第125話 RED or GREEN

文字数 831文字

「どこのコンビニが多いかは、地域差が出るわね」
 ブンブンで買い物を終える一行。その昔、東海エリアはサークルKばかりであった。

「ミニストップやデイリーヤマザキがあると得した気分になるね」
 どこの店も一緒と言いつつも、やはり商品構成は異なる。

「そうそウ。セブンの天下かと思えバ、コレを食べたきゃローソンに行くとかそういう場合もあるヨ」
 ローソンの制服もよくモデルチェンジするが、基本的に青白のストライプだ。

「そういやセブンの制服は男が緑で女が赤って時代があったよな」
 赤と緑で、あなたとコンビになる。いつの間にかグリーンで統一されてしまった。

「それはジェンダー問題とは絡めてほしくないですわね」
 多様性にしたいのか、画一的にしたいのか。

「自分の私服じゃないんだし、そこは店の方針を貫けば良かったんじゃないかな」
 性差を無くしたいポリシーの企業は統一すれば良いし、男女の違いを活かしたい企業は
また異なるポリシーがあるはずだ。

「あたしだったら赤を着たいけど、店側が緑を着ろって言うんだったら従うしかないわ」
 そういう個人の思惑もある。赤を着たい男もいたはずだが、好きな方を着ろとはなりにくい。ここに記すまでもなく、色と色が生み出す相乗効果、コンビネーション作用というのは、明確に存在する。

「マリアは緑ってイメージじゃないネ」
 赤いきつねのほうが好みだったりする。

「マリアさまは制服を重視されるので、自分の着たい服が無いお店には、そもそも行かれないのではありませんか?」
 マリアは寒色系をめったに着ない。

「サークルKなんて、トレーナーだったぞ。あれはあれで気楽な感じがして良かったなあ」
 昼休みの時間帯は、十九川工務店もコンビニの世話になる。

「男女の色分けの鉄板だけど、男=青、女=赤の制服の店ってありそうでないよね。水色とピンクでもいいんだけどさ」
 スポーツ観戦のようである。ロイヤルブルーとカーマインもお似合いだ。

「無いなら先んじてやるといいだろうな。店の特色が出る」





ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

奇特人間大賞・藤原メシヤ。

彼の元には、いつもハチャメチャが押し寄せてくる。

お転婆娘・安倍マリア。

ギャルであり、敬虔なシスター。

メシヤを止められるのは、マリアだけ。

江戸時代から脈々と続く、大手ゼネコンの御曹司、十九川イエス。

メシヤにとって無くてはならない、心の友。

イスラエルからの留学生・裁紅谷エリ(姉)。小柄だがフィジカルお化け。最初は身分を隠していたが・・・

同・裁紅谷レマ(妹)。エリは双子の姉。落ち着いているように見えるが、9マイル先のターゲットを錆びついたマシンガンで撃ち抜ける。

【東洋】あずまひろし。北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーにて勤務。ろくに学校も出ていないが、父親のスパルタ教育により、体だけは頑丈。後輩・キョン子に、なぜかなつかれている。

【西本願寺京子】京都の名門・西本願寺家の長女。学年的にはメシヤたちと同じである。躾の厳しい実家を飛び出し、北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーで勤務する。職場の先輩、東洋《あずまひろし》に、キョン子と呼ばれる。どうやらヒロシのことは以前から知っているようだが・・・。

【科納ニカル】かのにかる。科納エレクトロニクスの令嬢。子供向け番組『コンピューター・ニカルちゃん』で一世を風靡。ロンドンインペリアルカレッジを首席で卒業後は、神籬探偵事務所で助手を務めている。

【奈保レオン】なぽれおん。年齢、星籍不詳。メシヤと同じ1年G組に席を並べる。数学、歴史が得意。破天荒(誤用ではない)なメシヤの、良き理解者。

【ジェニー・オブライエン】人類史上最高峰の知性と評される宇宙物理学者。メシヤと日本贔屓。頭脳労働者のためか、結構な大食漢。研究所は大西洋の孤島だが、北伊勢市内にもよく出没する。

【必勝ミドル】ひちかたみどる。雲水翁の内弟子。凡庸な12歳であったが、五大所山の修行でメキメキと腕を上げる。先手必勝をモットーとする。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み