第41話 番外編 エイリーン誘拐事件 2
文字数 1,252文字
エイリーンの誘拐事件後、首謀者たちとエイリーンの護衛の処刑、セドリックの降格及び謹慎処分が決まった。
当然、エイリーンと私は国王……私の父上に護衛者たちの助命を願い出た。
「そなたたちは、己が立場を何と心得ておるのだ。特にエイリーン。自分のしたことが分かっておるのか? 自室待機は何のためだったのか。私の命 に逆らったあげく誘拐されおって。そなたを外に出した護衛たちが何の処分も受けずに済むと思っておったか」
エイリーンは、うつむいてた。
「ジークフリート。お前もだ。お前の勝手な行動の所為で、危うくセドリックや一緒にいた騎士団まで処刑せねばならぬところだったのだぞ。今回の措置は、セドリックの実家の力が大きい。一大勢力の嫡男とそれに従った者たちを国王権限で処刑するわけには行かぬからな」
「私の不徳の致すところでございます」
「今回のことで、よく分かっただろう。己が立場の責任が」
「はい。二度とこのようなことが無いよう精進致します」
「両名とも、下がって良いぞ」
「失礼致します」
二人とも王の御前を辞した。
とりあえず、私の自室に二人で向かう。
エイリーンは、泣くまいと我慢しているのかずっと下を向いていた。
自室に着くなり、エイリーンが深々と頭を下げた。
「この度は、ジークフリート様にも……皆様にも多大な迷惑をかけてしまい。申し訳ありませんでした」
「あ……うん。それは、私もだから……。二度と同じ事を繰り返さなければ良いと思うよ」
それでも、エイリーンは頭を上げない。
「エイリーン?」
「ジークフリート様も、この度の私の行動、さぞお怒りの事と」
「いや。怒っては無いけど」
さっきの国王の言葉がショックだったのだろうか、でも、それについては慰めてはいけない。
私もだけど、エイリーンも自分の立場の責任の重さは自覚して行動しなければならないのだから。
「ですが、わたくしから距離をとられてるから」
ああ、そっか。エイリーンは知らないから。
だから自分のせいで……って思ってしまうんだ。
「それはエイリーンの所為じゃないから。私の問題なんだ」
エイリーンは、きょとんとしている。
「人を殺してしまった手で、エイリーンにふれたらいけない気がしてね」
言葉してしまったら、また思い出してしまう。
少し震える手をじっと見た。
「情けないね。全く」
震える私の手を両手で包み込むようにしてくれる。
「私を守ってくれた手ですわ」
エイリーンは、涙が溜まった目で笑って私を見た。
今度こそ、私はエイリーンを抱きしめることが出来た。腕の中で、エイリーンが泣いてる。
「今度は間違えないようにしようね。セドリックと騎士団には謹慎が明けたらちゃんと2人で謝ろう」
エイリーンの護衛たちには謝ることも許されないけど。
セドリックたちには、許してもらえないかも知れないけど謝ろうね。
「は……い」
エイリーンは泣きながらでも、ちゃんと返事してくれた。
当然、エイリーンと私は国王……私の父上に護衛者たちの助命を願い出た。
「そなたたちは、己が立場を何と心得ておるのだ。特にエイリーン。自分のしたことが分かっておるのか? 自室待機は何のためだったのか。私の
エイリーンは、うつむいてた。
「ジークフリート。お前もだ。お前の勝手な行動の所為で、危うくセドリックや一緒にいた騎士団まで処刑せねばならぬところだったのだぞ。今回の措置は、セドリックの実家の力が大きい。一大勢力の嫡男とそれに従った者たちを国王権限で処刑するわけには行かぬからな」
「私の不徳の致すところでございます」
「今回のことで、よく分かっただろう。己が立場の責任が」
「はい。二度とこのようなことが無いよう精進致します」
「両名とも、下がって良いぞ」
「失礼致します」
二人とも王の御前を辞した。
とりあえず、私の自室に二人で向かう。
エイリーンは、泣くまいと我慢しているのかずっと下を向いていた。
自室に着くなり、エイリーンが深々と頭を下げた。
「この度は、ジークフリート様にも……皆様にも多大な迷惑をかけてしまい。申し訳ありませんでした」
「あ……うん。それは、私もだから……。二度と同じ事を繰り返さなければ良いと思うよ」
それでも、エイリーンは頭を上げない。
「エイリーン?」
「ジークフリート様も、この度の私の行動、さぞお怒りの事と」
「いや。怒っては無いけど」
さっきの国王の言葉がショックだったのだろうか、でも、それについては慰めてはいけない。
私もだけど、エイリーンも自分の立場の責任の重さは自覚して行動しなければならないのだから。
「ですが、わたくしから距離をとられてるから」
ああ、そっか。エイリーンは知らないから。
だから自分のせいで……って思ってしまうんだ。
「それはエイリーンの所為じゃないから。私の問題なんだ」
エイリーンは、きょとんとしている。
「人を殺してしまった手で、エイリーンにふれたらいけない気がしてね」
言葉してしまったら、また思い出してしまう。
少し震える手をじっと見た。
「情けないね。全く」
震える私の手を両手で包み込むようにしてくれる。
「私を守ってくれた手ですわ」
エイリーンは、涙が溜まった目で笑って私を見た。
今度こそ、私はエイリーンを抱きしめることが出来た。腕の中で、エイリーンが泣いてる。
「今度は間違えないようにしようね。セドリックと騎士団には謹慎が明けたらちゃんと2人で謝ろう」
エイリーンの護衛たちには謝ることも許されないけど。
セドリックたちには、許してもらえないかも知れないけど謝ろうね。
「は……い」
エイリーンは泣きながらでも、ちゃんと返事してくれた。