第104.5話 サイラスの居場所(セドリック側)
文字数 539文字
俺がリナを自分の屋敷に送り届け、王宮に戻って来たころには、もう辺りも薄暗くなっていて、騒動も一段落付いたという感じたった。
アランは、リナから渡された手紙を持って即座に国王の執務室に走ったらしい。
ジークフリートとエイリーン他、王太子派は身動きが取れない状態になっているだろう。
とりあえず俺は、サイラスを探すことにした。
意外というか、やっぱりと言うか、騎士団団長の執務室にサイラスは籠っていた。
部屋に入るなりサイラスから訊かれる。
「リナはクランベリー公爵家か?」
「そうだけど」
サイラス相手に隠しても意味がないので、素直に答えた。
「それが良いな。もう屋敷から出さない方が良い。親父はリナ・ポートフェンに向けて刺客を放っていたからな」
サイラスは、なんだか疲れているようだった。
「セドリック」
「なんだ」
「俺は、今日はもうここを動かない。何かあったときは、ここに来たら俺はいるから。それと、頼んで悪いが、騎士団全体に待機命令を出してくれ」
らしくないと思う。今回、サイラスは最初から色々なことを諦めていたのだろう。
そうだとしても、今の俺は何かを言える立場ではない。
サイラスが言う何かがあったら、俺は捕まえる方の立場だ。
だから
「わかった」
とだけ言って執務室を後にした。
アランは、リナから渡された手紙を持って即座に国王の執務室に走ったらしい。
ジークフリートとエイリーン他、王太子派は身動きが取れない状態になっているだろう。
とりあえず俺は、サイラスを探すことにした。
意外というか、やっぱりと言うか、騎士団団長の執務室にサイラスは籠っていた。
部屋に入るなりサイラスから訊かれる。
「リナはクランベリー公爵家か?」
「そうだけど」
サイラス相手に隠しても意味がないので、素直に答えた。
「それが良いな。もう屋敷から出さない方が良い。親父はリナ・ポートフェンに向けて刺客を放っていたからな」
サイラスは、なんだか疲れているようだった。
「セドリック」
「なんだ」
「俺は、今日はもうここを動かない。何かあったときは、ここに来たら俺はいるから。それと、頼んで悪いが、騎士団全体に待機命令を出してくれ」
らしくないと思う。今回、サイラスは最初から色々なことを諦めていたのだろう。
そうだとしても、今の俺は何かを言える立場ではない。
サイラスが言う何かがあったら、俺は捕まえる方の立場だ。
だから
「わかった」
とだけ言って執務室を後にした。