第137話 隣どおし あなたとあたし

文字数 534文字

「エリちゃんのその髪留め可愛いわね」
 さくらんぼがエリのツインテールを飾っている。

「ただの丸とか四角よリ、こういうのが好きなんダ~」
 この辺りはメシヤと似ている。

「メシヤさまのお庭にも植わっていましたわ」
 さすがに佐藤錦ほどの味は出せない。

「今年はじめて食べさせてもらった。すまんな、食い過ぎて」
 フルーツはりんごしか食べれなかったイエスだが、徐々に嗜好が変わってきている。

「じゃんじゃん食べてよ。イエスには世話になってるから」
 気っぷが良い。

「アメリカンクラッカーはあれから思いついたのかしら」
 可能性はある。

「チェリーのようなアメリカンクラッカーのような武器があるよね」
 錯乱坊チックな発言だ。

(地味な武器ですが、殺傷能力は想像以上です・・・)
 マリアはレマが時折見せる真剣な表情を見逃さない。

「さくらんぼジュースも案外いけるもんだ」
 美容効果にも注目だ。

「冷やし中華やクリームソーダにのっけた人は、始祖鳥だよね」
 いまだに継続してこの伝統が保たれている。

「そういうのを見つけられるといいのですが」
 レマのようなハイスペック人間ほど、謙虚になる。

「あたし、ダークチェーリーも好きよ」
 また違った楽しみ方だ。

「グランマに教わったダークチェリータルトをご馳走するヨ!」





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登場人物紹介

奇特人間大賞・藤原メシヤ。

彼の元には、いつもハチャメチャが押し寄せてくる。

お転婆娘・安倍マリア。

ギャルであり、敬虔なシスター。

メシヤを止められるのは、マリアだけ。

江戸時代から脈々と続く、大手ゼネコンの御曹司、十九川イエス。

メシヤにとって無くてはならない、心の友。

イスラエルからの留学生・裁紅谷エリ(姉)。小柄だがフィジカルお化け。最初は身分を隠していたが・・・

同・裁紅谷レマ(妹)。エリは双子の姉。落ち着いているように見えるが、9マイル先のターゲットを錆びついたマシンガンで撃ち抜ける。

【東洋】あずまひろし。北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーにて勤務。ろくに学校も出ていないが、父親のスパルタ教育により、体だけは頑丈。後輩・キョン子に、なぜかなつかれている。

【西本願寺京子】京都の名門・西本願寺家の長女。学年的にはメシヤたちと同じである。躾の厳しい実家を飛び出し、北伊勢市内のパチンコ店・エンペラーで勤務する。職場の先輩、東洋《あずまひろし》に、キョン子と呼ばれる。どうやらヒロシのことは以前から知っているようだが・・・。

【科納ニカル】かのにかる。科納エレクトロニクスの令嬢。子供向け番組『コンピューター・ニカルちゃん』で一世を風靡。ロンドンインペリアルカレッジを首席で卒業後は、神籬探偵事務所で助手を務めている。

【奈保レオン】なぽれおん。年齢、星籍不詳。メシヤと同じ1年G組に席を並べる。数学、歴史が得意。破天荒(誤用ではない)なメシヤの、良き理解者。

【ジェニー・オブライエン】人類史上最高峰の知性と評される宇宙物理学者。メシヤと日本贔屓。頭脳労働者のためか、結構な大食漢。研究所は大西洋の孤島だが、北伊勢市内にもよく出没する。

【必勝ミドル】ひちかたみどる。雲水翁の内弟子。凡庸な12歳であったが、五大所山の修行でメキメキと腕を上げる。先手必勝をモットーとする。

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