳沢様はそんな事では恩に着せないでしょう、幕閣の幹部の息子の不始末なのですからと言うので、七衛門にそう言うてもらうと、気が楽になると、
言ったのです、お勝つとボタンにあやめが入って来たので、駒菊はよばなかったがと聞くと、駒菊は本所の座敷に出ていますよ、何かあったのか、本所の置屋が今日は芸子が、
足りないと言っているそうで、

何でも悪い奴らが柳沢様の家臣に退治されたそうで、料理屋に本所界隈の旦那衆が集まり芸子を総揚げしているんだそうです、深川、日本橋からも芸子を呼んでいるそうですと言、
うので、七衛門がその訳を話すと、な~んだ源三郎様だったのですか、でもなぜ柳沢様の家臣だなんて名乗ったのですかと聞くので、相手は若年寄りのどら息子達だ権力が物を言、
うだろう、

叩き潰すのはわけないがさか恨みされるのは厭だから、権力者の家臣だと名乗ったのだよと言うと、それでは柳沢様は善玉と宣伝しているようなもんじや無いですかと言うので、
仕方ないだろうと苦笑いして、駒菊は喜んで本所に行っただろうと言うと、ええ、本所の仕事があったら全部回してくれと言っていましたと言うので、安兵衛の手助けをする積り、
なんだよと言うと、

お勝つがそうかよりが戻ったので、惚れた男の為人肌脱ぐのか羨ましいと言ったのです、私も赤穂の浪人に惚れて一肌も二肌も脱ぎたいわとボタンが言うので、しかしもし討ち入、
る事になると、悲しい別れが来るんだぞと言うと、そうね、後を追って死にたくなったらまずいかと酒を飲み干したのです、このところ七衛門に散在させて済まんなというと、何、
を申されます、

預かっている金寸は莫大なものですよ、どんどん使っても減りやしませんよと笑うので、そうか預けてあった金寸があったのだ、忘れていたよと言うと、手前がしっかり管理して、
おります、そばめなら何人でも囲えますよと言うので、お峰は感が鋭いからなあと言うと、七衛門がお峰様は文句等いいませんよと言うので、それが怖いだろうと言うと、女将が、
源三郎様も怖い人がいるんですねと言うので、

いるさまずは本家の母上だろう、それに高鍋の祖母、あとはお峰じあなと言うと、お鶴様はと言うので、少しだけだなと言うと、あやめが女子ばかりですねと笑うので、何と言う、
ても女難の相があるらしいからなあと言うと、お勝つが誰にでも優しくするとそうなるのですというので、仕方ないだろう、女子に泣かれるとどうしていいかわからんからなあと、
言ったのです、

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