第93話 クイックドロー
文字数 467文字
北伊勢市内・某射撃場にて。
スローモーションで撮影しても、手の動きが捉えられない。
「お前さんこそ」
5発撃った筈のレマだが、人型の的に穴がひとつしか空いていない。
「ワタシ、銃はあんまりかナ~」
力自慢の猛者どもが、エリに勝負を挑んでくる。
「お前には弾が当たらないからいいだろう」
エリにはなぜか弾が当たらない。精密射撃のレマと対峙したら、結果はどうなるのか。
「手裏剣のほうが得意なんだよネ」
自由落下してきた4切れの飛騨牛を、串刺しにした。
「デタラメだな・・・」
白馬も人のことは言えない。
「我が国のこと、日本のこと。ザイオンのシナリオ通りに進行しています」
令和は大変な時代の幕開けとなった。
「鷹山のダンナもこれじゃ貧乏くじだぜ」
こういう時こそ英雄が現れる。
「アーロン首相はそんな風に受け止めてないかモ」
ねえ、気付いてる? いまのあなたの顔、とっても楽しそうよ。
「メシヤさま。あまり時間は残されていませんわ」
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「お~い、藤原はまた早退か~」
担任のマス大山が点呼を取る。
(クイックドローですわ)