第60話 迷惑メールバスターズ
文字数 614文字
この辺に几帳面さがあらわれる。ダダクサなやつは、未開封メールが1000件を超えていたりする。
「そうですか? わたしとしては至って普通なのですが」
ニカルは部品を無くすのを嫌がるので、要らないゴミはすぐに捨てる。
「通常のメールより迷惑メールの処理に手を焼いてるよな、現代人は」
「迷惑メールなど、一網打尽にしてやりますよ」
頼もしい奴だ。
「特定電子メール法があるにもかかわらず、一向に減らないよな」
結構罰則が重いんだぜ。
「何も特別難しいことではありません。迷惑メールの送信者が正規のアドレスで送ってくることはまず無いですが、ヘッダには送信経路が残っています。それを元にプロバイダに連絡すれば、簡単に判明しますよ」
「ここまで野放しになっていたこと自体、不思議だぞ。この対策をするために、余計な投資を企業や個人はさせられてきた経緯がある」
案外、ホシは表の世界の住人だったりしてな。
「まあなんにせよ、善良な市民が悪徳詐欺に遭うのは見るに忍びません。囮を使って正体を暴く方法もあります」
セコい小金稼ぎなどせず、働けよという戒めである。
「おう、頼むぜ。お前がコマンドを実行すると、数日後に必ずニュースになる。大したもんだ」
「わたしは神籬さんがおっしゃらなければ、自分では思いつかなかったことが多々ありますよ」
穴に逃げ込んだネズミを