第105話 INNERS FOREVER

文字数 671文字

「夏の暑さが酷かっただけに、反動が凄まじいわね」
 喉元過ぎれば、暑さを忘れる(?)

「タンスの整理が追いつかないよ」
 紅茶のありかも分からない。

「メシヤはもう腹巻キ?」
 バカボンギャルが増えそうだ。脇役が主役を食うことはよくある。

「昭和のお父さま方たちは、とても実利的なスタイルをされていましたわ」
 裁紅谷姉妹の父親はどんな人物であろうか。

「ガキの頃はステテコなんてと馬鹿にしてたもんだが、穿いたらやめられなくなるぞ」
 若者の抵抗があるのはもっともなので、スタイリッシュなステテコを求む。

「肌着もね。上のシャツから透けるとたしかにダサいんだよ。でもあれを脱ぐことは出来ない身になってしまったなあ」
 親父シャツと揶揄されるが、Tシャツ風の肌着も発売されている。

「柄物のTシャツを肌着代わりに着てる人って、多いわよね。でも着心地の点で言うとあまりオススメ出来ないかな」
 ちょっと高めの店で買うようなTシャツであっても、肌触りだけで言えば、500円もしない肌着に負けている。

「そういう綿100の肌着素材を使ってTシャツを作ればいいのニ!」
 躰が資本のエリだけに、着替えも多い。

「肌着は一日中皮膚に触れているので、気分も相当左右するはずですわ」
 それなのになぜか軽視されている。

「メシヤはグンゼだっけ?」
 なぜ知っているのだろうか。

「そうそう。グンゼの肌着は種類豊富なんだけど、中でもG.T.HAWKINSシリーズの綿100が、丈夫で着心地抜群だよ」
 開けた瞬間の香りも、良質な証しだ。

(メシヤがいくら綿好きでモ、まさかブリーフ派じゃないよネ・・・)




 
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登場人物紹介

奇特人間大賞・藤原メシヤ。

彼の元には、いつもハチャメチャが押し寄せてくる。

お転婆娘・安倍マリア。

ギャルであり、敬虔なシスター。

メシヤを止められるのは、マリアだけ。

江戸時代から脈々と続く、大手ゼネコンの御曹司、十九川イエス。

メシヤにとって無くてはならない、心の友。

イスラエルからの留学生・裁紅谷エリ(姉)。小柄だがフィジカルお化け。最初は身分を隠していたが・・・

同・裁紅谷レマ(妹)。エリは双子の姉。落ち着いているように見えるが、9マイル先のターゲットを錆びついたマシンガンで撃ち抜ける。

【東洋】あずまひろし。北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーにて勤務。ろくに学校も出ていないが、父親のスパルタ教育により、体だけは頑丈。後輩・キョン子に、なぜかなつかれている。

【西本願寺京子】京都の名門・西本願寺家の長女。学年的にはメシヤたちと同じである。躾の厳しい実家を飛び出し、北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーで勤務する。職場の先輩、東洋《あずまひろし》に、キョン子と呼ばれる。どうやらヒロシのことは以前から知っているようだが・・・。

【科納ニカル】かのにかる。科納エレクトロニクスの令嬢。子供向け番組『コンピューター・ニカルちゃん』で一世を風靡。ロンドンインペリアルカレッジを首席で卒業後は、神籬探偵事務所で助手を務めている。

【奈保レオン】なぽれおん。年齢、星籍不詳。メシヤと同じ1年G組に席を並べる。数学、歴史が得意。破天荒(誤用ではない)なメシヤの、良き理解者。

【ジェニー・オブライエン】人類史上最高峰の知性と評される宇宙物理学者。メシヤと日本贔屓。頭脳労働者のためか、結構な大食漢。研究所は大西洋の孤島だが、北伊勢市内にもよく出没する。

【必勝ミドル】ひちかたみどる。雲水翁の内弟子。凡庸な12歳であったが、五大所山の修行でメキメキと腕を上げる。先手必勝をモットーとする。

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