第144話 Over The Black Top

文字数 576文字

「困るのよねえ」
 北伊勢高前の道路が、バスケットボール大に陥没している。

「バイクやトラックが通ると危ないよね」
 知っているドライバーは避けるので、それも北伊勢高の生徒には危険だ。

「マリアもトレーラーで通るもんネ」
 ガテン系のほうが、求人は多い。

「水溜まりも出来ていますわ」
 こうしたところは市内のあちこちにある。

「早く直したほうがいいな」
 イエスは問題の責任を追及するコメンテーターではなく、問題を解消するカーペンターである。

「確か図書館に道路網図があったハズだよ」
 調べに行く一同。

「知らなかったわ。名も無き道なんて言うけど、どんなに細くて短い道路にもちゃんと名前があるのね」
 北伊勢高前の道路名が判明した。

「メシヤさま。道路の補修依頼は、国道・県道・市道とでは、連絡先がそれぞれ違うのでしたね」
 北伊勢高前の中央線は、市道である。

「メールも出来るんだヨ」
 アドレスも当然分かれている。

「僕が書いとくよ」
「頼むわ」


 朝メールを送ったばかりだが、下校前には道路補修が完了していた。

「速いですわね!」
 お役所の悪口ばかりを言ってはいけない。

 横断歩道や停止線、ダイヤマーク等が消えかけている場合は、警察署に連絡すれば対処してくれる。センターラインや車線境界線は市等の道路管理者となるが、黄色のセンターラインは規制を伴う表示であるため、警察署の管理となる。






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登場人物紹介

奇特人間大賞・藤原メシヤ。

彼の元には、いつもハチャメチャが押し寄せてくる。

お転婆娘・安倍マリア。

ギャルであり、敬虔なシスター。

メシヤを止められるのは、マリアだけ。

江戸時代から脈々と続く、大手ゼネコンの御曹司、十九川イエス。

メシヤにとって無くてはならない、心の友。

イスラエルからの留学生・裁紅谷エリ(姉)。小柄だがフィジカルお化け。最初は身分を隠していたが・・・

同・裁紅谷レマ(妹)。エリは双子の姉。落ち着いているように見えるが、9マイル先のターゲットを錆びついたマシンガンで撃ち抜ける。

【東洋】あずまひろし。北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーにて勤務。ろくに学校も出ていないが、父親のスパルタ教育により、体だけは頑丈。後輩・キョン子に、なぜかなつかれている。

【西本願寺京子】京都の名門・西本願寺家の長女。学年的にはメシヤたちと同じである。躾の厳しい実家を飛び出し、北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーで勤務する。職場の先輩、東洋《あずまひろし》に、キョン子と呼ばれる。どうやらヒロシのことは以前から知っているようだが・・・。

【科納ニカル】かのにかる。科納エレクトロニクスの令嬢。子供向け番組『コンピューター・ニカルちゃん』で一世を風靡。ロンドンインペリアルカレッジを首席で卒業後は、神籬探偵事務所で助手を務めている。

【奈保レオン】なぽれおん。年齢、星籍不詳。メシヤと同じ1年G組に席を並べる。数学、歴史が得意。破天荒(誤用ではない)なメシヤの、良き理解者。

【ジェニー・オブライエン】人類史上最高峰の知性と評される宇宙物理学者。メシヤと日本贔屓。頭脳労働者のためか、結構な大食漢。研究所は大西洋の孤島だが、北伊勢市内にもよく出没する。

【必勝ミドル】ひちかたみどる。雲水翁の内弟子。凡庸な12歳であったが、五大所山の修行でメキメキと腕を上げる。先手必勝をモットーとする。

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