第100話 デッキゴルフ

文字数 864文字

「来年オリンピックだけど、スポーツ人口の減ってる競技もあるのよね」
 昭和の時代には必ずあった種目の運動部が、学校によっては存在しないケースがある。

「野球やソフトですらも、オリンピック競技から外されたくらいだからな」
 この競技はやるのに野球はないのか!と乱闘寸前のイエスだが、2028年には復活が噂されている。

「野球は試合をやるってなると、色々と準備が必要な競技ではあるね」
 スタジアムを借りたり道具やユニフォームを揃えるとなると、金銭的余裕が無ければプレイ出来ない。
「キャッチボールや三角ベースの光景が見られなくなるのは残念ね」
 公園から子供の声が消えつつある。

「クリケットも良いですが、やはり野球が見たいですわ」
 日本のお家芸は、どんどん活躍の場が減少している。

「野球人気と広場で三角ベースが出来るかどうかハ、大いに関係があるネ」
 鉄棒で遊べたりソフトバレーボールが出来たり、こうしたことはスポーツの道に進む切っ掛けになる。

「ゴルフもですが、やろうと思ってもハードルが高いですわ」
 レマは少しの練習ですぐコツを掴む。

「船の上なんかでやるデッキゴルフとかさ。ああいうのが大事なんだと思うよ」
 日本の住宅事情では、家の中でのパターゴルフはとても出来ない。

「球技大会でデッキゴルフをやるのもいい案だな」
 コース造りも面白そうだ。

「それいいネ!」
 体育館で1ホール。運動場で4ホール。理科室で、職員室で、屋上で、購買で。階段を降りるコースは難所である。

「パターなんて木で作ればいいし、色々学べて総合学習になるなあ」
 イーロンマスクが覆面を被って登場しそうだ。

「本物のゴルフボールだと危ないから、スーパーボールあたりがいいんじゃない」
 跳ねっ返りにご用心。

「ホールは缶詰あたりになりそうだな」
 パックのフルーツがコンビニで売っているが、缶みかんには缶みかんにしか無い、独特の美味さがある。

「他のスポーツでもミニゲームを入り口にするといいかも。日本が金メダル大国になるためにも、こういう試みは良さそうだね」
 夢を夢を夢を 夢を勝ち取ろう。




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登場人物紹介

奇特人間大賞・藤原メシヤ。

彼の元には、いつもハチャメチャが押し寄せてくる。

お転婆娘・安倍マリア。

ギャルであり、敬虔なシスター。

メシヤを止められるのは、マリアだけ。

江戸時代から脈々と続く、大手ゼネコンの御曹司、十九川イエス。

メシヤにとって無くてはならない、心の友。

イスラエルからの留学生・裁紅谷エリ(姉)。小柄だがフィジカルお化け。最初は身分を隠していたが・・・

同・裁紅谷レマ(妹)。エリは双子の姉。落ち着いているように見えるが、9マイル先のターゲットを錆びついたマシンガンで撃ち抜ける。

【東洋】あずまひろし。北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーにて勤務。ろくに学校も出ていないが、父親のスパルタ教育により、体だけは頑丈。後輩・キョン子に、なぜかなつかれている。

【西本願寺京子】京都の名門・西本願寺家の長女。学年的にはメシヤたちと同じである。躾の厳しい実家を飛び出し、北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーで勤務する。職場の先輩、東洋《あずまひろし》に、キョン子と呼ばれる。どうやらヒロシのことは以前から知っているようだが・・・。

【科納ニカル】かのにかる。科納エレクトロニクスの令嬢。子供向け番組『コンピューター・ニカルちゃん』で一世を風靡。ロンドンインペリアルカレッジを首席で卒業後は、神籬探偵事務所で助手を務めている。

【奈保レオン】なぽれおん。年齢、星籍不詳。メシヤと同じ1年G組に席を並べる。数学、歴史が得意。破天荒(誤用ではない)なメシヤの、良き理解者。

【ジェニー・オブライエン】人類史上最高峰の知性と評される宇宙物理学者。メシヤと日本贔屓。頭脳労働者のためか、結構な大食漢。研究所は大西洋の孤島だが、北伊勢市内にもよく出没する。

【必勝ミドル】ひちかたみどる。雲水翁の内弟子。凡庸な12歳であったが、五大所山の修行でメキメキと腕を上げる。先手必勝をモットーとする。

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