第122話 Stand by me

文字数 588文字

「ガソリン入れてきたんだけど、洗車が混みすぎてやめたわ」
 マリアは軍服も似合いそうだ。いま手洗い洗車中である。

「車が汚れっぱなしの人もいるし、マリアみたいな人も減りつつあるよね」
 どんな高級車でも手入れをしなければみすぼらしくなる。

「こいつには今年世話になったからな」
 ワーゲンバスを綺麗に磨いているイエス。水陸両用に勝手に改造されている。

「サンデードライバーと言われますが、普段から整備されていないと大変なことになりますわ」
 364日寝ていて、いきなりダッシュ出来るだろうか。

「空気圧不足でタイヤトラブルもよく見るネ」
 自分で入れたことがないのなら、スタンドでやってみよう。簡単である。

「一気に洗いたいんだけど、モタモタしてると水垢が出来ちゃうのよね」
 そのせいで、部分的にわけて洗う人もいる。

「窓は要注意だね」
 上から下へが基本である。

「お風呂の鏡も曲者ですわ」
 シケと呼ばれる鏡の腐食も起こる。

「メシヤ、今晩は何かナ?」
 洗車はとっくに済ませているエリ。

「もちろん年越しそばだよ」
 命の門は、細く長い。

「あたしは鴨蕎麦がいいな」
 ネギも背負っている。

「俺は天たねを頼む」
 神田やぶそばが有名である。

「そばと言えばエビ天ですが・・・」
 申し訳なさそうなレマ。

「大丈夫、エリとレマは肉蕎麦にするよ」
 体力を使う仕事なので、肉月見である。

(タイトル、無理矢理感があるヨ・・・)
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登場人物紹介

奇特人間大賞・藤原メシヤ。

彼の元には、いつもハチャメチャが押し寄せてくる。

お転婆娘・安倍マリア。

ギャルであり、敬虔なシスター。

メシヤを止められるのは、マリアだけ。

江戸時代から脈々と続く、大手ゼネコンの御曹司、十九川イエス。

メシヤにとって無くてはならない、心の友。

イスラエルからの留学生・裁紅谷エリ(姉)。小柄だがフィジカルお化け。最初は身分を隠していたが・・・

同・裁紅谷レマ(妹)。エリは双子の姉。落ち着いているように見えるが、9マイル先のターゲットを錆びついたマシンガンで撃ち抜ける。

【東洋】あずまひろし。北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーにて勤務。ろくに学校も出ていないが、父親のスパルタ教育により、体だけは頑丈。後輩・キョン子に、なぜかなつかれている。

【西本願寺京子】京都の名門・西本願寺家の長女。学年的にはメシヤたちと同じである。躾の厳しい実家を飛び出し、北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーで勤務する。職場の先輩、東洋《あずまひろし》に、キョン子と呼ばれる。どうやらヒロシのことは以前から知っているようだが・・・。

【科納ニカル】かのにかる。科納エレクトロニクスの令嬢。子供向け番組『コンピューター・ニカルちゃん』で一世を風靡。ロンドンインペリアルカレッジを首席で卒業後は、神籬探偵事務所で助手を務めている。

【奈保レオン】なぽれおん。年齢、星籍不詳。メシヤと同じ1年G組に席を並べる。数学、歴史が得意。破天荒(誤用ではない)なメシヤの、良き理解者。

【ジェニー・オブライエン】人類史上最高峰の知性と評される宇宙物理学者。メシヤと日本贔屓。頭脳労働者のためか、結構な大食漢。研究所は大西洋の孤島だが、北伊勢市内にもよく出没する。

【必勝ミドル】ひちかたみどる。雲水翁の内弟子。凡庸な12歳であったが、五大所山の修行でメキメキと腕を上げる。先手必勝をモットーとする。

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