第97話

文字数 2,697文字


源三郎江戸日記97

相模屋は上杉の借財がいくら位か、知っているかと聞くと、噂では紀州様より2万両、天満屋より4万両、私も8千両は用立てしています、後若狭屋さんに、他を含めて2万両くらいで、
しめて9万両はくだらないでしょう、しかし、紀州公と天満屋は、催促はしていないとの事です、他の借財の返済はと聞くと、利息はとどこおりきみですが少しは払ってくださります、
と言うので、

それだ、天満屋は利息くらいは払えと言うつもりです、紀州公は前藩主はおなくなりになり、鶴姫様もなくなっいます、縁が薄くなっていますので、今の藩主吉宗公は返済を迫られ、
るでしょう、いままで通りに行きませぬ、払う為に年貢の取立てを厳しくすれば、一揆が起こり、天満屋が利息も払わないと評定所に訴えれば、治世不行き届きで改易か厳封にする、
つもりだなと言うと、

柳沢がなる程それで上様に評価を得ようと言う腹かと柳沢が言うので、断ることはできませぬのですかと聞くと、上様の申し付けじあ断れんだろうと言うので、まつたく、とんでも、
ない災難で御座ると言うと、時種は喜んでいるそうだと言うので、それは3千石から15万石の藩主です、実態をしら無ければ喜びますと言うと、それなら何か知恵を出すしかないなと、
言うので、

考えてみましょうと言うと、その顔つきは方策があるのじあろうと言うので、まあ、ない事もありませぬが、問題はどうやって稲葉様を懲らしめるかですというと、そうかそれはさて、
おきと言うので、まだ何かと聞くと、実はこんどは相模屋へ災いが降りかかろうとしているのじあと言うと、相模屋が印旛沼干拓の件を話したので、それはまずいです、あそこは湧き、
水ですので、

水を抜いて埋め立ては出来ませぬ、10万両使っても成功などしませぬと言うと、しかし、断れんのです、何とかならないでしょうかと言うので、まいったなあ、一番まずい場所では、
ないですかと言うと、源三郎様でも無理ですか、5万両をドブに捨てて撤退して天満屋に引き継ぐしかないですかと言うので、天満屋が後を引き継ぐわけはありませぬ、上様に稲葉様、
が後20万両はかかるので、

幕府が10万両は出さねばなりませんと言えば上様は中止にせよと言われるでしょう、それが狙いですよと言うと、上様は自分で言い出されたなので誰にも責任はとらせられませぬと言、
うと、柳沢が何か一つ位手はあるのじあろうと言うので、それではどうせ成功しないのですから、大きな埋め立てはしないのですというと、そんな事すれば厳罰を食らい店はつぶれま、
すと言ので、

あそこの周りには山はありませぬ、湧き水は利根川からしみこみ印旛沼に出てくるのです、その水脈を断てば水抜きが出来て干拓できますがそれは不可能です、あの広さですから全部、
の埋め立て出来ません、幅の小さい場所を1町歩づつやるのです、江戸湾を埋め立てたように杭を打ち込み、仕切り板を重ねて埋め立ててれば、水抜きしなくても埋め立てられます、

洪水を防ぐために沼から利根川に水路を作り水を利根川に戻すのです、利根川の出口には水門を作り洪水の逆流を防ぎます、最後には印旛沼が二つに分かれますが、その間は新田とな、
り、およそ5万石にはなるでしょうと話すと、どの位かかりますかねと言うので、わかりませぬというと、まあ全然無駄にはならず少しづつは新田ができるのですから良いとしなけれ、
ばなりませんねと言うので、まあ、10万両使ってどの位の新田ができるかですねと言ったのです、

10万両分干拓したら後は天満屋にやってもらえば良いのです、1万石でも開発できれば上様は天満屋にやれと言うでしょう、先にやり易い場所をやるのですから、天満屋は苦労して、
大した干拓は出来ません、ずるずると10万両くらい損をすると言うわけですというと、相模屋がそうですね天満屋に痛いめに会ってもらいましょうと言うと、柳沢がそれは面白い、

相模屋他に儲ける口はいくらでもあるだろう、たまには苦痛顔をして狸共を化かしてやれと言うと、そうですね、儲けすぎて悋気をかってもいけませねと言って、源三郎様に5万両、
用立てするのは嬉しいですがねと言うので、借りる事になるかも知れんと言うと、まさか、上杉の手助けをするのではと言うので、そうなるやも知れん、しかしちゃんと返すよと、
言うと、

何か名案でもと聞くので、天満屋から巻き上げるとかだよ、天満屋は札差だろう、札差は大名の米を預かり、それを売り利ざやを稼いでいるわけだ、大口を取り上げてしまえば干上、
がるだろう、前田様の扱いを息のかかった札差に変えさせればいいわけだ、多分前田様にも3万両は用立てしているだろう、それをこちらで肩代わりするわけだ、天満屋より安い金利、
にすれば話に乗ってくるだろう、

米沢藩の天満屋への借財は玄海屋の蓄え金で完済できるから問題ない、紀州公からの2万両は幕府から借りて返す、そうして財政改革すれば何とかなるでしょう、稲葉様と天満屋には、
何か方法を考えお灸をすえてやりますよと言うと、柳沢が玄海屋はいくら蓄財があるのだと聞くので、およそ8万両と言うところでしょうか、金貸しはやっていませんので、純の蓄え、
となりますと言うと、

柳沢がなる程それだけあれば稲葉と天満屋の謀略は潰せるわけかと笑うので、売られた喧嘩は買うしかありませぬと言うと、柳沢がもっとも敵にしてはいけない奴を敵にしたと言う、
わけかと喜ぶので、笑ってないで少しは手を貸してくださいと言うと、紀州公への2万両ならまかしておけと言うので、お願いしますよと言って、ついでにもう一つと言って、赤穂の、
件を話すと、

1万石なら脇坂の飛び地として加増するのは分けない、上様も浅野の事は気にしておられるので、直ぐに裁可されるじあろう、脇坂に何か褒美をと言うておられたから大丈夫じあと、
言って、わしも役に立つであろうと笑ったのです、源三郎が先ほど大きな埋め立てはしないと言いましたが、年に2万両ほどの干拓をすると言う事だ、さすれば5年で10万両となる、
であろう、

一気に10万両使うわけではない、年に相模屋が1万両幕府が1万両だ大した出費ではないだろう、幕府の勘定奉行もそれ位の供出なので喜ぶはずだと言うと、あ~つそうですね、それ、
なら全然負担はかかりませんと言い、これで憂鬱がはれました、事はゆつくりやれと言う事ですねと言喜んだのです、柳沢がやはり知恵者じあのう勘定奉行のしかめ面を見なくて済、
むわと酒を飲み干したのです、

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