第51話 土曜よ、止まれ。そなたは美しい

文字数 816文字

「信じられないわね。もう一年の半分が過ぎようとしてるじゃないの」
 時を止める少女。

「早いよ、早すぎるよ」
 作者はやたらとエキセントリック少年ネタを出したがる。

「早いと言ってモ、5年分くらいの密度があるネ」
 書き出してからそれくらいの年月が経つ。

「週末っていいですよね。休み最終日より休み前日のほうが楽しいといいますか」
 サザエさん症候群という言葉があるが、土曜日にウキウキするのはなんと呼ぶのがふさわしいか。お笑いマンガ道場症候群?

「きょうは名古屋で5時だな」
 五人でサボタージュ。

「名古屋もご無沙汰ですわ」
 5時SATマガジンという番組がかつてあった。

「日曜しか休みが無い時代を僕たちは知らないけど、その時のほうが景気は良かったってのはなんとも皮肉だね」
 麻生田(おうだ)(すすむ)経産大臣も提唱している説である。

「絶対反対に遭うけど、妙な説得力はあるわ」
 学力低下も説明できそうだ。

「ゲームの時間が減っちゃうヨ!」
 ゲームは一日一時間! エリはプレステよりサターン派であった。

「建設業で土曜休工なんて話も出てるが、とんでもないことだ。もっと稼ぎたい人間の足を引っ張るような真似はやめてくれ」
 固定給の内勤なら話は変わってくるが、土曜日に店を開けておくことも可能なはずである。

「メシヤさま、占いだと土曜日生まれは特別な運勢を持っているらしいですわ」
 リアル暦とズレるが、メシヤは土曜日生まれである。

「カバラ曜術だネ」
 裁紅谷姉妹は双子座だ、というベタな設定なのかは勘考中である。

「ほう、そんなのがあるのか」
 イエスは四月生まれだ。

「なんか大層なことが書いてあるわね。また変なスイッチ入らなきゃいいけど」
 夏生まれっぽいイメージの本作ヒロインだが、聖母マリアと同じく、9月8日生まれである。

「もうそろそろ土用の丑が控えてるけど、うなぎフォアグラを作る予定だよ」
 なんとも垂涎(すいぜん)のメニューである。

「ワタシの食べれない美味しいものを作るなんテ、卑怯だヨ!」




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登場人物紹介

奇特人間大賞・藤原メシヤ。

彼の元には、いつもハチャメチャが押し寄せてくる。

お転婆娘・安倍マリア。

ギャルであり、敬虔なシスター。

メシヤを止められるのは、マリアだけ。

江戸時代から脈々と続く、大手ゼネコンの御曹司、十九川イエス。

メシヤにとって無くてはならない、心の友。

イスラエルからの留学生・裁紅谷エリ(姉)。小柄だがフィジカルお化け。最初は身分を隠していたが・・・

同・裁紅谷レマ(妹)。エリは双子の姉。落ち着いているように見えるが、9マイル先のターゲットを錆びついたマシンガンで撃ち抜ける。

【東洋】あずまひろし。北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーにて勤務。ろくに学校も出ていないが、父親のスパルタ教育により、体だけは頑丈。後輩・キョン子に、なぜかなつかれている。

【西本願寺京子】京都の名門・西本願寺家の長女。学年的にはメシヤたちと同じである。躾の厳しい実家を飛び出し、北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーで勤務する。職場の先輩、東洋《あずまひろし》に、キョン子と呼ばれる。どうやらヒロシのことは以前から知っているようだが・・・。

【科納ニカル】かのにかる。科納エレクトロニクスの令嬢。子供向け番組『コンピューター・ニカルちゃん』で一世を風靡。ロンドンインペリアルカレッジを首席で卒業後は、神籬探偵事務所で助手を務めている。

【奈保レオン】なぽれおん。年齢、星籍不詳。メシヤと同じ1年G組に席を並べる。数学、歴史が得意。破天荒(誤用ではない)なメシヤの、良き理解者。

【ジェニー・オブライエン】人類史上最高峰の知性と評される宇宙物理学者。メシヤと日本贔屓。頭脳労働者のためか、結構な大食漢。研究所は大西洋の孤島だが、北伊勢市内にもよく出没する。

【必勝ミドル】ひちかたみどる。雲水翁の内弟子。凡庸な12歳であったが、五大所山の修行でメキメキと腕を上げる。先手必勝をモットーとする。

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