第14話 リナのデビュタント イングラデシア王国の王位継承権
文字数 1,484文字
まぁ、ゲーム的発言は置いといて。
この中で、私だけが情報ゼロで何も判断出来ないので、王家の事情を訊くことにした。
聞く前に、父からは散々「聞いてしまったら、後には戻れなくなる」って言われたけど。
でもね、お父様。もともと私、このゲームの攻略キャラもお助けキャラも、皆、大好きなんですわ。
好きだから、何度もこの単純で、すぐに飽きそうなゲーム、繰り返しやってたんです。
そして、その子たちがゲームのキャラクターとしてでは無く、実在してて、大変な目に遭うと分かっているのなら、助けたいじゃないですか。
言えないけど……。
この国、イングラデシア王国の王位継承は、割としっかりしている。
大昔、国を二分する争いがあって、その隙を突かれ危うく他国に侵略されそうになって、その反省を込めて法律化された。
まず、国王は、正妻である王妃と複数人の側室を持つことが許される。
彼女たちの間で、政治的なトップは王妃様だが、王位継承権、相続に関することは、同列に扱う。
これによって、王位継承権は王子が産まれた順番となる。
そして、王太子が王位を継いだと同時に。王位継承権は次世代に移行する。
王様になってしまったら、暗殺する意味も無いのだ。
今の王太子、ジークフリートは側室の子である。第二王子アランは王妃の子だ。
ほんの数ヶ月早く、ジークフリートが産まれたばかりに、王妃の子どもは、王太子になれなかった。
いくら法律で決まっていようとも、これでは王妃の実家の派閥は面白くない。
第二王子派が皆そうではないが、王太子暗殺を画策する一派もいるという。
これが目下、私たちが解決しないといけない問題。
もう一つは、それの原因となった問題で父が王宮を去るきっかけになったもの。
現国王は、王位継承権でいうと第三位だった。
だから、自分には王位なんてまわってこないと思って、ノンビリしていた。
当時の王太子は優秀で思いやりがあり、第二王子も王太子を慕ってるように見えたからだ。それに、今と違って当時の王太子は王妃の子だった。
文句の付けようのない状態だったのだ。
それでも、不穏分子はいるわけで……。
当時のお家騒動の顛末てんまつの詳細は関係無いので、割愛するとして。
結果だけ言うと、即位直前の王太子を暗殺しようとした騎士団の攻防で、第二王子が王太子を庇い、二人とも亡くなってしまった。
こういった経緯で、第三王子…現国王にお鉢が回ってきた。
本来なら、王太子時代に婚姻を結んで、王妃となる女性との間に子を生 しているはずだったが、元々の王太子と違って生まれながらの婚約者も無く、年が若かったこともあり、婚約者すら決まって無かった。
それで、今の現状である。
まぁ、現王太子の暗殺うんたらはともかく、他は別に秘密でも何でも無い。
そもそも、ここ20年くらいの話だ。王宮を中心に、当時を知る人は多い。
当時の父は、と言うと、宮廷魔道士として働いてた。
魔道士と言っても特別の力があるわけでは無い。遙か昔は魔法なんて物もあったようだが……今は、天体の計算をしたり、星回りを読んだりして、政変の時期や政治的なアドバイスをするにとどまっている。
役職名は、魔法時代の名残だそうだ。
先ほどの、騒動の余波で多くの宮廷魔道士が去って行った。
父もそのうちの1人だったらしい。年数が経った今では、王宮側のたっての願いで、そのほとんどが役職に戻っているという。
父が戻らない理由は語られなかった。
この中で、私だけが情報ゼロで何も判断出来ないので、王家の事情を訊くことにした。
聞く前に、父からは散々「聞いてしまったら、後には戻れなくなる」って言われたけど。
でもね、お父様。もともと私、このゲームの攻略キャラもお助けキャラも、皆、大好きなんですわ。
好きだから、何度もこの単純で、すぐに飽きそうなゲーム、繰り返しやってたんです。
そして、その子たちがゲームのキャラクターとしてでは無く、実在してて、大変な目に遭うと分かっているのなら、助けたいじゃないですか。
言えないけど……。
この国、イングラデシア王国の王位継承は、割としっかりしている。
大昔、国を二分する争いがあって、その隙を突かれ危うく他国に侵略されそうになって、その反省を込めて法律化された。
まず、国王は、正妻である王妃と複数人の側室を持つことが許される。
彼女たちの間で、政治的なトップは王妃様だが、王位継承権、相続に関することは、同列に扱う。
これによって、王位継承権は王子が産まれた順番となる。
そして、王太子が王位を継いだと同時に。王位継承権は次世代に移行する。
王様になってしまったら、暗殺する意味も無いのだ。
今の王太子、ジークフリートは側室の子である。第二王子アランは王妃の子だ。
ほんの数ヶ月早く、ジークフリートが産まれたばかりに、王妃の子どもは、王太子になれなかった。
いくら法律で決まっていようとも、これでは王妃の実家の派閥は面白くない。
第二王子派が皆そうではないが、王太子暗殺を画策する一派もいるという。
これが目下、私たちが解決しないといけない問題。
もう一つは、それの原因となった問題で父が王宮を去るきっかけになったもの。
現国王は、王位継承権でいうと第三位だった。
だから、自分には王位なんてまわってこないと思って、ノンビリしていた。
当時の王太子は優秀で思いやりがあり、第二王子も王太子を慕ってるように見えたからだ。それに、今と違って当時の王太子は王妃の子だった。
文句の付けようのない状態だったのだ。
それでも、不穏分子はいるわけで……。
当時のお家騒動の顛末てんまつの詳細は関係無いので、割愛するとして。
結果だけ言うと、即位直前の王太子を暗殺しようとした騎士団の攻防で、第二王子が王太子を庇い、二人とも亡くなってしまった。
こういった経緯で、第三王子…現国王にお鉢が回ってきた。
本来なら、王太子時代に婚姻を結んで、王妃となる女性との間に子を
それで、今の現状である。
まぁ、現王太子の暗殺うんたらはともかく、他は別に秘密でも何でも無い。
そもそも、ここ20年くらいの話だ。王宮を中心に、当時を知る人は多い。
当時の父は、と言うと、宮廷魔道士として働いてた。
魔道士と言っても特別の力があるわけでは無い。遙か昔は魔法なんて物もあったようだが……今は、天体の計算をしたり、星回りを読んだりして、政変の時期や政治的なアドバイスをするにとどまっている。
役職名は、魔法時代の名残だそうだ。
先ほどの、騒動の余波で多くの宮廷魔道士が去って行った。
父もそのうちの1人だったらしい。年数が経った今では、王宮側のたっての願いで、そのほとんどが役職に戻っているという。
父が戻らない理由は語られなかった。