第10話

文字数 2,896文字


源三郎江戸日記10

側用人から川越10万石の大名に出世なされて、いまや老中職だ、わしは元々旗本だったのだが大名になられた時家臣になったのだ、この仕事がうまくいけば500石の加増で又旗本に戻り、
町奉行にしてくださるそうだ、お前達も旗本の御家人に取り立ててくださるとの事だしっかり励めよと言うと、時田が小手調べと言う事でござるな、命を掛けて奉公いたしますと言った、
のです、

翌日は何事もなく小田原宿に入ったのです、行列も無事に小田原の本陣にはいり、源三郎とお峰は旅籠に入り湯につかり夕餉を取り一服していると、お蝶が入ってきて黒田達は小田原、
城下の津山一心斎と言う一刀流の道場の門弟5人の総勢8人で箱根へ向いました、やはり箱根峠で何かをやるつもりと思います、源信殿が後をつけています、わたしも後を追いかけます、
多分箱根に逗留して、

野党共とつなぎをとるのでしょうと言うと部屋を出て行ったのです、源三郎が我々は行列を離れるわけにはいかんので、明日箱根で落ち合おう、事を起こすとすれば箱根の関所前では、
なく関所を出た所と三島への峠のくだり道だろう、源信のつなぎを待とうといって、それでは町中でも見物しょうとお峰と連れ立って町に出たのです、この宿場もにぎわっています、

飛脚問屋に顔を出すと、山田からの手紙が届いており受け取って居酒屋に行きこ上がりに席をとり、酒と肴を頼み酒が来たので杯を重ね手紙を開けると、江戸は平穏で母上と律も健、
やかに暮らしていると書いてあり、昨日堀内道場の同門である、中山安兵衛が伊予西条藩の菅野六郎左衛門の助太刀をして、村上庄左衛門らを討ち取ったと書いてあり、江戸の瓦版、
では安兵衛の18人切りとして有名になっていると書いてあったのです、

お峰が決闘あいてが村上庄左衛門とありますがご親類と聞くので、伊予西条藩の家来と言う事だが我が家とは関係ないよと言って、18人も切れるはずがない、瓦版もいい加減な事を、
書くもんだと言うと、同門ならば旦那様は親しいのですかと聞くので、中々の腕前で同じ師範代を勤めており、腕は互角と言うところだろう、越後の浪人だそうだが菅野と言う叔父、
がいるとはしらなかった、

そう親しい付き合いをしているのではないが、酒好きのいい奴だと言うと、この評判で仕官もできますねと言うので、そうだろうがあいつに宮使いができるだろうか、奴は小石川あ、
たりでは喧嘩安と異名をとるほど酒好きでことあらば、酒を飲んで暴れているとの事だがと言うと、喧嘩は別にして旦那様と似ておりますねと言うとので、そんなに酒好きではない、
よと言うと、

旦那様は酒と女好きで、とても宮使いはできないのでしょうとお峰が笑ったのです、そなたの父上も堀内道場の四天王の一人だろうと言うと、旦那様の頭を使う剣にはとても太刀打ち、
できないと申しておりますよと言うので、養父の剣は鋭く頭を使わなくてはとても太刀打ちできないよと酒を飲み干したのです、柳沢様の件は何も書いていないので、特段動きはない、
のだろうと言って、

追伸を読むと黒田の供をしている時田は千葉道場の師範代で山城は剣のうではそれ程ではないが、火縄銃の名手だそうだご油断めそれるなと書いてあつたのて、成る程それで同行させ、
ているのか、どこかで殿を狙撃するつもりだな、何か工夫をしなくてはと言って、そうだ源信は火薬にも詳しいので、火縄銃にも通じているだろう、後で策を練ろうというと、私も、
いささか火縄銃にはたけておりますと言うので、

どうしてだと聞くと、父上は江戸留守居役の前は鉄砲組頭だったので、火縄銃は何回も撃つた事があります、腕もそこそこですよと言うので、その火縄銃を暴発させる事はできない、
ものかなと聞くと、一つは火薬の量を二倍にする事です、そうすれば火縄の点火穴より火の玉が噴出して打ち手は顔や頭に火傷を負うか最悪は鉄心が破裂して大怪我をします、もう、
一つは、

弾は銃口より小さいですが、この弾を大きめにして無理やり銃口に詰め込み引き金を引き火薬に点火すれば間違いなく銃口が破裂します、鉛の玉はやわらかいですから少し大きめで、
も押し込む事ができますと言い、鉛は火に溶けやすくてかたまり易いのです、染料には鉛が含まれています、鉛を入れると色が鮮やかになるそうで、紅や白粉にも含まれているそう、
ですが、

あまり濃い化粧を続けると鉛の毒に徐々に犯されるそうですので、濃い化粧はしないほう良いそうですが、女子はそうはいきませんねと笑つたのです、なるほどお峰は化粧しなくても、
美形なのでしなくていいぞと言うと、まあ、本当ですか相変わらずお口も上手ですねと酌をしたのです、弾はどうやって作るのだと言うと、銃口の大きさの器を粘土で作り溶かした、
鉛を流し込むと、

すぐに固まります取り出してやすりで綺麗に削り丸くするのです、銃口より小さければ少しぐらいばらつきがあっても大丈夫なのですというので、それでは染料やで鉛を分けてもら、
おうと居酒屋の亭主に染料屋がないか聞くと、この通りのはずれに一件あり、反物を染めているだと言うので、居酒屋を出て店に向かい、主人に少し鉛を分けてくれるように言うと、
何にお使いになるのでと聞くので、

腰に巻く鎖を作りたいのだ、これから西国に行くので剣の戦いで腰紐を切られると、着物がまつわりついて力が発揮できないからな、鉛なら簡単に作れるだろうと言うと、ハイ鍛冶、
屋に行けば簡単に作ってくれます、鉛も持っていますよと言うので鍛冶屋を聞くと二件となりですというので、わしは手先が器用なのだと言うと、それではと奥からこぶし大の鉛を、
持ってきて、

これ位あれば胴回りの鎖くらいできますよ、溶かすやっとこと型を作る粘土もお渡ししましょうと、渡して、自分で作るとはお武家様も変わっていますねと笑うので、いかほどだと、
聞くと2分も貰えば結構ですと言うので2分銀二枚を渡して、そこにある鉄の棒も一緒にくれと言うと、この棒を溶かして作るのは至難の業ですよと言うので、鍛冶屋にやり方を聞い、
てみよう、鉄の方が丈夫だからなと言ったのです、

それではあの小屋の中で作ろうと廃屋の中に入り火をおこして、お峰に弾の大きさはわかるか聞くと、何回も作った事がありますと粘土に指でくぼみを連れて、庭にあった水貯めから、
水を汲んできて指を濡らして丸い穴にして日にあぶるとすぐに乾いたので、これでいいですよと言うのでやっとこに丸いおわんがついた鉄の中に鉛を入れて火にかけるとすぐに溶けた、
ので、

すばやく粘土に流し込むとすぐに固まるので、裏返しにして土のうえに落として、10個ほど作ったのです、本来はこれを鑢で削って銃口より小さくするのですが、今回は暴発させる為、
なのでこれを直接銃口にいれてこの鉄の棒で押し込めば奥まで入るはずですというので、火を消して鉛と道具は地中に埋めて、小屋を出たのです、どうやって仕込むのと聞くので奴は、
馬の背に鉄砲を積んでいるはずだ、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み