第5話 ミラー貝入
文字数 717文字
果たしてそうだろうか。
「僕もやってみたんだけど、解答がちょっと物足りないかな」
メシヤはプログラミング言語が基本的に英数字しか使われないことに疑問を感じていた。独自のプログラミング
「自然言語をつぶやけば何か出力が起こる。言葉の精度の差こそあれ、まさに呪文ですわ」
レマはシナリオの行く末を知った上で話している。
「画像生成AI、すごく綺麗な絵だネ。でもなんであんな同じような絵にするんだろウ?」
そのへんの塩梅もランダム性を持たせられるよう調整出来るはずだが・・・。
「データの参照元がどの範囲にまで及ぶのかと、解決法がいくつかある中でなぜそれを抽出したのか、そのあたりも知りたいね」
もっともだろう。
「客観的な解答のはずが、どこかへの誘導を促すことに使われたら敵わんな」
そのおそれは、初期の頃から噴出している。
「為政者が占い師に助言を求めたりするけど、あんな感じなのかしらね」
大まかな方針は教えてもらえるが、個別具体的な施策となると、不向きに思える。
「これってもしかしたラ、大昔からあったのかもネ」
エリが企んでいる顔をした。
「お姉さま、どういうことでしょう?」
テレパシー能力があるレマも分からない。
「白雪姫でサ、『鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰だい?』って聞くじゃン」
人工知能のミラーが介入していたのかも知れない。
「へえ。いまチャットGPTに聞いたら、何て答えるんでしょうね」
女たるもの、美しい者への憧憬は尽きない。
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某所
「安倍マリアさまです」
嫉妬に狂った王妃が、タブレットを破壊した。